【基本】聞き手を飽きさせない効果的で魅力あるプレゼンスライド作り6つのポイント

視覚資料と言えば、アメリカでは、フリップチャートがかなり一般的に使われているが、日本では、ホワイトボードの方が主流かもしれない。そんな視覚資料をうまく使いこなすことが、あなたのプレゼンの成功を決めるといっても過言ではない。より難解な内容は、わかりやすいチャートで示されると安心するし、腹に落ちやすい。耳で聞くことに加えて、目で確認することで説得力が増す。

 しかし、最近では、パソコンを使ってスライド(パワーポイントなどのソフトを利用して)を作るのがごく当たり前になってきた。大勢の聴衆から、小さなグループまで応用できるし、ごく簡単な内容から、複雑な内容まで、応用範囲が広い。リモートコントロールがあれば、コンピュータの近くで操作する必要もなく、ステージ狭しと動き回れるし、聴衆の近くへ行って説明もできる。今は、オンライン会議が需要が増えたので、プロジェクターやスクリーンなどを手配する必要が少なくなり、その分、ますますスライドの利用率が上がっている。

 そこで今回は、スライドの効果的な作り方に焦点を当てて、どんなところに注意したら、聴衆の集中力を維持し、彼らを飽きさせない魅力あるスライドが作れるのかをご紹介したい。

 ここで紹介することは、スライドだけに限らず、他の視覚資料作成にも応用できる。また効果的なスライドは、YouTubeなどにも応用できるので、発展的な活用をおすすめしたい。

どのアプリで作成するか?

 一番有名なのは、マイクロソフト社のパワーポイントだが、あまり機能がフル装備だと、高度なスキルを使いこなせる人には有益だが、初心者には宝のもちぐされになりかねない。特にスタッフ同士で共有・編集する場合は、操作がシンプルなアプリの方が望ましいし、その方が制作時間も節約できる。

 そこで、数多あるアプリの中で、簡単に使いこなせて、チームでの共同編集も可能なものを厳選して3つご紹介しているので、こちらの記事を参照されたい。

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パソコンとスマホとコーヒー

聴衆を魅了して飽きさせないスライド作りの基本的な6つのポイント

 スライド作りには時間がかかることをまず念頭において欲しい。事前に十分な準備時間を計画した上で作成に取り組みたい。もし、対面でプレゼンを行うなら、プロジェクター、コンピュータとの接続端子の確認、音声やスクリーン(壁)などの調整など、万全の体制で望みたい。技術的なことを任せられる専任の人をお願いするのは良い考えだ。万が一に備えて、機械が使えないことも考え、バックアッププランを練っておくのも忘れないで欲しい。

 以下に示す6つのポイントは、Toastmasters Internationalでも推奨されている内容だ。

  1. 読みやすく、見やすく
  2. シンプルに
  3. 色使いは綺麗にバランス良く
  4. 長すぎず、短すぎず
  5. 紙芝居を作る要領で
  6. 進行はスムースに

1、読みやすく、見やすく

全ての聴衆が見て、読めるものを作ることが大切だ。文字は大きめがいい。対面の場合は、一番後ろの人にも読めるような文字の大きさにすること。

 オンラインの場合も、聞き手の中には、スマホで参加する人もあるだろうから、自分でも実際にスマホで読みやすいかどうかもチェックしておくと良いだろう。

 Googleスライドの場合、最低18ポイントは欲しいところ。全ての文字を大きくするのではなく、強調したい部分(タイトル)と小さい文字との差を大きくし、コントラストを出すようにすると魅力的に見える(例:小さい文字が18ポイントなら、タイトルは48ポイントとか)。

 対面の場合、あなたの立ち位置とスクリーンのバランスにも注意しよう。あなたが聴衆とスクリーンの間に立って邪魔しないような高さにスクリーンを配置する。高さの調整が難しければ、できるだけ聴衆に近いところでスライドを説明しやすい位置はどこかを見つけよう。当然のことだが、実際に映し出してみて適切にピントが合った鮮明な画面が出るかどうかもチェックしたい。

2、シンプルに

多くの人が間違えるのはここ。

  •  グラフ、図表、シンプルに分かりやすく(3つ以上の棒グラフや折れ線グラフをつけない)
  •  文章は最低限に絞る。一つのアイディアに一つのスライド。一枚に7行以上書かない。一文に7語(英語)14語(日本語)以上書かない。
  •  本、プリント、資料などに書かれてあるものをそのまま写さない。
  •  スライド一枚一枚にタイトルを入れる。

3、色使いはきれいにバランスよく

 特にグラフとか図表はカラフルに仕上げよう。図表の背景は明るい色を選んだほうが文字がはっきり見えるのでお勧め。だからと言って、色を多用しすぎると、目がチカチカしてしまうので注意。

4、長すぎず、短すぎず

 一つのスライドにつき、30秒から1分のスピーチを限度とする。

 あまり短すぎると、聴衆は表示されたデータを理解・吸収できなくて欲求不満に陥りやすい。よく動画の例などを持ち出して、「TVコマーシャルなどでは、15秒くらい。時間が短い中で多くの情報を提供できるから、短ければ短いほどいい」と主張する人がいる。しかし、プレゼン・スピーチは、コマーシャルとは違ってナマモノだ。落ち着いて理解するにはある程度の時間が必要。

 もし、内容が多くて、盛りだくさんなら、たくさんのスライドを使って、情報を少しずつ1枚のスライドに載せた方がいい。絶対に避けたいのは、少ない枚数で詳細満載の情報を提示することだ。

5、紙芝居を作る要領で

 文字と写真やグラフ・表が一致していなくてはならない。スライドと話す内容を別々に考えて作るのではなく、同時に作成しよう。そうすれば、視覚資料とあなたの言葉が一体化して聴衆の理解を助けることになる。

6、進行はスムースに

 アプリ上でのプレゼン方法については事前によく研究し、練習した上で、リハーサルを何回も繰り返すことが重要だ。

 避けたいのは、同じスライドを見せたまま、話をひたすら続けてしまうこと。聞き手は同じスライドを見ながら、それとは違う話を聞くことになる。多くの人は同時に違う二つのことを吸収できない。これを続けると聴衆を飽きさせ、集中力を持続できない状況を作ってしまう。一度そうなると、現在、何の話をしているのかが分かり難くなってしまう。

 スライドの内容と関係のない話をするなら、スライドを一度止めて話したり、白紙のスライドを用意してから話す方がいい。「トピックが変わったら、画面を変える」を原則としたい。

スライドを作る際にしてはいけないこと

  1. スライドに書かれてある文章をひたすら読むこと
  2. テキストが小さくて読みにくい
  3. 色使いが悪く読みにくい。
  4. 要点ではなく、長い文章を載せる。
  5. テキストと図表・写真などのバランスが悪く、ごちゃごちゃしている
  6. グラフ・表などが複雑すぎて分かりづらい
  7. 不必要な小道具(効果音など)を使う

 注意すべきは、主役はあなたであり、スライドではないことだ。スライドはあくまでも補助的な役割にすぎない。スライドが貴方に取って代わり、目立つようなことがあってはいけない。例えば、効果音などの多用は聴衆を楽しませる一つの小道具になり得るが、しばしばそれは同時に、プレゼンの順調な流れを阻むことになったり、聞き手の注意を他へ向けさせてしまう原因にもなりかねない。

スライド作成時にすべきこと

1、要点のみを書く。

 スライドに記述するものは箇条書きにして、要点のみを書くようにする。または、図式化したり、象徴的な写真を一枚載せる。スライドに提示されていることよりも、多くの内容(具体例)などを話すようにする。スライドの目的は、あくまでも話の内容を強調したり、ポイントを明確にすること。

2、話の内容に関係のないスライドは削除

3、背景やフォント、タイトルのスタイル・色合いは、全体的に統一することで美しさが出る。

4、移行時のタイミングをリハーサル

 一つのスライドから次のスライドに移行する時のタイミングは大切。よく事前にリハーサルしておくこと。場合によっては、スライドを変えるタイミングをスピーチメモの中に記入しておくと良い。

5、白紙のスライドを用意。

時にはスライドを止めて話すことも必要。

 スライドに頼らず身振り手振りで説明した方がいい内容、もしくは、自分の心情やストーリーを深く語りたい場面などはどうするか。

 もし、オンライン会議であれば、一度シェアスクリーンをやめて、自分の顔が大きく映るようにすれば良い。または、それがクリック一つでできるスライドアプリがあるので、それを利用するのはオススメだ。(詳しくはこちらを参照)

 もしこれが対面なら? 一度スクリーンの電源をオフにして、聴衆の注意を自分に向けて話すこと。もしくは、電源はそのままで、白紙のスライドを映し出す。こうすることで、聴衆の注意をあなたに向けさせることができる。なぜなら、主役はスピーカーである貴方であり、スライドではないからだ。あまりスライドばかりに注意を向けさせるのは感心しない。

具体的なスライドのビフォーアフターはこちら:

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スライド事例

あなたが主役! スライドは脇役

原型を用意する

 貴方のプレゼンの原型となるスライドを一つ用意しておくとよい。いくつか試してみて評判の良かったものや、自分が気に入ったデザインやフォントなどをキープして、それを原型としておく。いちいちプレゼン毎に違うデザインを設定していると肝心の話の内容に集中できない。デザイン的にもあなたらしい統一感がでない。スライドはあくまでも脇役であることを念頭におこう。

 あなたは、肝心の話のメインテーマに集中しなくてはいけない。そのための原型だ。他の詳細に満ちたスライドは、その原型から派生したものを作って、発展していくような仕組みを考えると良いだろう。

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