第7回ー素晴らしい日本人に出会って【全8回シリーズ:日本人初NYスピーチコンテスト優勝への軌跡】

信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

5年間のアメリカでの勤務経験を経て、積極的に自分から働きかけて手に入れたMBAの切符。にもかかわらず、ワシントン大学留学時に続いて二度目の挫折を味わってしまいました。そしてそれに追い打ちをかけるような出来事が起こったのです。

突然に訪れた就職フリーズ

MBAの2年目に突入したのは2011年9月。2年目が始まってすぐに、大きな出来事が起こりました。

そうです、911です。

その日のことは、今でも鮮明に覚えています。授業に行く道すがら、私は肉眼で、タワーが崩れ落ちるのを目撃しました。その後も、早稲田大学の現役学生が犠牲になったと知り、大学と連絡を取り合いながら、ご遺族のサポートをしたりしました。

きっと当時ニューヨークに住んでいた人ならだれもが、それぞれの911のストーリーを持っていることでしょう。

ここではそれには触れないことにしておきます...

911後、当然、就職氷河期が突然に訪れました。

MBA卒業後の就職の内々定も取り消され、欧米系の企業を中心に、100社ほどの色々な企業に応募しましたが、その中で面接にこぎつけられた会社はたった4社。その4社でさえ、面接で振り落とされ、全滅。卒業時には就職先が決まっていない状態でした。

そんな折、とても素敵な日本人に出会いました。ニューヨークの大手証券会社の方だったのですが、オーラがあり、英語も素晴らしく、発言のひとつひとつに無駄が一切なく、「真のグローバルリーダー像」そのものでした。

私は帰り際に思わず、「英語のコミュニケーションが素晴らしいのですが、なにかなさっているんですか?」とお聞きしてみました。

すると、「スピーチを徹底的に学んだ」、とおっしゃったのです。

スピーチに開眼

早速私は色々と調べ始めました。すると、「トーストマスターズ」というスピーチクラブがあることを知りました。
トーストマスターズは話し方、パブリックスピーチ、リーダーシップを学ぶ国際的な非営利団体で、2018年12月現在、全世界143ヵ国に16,600 以上のクラブがあり、総会員数は357,000人以上です。その中から自分にあったクラブを選び、会員同士が相互に学び、スピーチとリーダーシップスキルを学び合うことができる場が提供されています。

私が見つけたのは、「日米トーストマスターズ」という、日本語と英語のバイリンガルクラブでした。ここでは月2回2時間のクラスがあり、そこで自分でスピーチをしたり、人のスピーチを聞いたり、他の人の原稿の文法をチェックしたり、他の人のスピーチの論評を考えたり。とても多くのことを学びました。

驚くべきは、トーストマスターズで学んでいる人の多くはネイティブということでした。つまり「話し方」は「英語力とは別の能力」だということなのです。

このトーストマスターズでは、毎年国際スピーチコンテストという一大イベントが開催されます。

日米トーストマスターズに入会してから2年後の2013年、私が国際スピーチコンテストに出場することになったのです。

私は「ポジティブな思考があなたの現実を変える」をテーマとしてスピーチ。これがトントン拍子に進み、決勝に進むことになりました。

決勝進出が決まったとき、観客の中にいたジャニスという黒人中年のベテランの会員の方が私に向かって歩いてきました。

「あなたは素晴らしい可能性を持っている。ただ決勝は甘くないわよ。私が無料でコーチングしてあげるわ。」

個人コーチングは通常、3万~4万円ぐらいするのが相場でしたから、「ラッキー!」くらいの気持ちでいたのですが、最初のコーチングを受けた時、なんとスピーチの世界は奥深いのか!と、目からウロコが落ちたのです。

  • スピーチ全体を通して、たった一つのメッセージに絞り込むこと。
  • そのためには言葉を尽くすのではなく、言葉をそぎ落とすこと。
  • 単語の一つ一つに感情を込めること。
  • 自分にしか語れないストーリーを全身全霊で語ること。。。

ジャニスのコーチの下、日本人では初めて、私が優勝することができました。

「伝えたい内容がある」「話したい思いがある」それは、言語を超えて大切なことです。まずはそれがある前提で、「ではどうしたらきちんと伝わるか」が重要なのです。机上のテストや、生徒のスピードに合わせて話してくれる英会話学校ではそれは身につきません。発音がネイティブだとしても、話す中身がなく、きちんと伝えることができなければ無意味です。

いかに、削ぎ落とすか。

「20字に削ぎ落とせ ワンビッグメッセージで相手を動かす」の(朝日新聞出版より2019年7月5日に出版)のコンセプトづくりは、この時すでに始まっていたのです。

 

次回は本シリーズ最終回、「第8回ー衝撃の乳がん宣告」です。

お楽しみに。

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5年間のアメリカでの勤務経験を経て、積極的に自分から働きかけて手に入れたMBAの切符。にもかかわらず、ワシントン大学留学時に続いて二度目の挫折を味わってしまいました。そしてそれに追い打ちをかけるように起こったのが、911。でもその後、ある素晴らしい日本人と出会い、私はトーストマスターズに入会してスピーチを本格的に学び始めることになったのです。

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