スピーチ事前準備3ステップ:大勢の前でも絶対失敗しないプロスピーカー直伝のコツ

あなたは、大会場でのスピーチを前にナーバスになるだろうか? 安心して欲しい。実はあなただけではない。すべてのスピーカーはスピーチの前に緊張するものなのだ。

しかし、そんな緊張をコントロールする方法がある。それは、事前準備を念入りに、集中してすることだ。スピーチの成功は事前準備次第で決まる、と言っても過言ではない。よく言われるのは、「与えられたプレゼン・スピーチ時間の最低5倍~10倍は準備の時間に費やせ」ということ。

事前準備には、大きく分けて、事前調査、原稿づくり(パワポ作り)、リハーサルの3つがある。

今回は、あなたのスピーチ・プレゼンが成功して目的が果たされ、あなたのメッセージがいつまでも相手の心に残るように、どんな準備が必要か、その理由をはじめ、効果的な3つのステップ一つひとつについて解説したい。

事前準備が大事な理由

  1. 当日リラックスできる
  2. 聞き手のニーズをつかみ、心に響かせ、好印象を残せる
  3. 言いたいことを整理して、より分かりやすく

1、当日リラックスできる

 準備やリハーサルを十分にしていないと、どうしても不安になったり、自信が持てず、アガってしまう。また、スピーチ・プレゼン経験が少なかったり、いわゆる場数を踏んでいないとどうしても自信が持てず、結果、緊張してしまう。

 準備なんてしなくても、即興で話せる人はたくさんいるから、リハーサルなんてやらなくて大丈夫。やるだけ時間の無駄だと思う人がいるかもしれない。

 しかし、実際には、その場で即興で話せる人の方が少ないのが事実だ。それに、即興で話しているように見えても、その陰で実は周到な準備をしている人は多いのだ。

 準備が十分だと心に余裕が生まれる。さらに「大丈夫!」と自身に言い聞かせた時に、自分でも説得力がでる。だから余計に安心できて、緊張を防ぐことができる。

 特に大勢の前で話す場合は、何回も原稿を書き直し、最低でも10回はリハーサル、鏡の前で練習したり、自分の話を録音、録画したりして十二分にチェックする。心理的なことが大きく影響するので、自分が納得するまでやり切る。そして、当日は「原稿を忘れてもいい。自由に話そう」と自分に話しかけると良い。

2、聞き手のニーズをつかみ、心に響かせ、好印象を残せる

スピ―チは構成前にしっかりと相手の「調査・分析」をすることが重要

なぜあなたのスピーチはうまくいかないのか? それは、聞き手の心に響かないからだ。では、なぜ心に響かないのか? 相手のニーズにハマっていないからだ。結局、「私には関係ない」と思われてしまっているからだ。だから、相手のニーズやウォンツを知ってからスピーチするのとしないのとでは雲泥の差がある。

そもそもなぜスピーチをするのか? 

それは、スピーカーに「説得したい、情報を伝えたい、買ってもらいたい、視野を広げてもらいたい、何か改善してもらいたい、反対意見から賛成意見になってもらいたい、感動を与えたい、行動喚起をしたい」など、色々な目的があるからだ。

つまり、スピーカーには「スピーチを通して聞き手に何らかの影響を与えたい」という目的がある。その目的を果たすためには、聞き手について知らないといけない。

準備で最初にすることは、原稿を書くことではない!

しかし、スピーチをする際、大体最初にすることは何か? ほとんどの人は、まず原稿を書き始めたり、パワポを開く。この行動は、多くの場合、「聞き手が何を求めているのか」ではなくて、「自分が何を言いたいのか」に偏っている結果起きる。自分中心視点では、「相手に影響を与える」ことは難しいだろう。

つまり、「聞き手に何らかの影響を与える」鍵は「聞き手視点」であり、「聞き手が何を聞きたがっているか?」をまず探ることだ。商品を売る前には、必ずマーケティングを行うように、聞き手の「調査・分析」のプロセスが必要なのだ。

3、言いたいことを整理し、より分かりやすく

シンプルで整理された構成がベスト

よくある間違いは、言いたいことを詰め込み過ぎてしまうことだ。自分が伝えたいことがたくさんあり、たくさん情報を与えた方が、相手にたくさんの選択肢や、判断材料を与えることになるから、その方が親切だと考える人は多い。

しかし、一般の聴衆は、あんまり情報が多すぎると、どうしていいか判断がつかなくなり、逆に、あなたが何を言いたいのか分からなくなってしまうのだ。結果、聞いた後、何も残らなくなり、あなたのスピーチの目的である「影響を与える」ことができなくなる。

中心となるメッセージを一つに絞る

だから、何を言うべきか、何を言わないべきか、あらかじめ整理しておく必要がある。これには時間がかかる。この整理がされていないと、聞き手は、困惑するだけだ。

従って、自分の言いたいことを明確にすること。中心となるメッセージは何か? それを研ぎ澄ますことが一番大切だ。このメインとなるメッセージをブレイクスルーメソッドでは、ワンビッグメッセージと呼んでいる。これを日本語なら20語以内、英語なら、10 words で言い表すことが成功の秘訣だ。

そして、聞き手にとって分かりやすい構成が必要だ。ワンビックメッセージを考えたら、それをサポートする3つのメッセージを考える。これが一番シンプルで分かりやすい構成だ。

準備を怠ったために失敗した例・成功した例

何を言いたいのか分からない1回目のプレゼン

大阪のプラスチック会社に勤める鈴木俊介(仮名・38歳)さんは、新しいプロジェクトリーダーだ。このプロジェクトには投資家を募らないといけない。しかし、彼は大の話し下手だ。ある日、彼は必死にプレゼンをした。ところが、大失敗。終了後、なんの質問もなく、オファーも全くなかった。

私はこれではまずいと思い、こっそり、会場を出てきた聴衆の一人に聞いてみた。「彼の話はどうでしたか?」その人曰く、「いや、何を言いたいのかよく分からなかったよ」。やっぱりそうか、と思った私は、彼に声をかけた。

「鈴木さん、プレゼンの構成を少し変えてみませんか」

突然の変更に戸惑った彼だったが、「話の順番以外、何も変えなくて良いから」との私の説得に応じ、2回目のプレゼンに臨んだ。

5つのオファーにつながった2回目のプレゼン

彼は、スピーチ冒頭から、いきなり自社の一番のセールスポイントを話し出した。それは、1回目のプレゼンでは、スピーチ開始15分後に話した内容だった。

彼の話ぶりは相変わらずで、正直、お世辞にもうまいとは言えなかった。しかし、始まる前から眠そうにしていた投資家たちは、一瞬目を見開いて注目し、最後まで聞き続けた。その後、質問が相次ぎ、最終的に「もっと詳しい話を聞きたい」というオファーが5つほどあった。

彼のしたことは、ただ、大事な自社の強みを最初に話し、後から詳しくこれまでの足取りを説明し、自己紹介・会社の概要を話したのは、一番最後だった。もちろん、2回目まで少し時間があったので、熱心に練習したことは言うまでもないが。。。

このように、話の構成を変えるだけで、聞き手の態度がまったく変わってくるのだ。特に聞き手は投資家だ。この手のプレゼンを聴き慣れている。特に際立った所がない、ありきたりの構成だと、特に鈴木さんのような話し下手だと、いくら内容が優れていても、つまらない話だと解釈されてしまう。

しかし、2回目では、冒頭に自社の強み、一番のセールスポイントを持ってきた。聞き手は「面白そうだ。儲かるかも」という印象を持った。一度やる気が出れば、話が下手でも、最後まで聞いてくれる。なぜなら、投資家は、将来利益をもたらしそうならどんな話でも聞こうとするからだ。

聞き手が誰なのか、相手はどんな特性があるかを考え、話の順番・構成を変える。そんなやり方が項を奏したのだ。

大会場でも絶対失敗しない事前準備3ステップ

  1. 事前調査でニーズ・ウォンツをつかむ
  2. 論理的でシンプルな構成づくり
  3. 入念なリハーサル

1, 事前調査で相手のニーズ・ウォンツをつかむ

「聞き手に何らかの影響を与える」ためには、「聞き手が何を聞きたがっているか?」をまず探ることだ。相手のニーズに合わない話は、聞いてもらえないが、ニーズにピッタリ合って、聞き手とつながれば、「素晴らしい!」と賞賛される。では、その相手のニーズを探るために、以下の4つの質問を自分にして欲しい。

事前調査「聞き手を調査・分析する4つの質問」

  1. 聞き手は誰か?
  2. 聞き手へのベネフィットは何か?
  3. なぜあなたなのか?
  4. 聞き手にどうなってもらいたいのか?

相手はクライアントなのか、同じ部署の人間なのか、投資家なのか(①)で、抱える悩みや興味が全然変わって来る。同じ内容を話すにしても、相手のニーズに合わせて(②)、それに関連する言葉を入れるだけで相手の反応は随分と変わる。相手が喜ぶことや、メリットになることを盛り込んでみよう。

そして、あなたがなぜそれを語るに相応しいのかを自問して、書き出してみる(③)。経験談があれば、それも相手の役に立つに違いない。

さらに、スピーチ/プレゼンが終わったあと、聞き手に取ってもらいたい「次の行動」をしっかり考えよう(④)。これはスピーチのクロージングに持って来るようにする。

, 論理的でシンプルな構成づくり5ステップ

  • a) ワンビックメッセージをつくるための共通点を探る
  • b) 20字以内で表現する
  • c) 3つのサポートメッセージを考える
  • d) ワンビックメッセージと3つのサポートメッセージをつなぐ
  • e) 印象的なオープニング・クロージングを考える

a) ワンビックメッセージをつくるための共通点を探る。

聞き手の情報が揃ったら、いよいよワンビックメッセージをつくる。まずは、自分と相手の共通するものは何かを探る。そして、自分が聞き手に何を与えることができるのかを深く考察する。共通基盤が増えれば増えるほど、相手により深く共感してもらえるだろう。

共通点が確認できたら、その中から、何か一つだけ、一番自分がしっくりくるものを選ぶ。

b) 20字以内で共通部分を表現する

自分のスピーチ・プレゼンを通して一番アピールしたいポイントのことをワンビッグメッセージと呼ぶことは前述した通りだ。聴き手に強い印象を与え、あなたのスピーチをいつまでも覚えていてもらうためには、このワンビッグメッセージがはっきりしていることが大切であり、それを上手に表現することが決め手になるのだ。

そのためには、その一つの共通点を20字以内で表現してみよう。

c) 3つのサポートメッセージを考える

ワンビッグメッセージができたら、それを正当化できる3つの事実・理由を考えよう。それを考えるに当たっては「なぜそう言えるのか?」を繰り返し自問自答するのが、ポイントだ。

なぜサポートメッセージが必要か?

なぜサポートメッセージを考えるかというと、メッセージだけでは説得力がないからだ。何かを伝える時は必ず理由とセットで伝える。これも、今後の仕事に役立つので覚えておこう。

ちなみに、なぜ3つなのか。それは、「3つの法則」というのがある。人間の脳は、2つだと「何か物足りない」と感じ、4つだと「ちょっと多いな」と感じ、3つあると「満足する」ようだ。実際に、有名なスピーチはいずれも「3つのX X」を掲げているものが多い。

サポートメッセージを「3つ」に決めるプロセス

いくつも頭に浮かんでくるようなら、思い切って捨てることが大切。あれもこれも並べられても、人はそんなにたくさんの情報を一度に処理できないものなのだ。整理するためには次のプロセスを踏もう。

  1. 思いつくままにポイントをできるだけ書き出す(発散的思考)
  2. 書き出した内容をグルーピングし、3つに絞る(収束的思考)
  3. 短いサポートメッセージに落とし込む(日本語なら20語以内、英語なら10 ワード以内)

つまり、プロセスとしては、最初に、思いつくままに付箋紙などを利用して、ポイントを書き出して行く(発散的思考)。この段階では何も判断はしない。その後、似通った内容のものはグルーピングする。いくつかグループができたら、その中で本当に必要な内容はどれかを判断し、3つまでに絞り込む(収束的思考)。実は、このプロセスが難しい。どのアイディア・項目も愛着があったりして、捨てきれない場合がある。しかし、少しでも関係のないものは勇気を出して切り捨ててしまおう! 

d) ワンビックメッセージと、3つのサポートメッセージをつなぐ

誰も難しい話は聞きたくない。相手に心から納得してもらえ、分かりやすくて、論理的で、シンプルに全体をまとめるには、こんな構成が望ましい。

Opening: ワンビックメッセージ

Body:サポートメッセージ1

    サポートメッセージ2

    サポートメッセージ3

Closing: ワンビックメッセージ

以上を骨格にして、必要な肉(データ、エピソード、理論など)をつけていく。このフレームさえ崩さなければ、聞き手はあなたの話に熱心に付いてきてくれるだろう。(どのようにスムースに必要な肉をつけていくかは、ブレイクスルー基礎コースで詳しく解説している)。

e) オープニング・クロージングを考える

e-1 オープニングで聞き手の心を開かせる

挨拶や自己紹介、主催者へのお礼は、大切な要素だが、オープニングですべきではない。前述の鈴木さんのエピソードを思い起こして欲しい。鈴木さんが、ただ話の順序を変えただけで、投資家の反応が違った。それは、オープニングで一番言いたいこと、相手が一番興味あることを述べたからだ。

e-1-17秒ー30秒ルール」を使う

聞き手は、聞き始めてから7秒でスピーカーであるあなたの印象を決め、30秒であなたの話に興味があるかどうかを判断する、と言われている。

鈴木さんの問題点と成功点

1回目のプレゼンでは、自己紹介、会社概要から始まった。これだとお決まりのパターンで面白味がない。この手のプレゼンを聞き慣れている投資家達にとっては、ありきたりの話だと思われたに違いない。

しかし、2回目では、冒頭に自社の強み、一番のセールスポイントを持ってきた。聞き手に「面白そうだ。儲かるかも」という印象を与え、「よし話を聞いてみよう」という気にさせた。一度やる気が出れば、話が下手でも、最後まで聞いてくれる。なぜなら、投資家は、将来利益をもたらしそうならどんな話でも聞こうとするからだ。

e-1-2 ワンビックメッセージを使い、ポイントを具体的に簡潔に述べる

このように、冒頭にワンビックメッセージを持ってこよう。そうすれば、相手に強い印象を与え、あなたに興味を持たせることができる。鈴木さんのように、一度オープニングで聞き手の注意を引きつけたら、かなりあとで挨拶や自己紹介をしてもいいのだ。主催者へのお礼も話の途中で述べても別に問題ない。

e-2  クロージングでいつまでも印象的に

サインドイッチも、中身がおいしくとも、それを挟む美味しいパンが両側にないと、全体として美味しいサンドイッチにはならない。両側のパンをともに美味しくするには、オープニングだけ工夫してもダメだ。クロージングもそれに伴うための手法を紹介しよう。

e-2-1 リーセンシー効果を使う

リーセンシー効果(親近性効果)とは、「人は暗記すべき項目のリストを与えられたとき、中程の項目よりも、最後の方の項目を覚えている、あるいは、重要だと考える傾向がある」というもの。

従って、クロージングこそインパクトがなければいけない。また、結論に入る前に「最後にこれだけは言わせてください」などのシグナルを発し、聞き手がメッセージにより大きな注意を払う工夫も心がける。

e-2-2 たった一つの次の「行動喚起」を促せるかに集中

ブレークスルーメソッドでは、クロージングで、しっかりメッセージを相手の記憶に焼き付け、良い印象をもって締めるために、6つのクロージング手法を紹介するが、その中で、ビジネスならお勧めしたいのが「行動喚起」だ。

すでに述べたように、スピーチやプレゼンには、特にビジネスでは必ず、何らかの具体的な目的がある。次のミーティングにつなげることや、商品購入そんなネクストステップを明確に示すには、スピーチの最後にしっかりと「行動喚起」をすることが重要だ。

ただし、聞き手に喚起する「行動」は、一つに絞ること。例えば、

・この後、商品デモを行うので来て欲しい

・ウェブから、次のイベントの登録ができる

・是非弊社のウェブを見て欲しい。

・来月から販売開始する新商品のカタログを、会場の出口で受け取って欲しい

・セミナーのアンケートを提出して欲しい

などと沢山のネクストステップを提示してしまうと、人は、どれもやらなくなってしまう。なので、スピーチでは、どれか一つに絞るのが効果的だ。あとの行動はスタッフが説明するとか、プリントに書いて渡すことでカバーできる。

 論理的でシンプルな構成づくり5ステップをもう一度まとめると、

あなたの一番伝えたいこと、つまり、a) ワンビックメッセージをつくるために、自分と聞き手の共通点を探り、b)それを 20字以内で表現する。そして、それを支える、c) 3つのサポートメッセージを考える。それら、d) ワンビックメッセージと3つのサポートメッセージをうまく構成し、スムースな話の流れを考える。そして、e) 印象的なオープニング・クロージングを考えること。これができれば、強い印象とともに、多くの人の心に刻み込まれるであろう、あなたのスピーチの原稿準備は完璧だ! でも、それだけでは、まだ十分ではない。次のリハーサルがどうしても必要だ。

効果的なスライド作成については、こちらの記事が参考になる↓

関連記事

スピーチの成功は準備にかかっている。準備の努力が8割と言っても過言ではない。まず聴衆の調査・分析から始まり、シンプルな構成を考え、入念にリハーサルを行う。こうすることで緊張することなく、相手の心に響き、分かりやすく、誰にでも受け入れてもらえるスピーチができるだろう

パソコンとスマホとコーヒー
関連記事

スピーチの成功は準備にかかっている。準備の努力が8割と言っても過言ではない。まず聴衆の調査・分析から始まり、シンプルな構成を考え、入念にリハーサルを行う。こうすることで緊張することなく、相手の心に響き、分かりやすく、誰にでも受け入れてもらえるスピーチができるだろう

オンラインで授業を受ける男性
関連記事

スピーチの成功は準備にかかっている。準備の努力が8割と言っても過言ではない。まず聴衆の調査・分析から始まり、シンプルな構成を考え、入念にリハーサルを行う。こうすることで緊張することなく、相手の心に響き、分かりやすく、誰にでも受け入れてもらえるスピーチができるだろう

スライド事例
関連記事

スピーチの成功は準備にかかっている。準備の努力が8割と言っても過言ではない。まず聴衆の調査・分析から始まり、シンプルな構成を考え、入念にリハーサルを行う。こうすることで緊張することなく、相手の心に響き、分かりやすく、誰にでも受け入れてもらえるスピーチができるだろう

3, 入念なリハーサル

3-1、リハーサルを何回もする。あらかじめ失敗を経験しておく

なぜ何回も練習するのか? それは、

  • 言いにくいフレーズを修正できる。
  • 自分らしい自然なフローでスピーチを展開し、全体の流れを把握、体で覚えられる。
  • 時間感覚をつかめる。

からだ。

特に大勢の前で話す場合は、何回も原稿を書き直し、最低でも10回はリハーサル、鏡の前で練習したり、自分の話を録音、録画したりして十二分にチェックする。

リハーサルの中で、うまく言えない所や間違える部分は、とかく何回も繰り返し起きがち。でも、失敗を繰り返すことで成長できる。

弊社ブレークスルーメソッドの受講生たちも、練習が足りないうちはたどたどしい話し方だった。しかし、リハーサルで20回ほど繰り返し練習すると、見違えるほどに上達し、滑舌も良くなり、気持ちに余裕が生まれてきた。やがて、聴衆とまるで対話するがごとく話せるようになれた。特にスピーチの言語が日本語じゃない場合はそれ以上練習する必要がある。

3-2、ビデオに撮る

スピーチ本番では、言葉自体よりも、非言語コミュニケーション、つまり、姿勢や、手の動き、声の抑揚、顔の表情などがあなたの印象に大きな影響を及ぼす。自分がどう見られるかを客観的に見るために、必ずリハーサルで録画しよう。適切でない動作はあなたの発言を妨げてしまうし、意欲のない人と思われてしまうかもしれないので要注意だ。

最初は、自分の姿を見るのは恥ずかしいものだが、避けてはいけない。自分で気づいたことは、絶対に他人にも気づかれる。だからあらかじめ修正しておくのがベストだ。

聞き手を飽きさせないためには、単調さから抜け出し、スピーチ全体に「ダイナミックさ」「変化」を取り入れることが大切。次のポイントをチェックし、変化に富み、聞き手を楽しませられるものかどうかを考えて欲しい。

ビデオを撮る時のチェックポイント:

アイコンタクトは適切か(オンラインでやる時は、カメラ目線)

声の抑揚、高低、緩急、間が適切で、変化があるか

感情表現が豊かか、発言内容と表情が一致しているか

ボディランゲージは適切か

3-3、丸暗記はしない

リハーサルで丸暗記はしない方がいい理由。

  • 緊張の原因になる。
  • ぎこちなく聞こえる
  • 臨機応変に対応できなくなる。

丸暗記は緊張の原因になる。

なぜなら、頭の中で丸暗記の文が順序よく並んでいると、一つ間違えて脱線したら、元の線路に戻るのが難しくなる。戻るのが難しくなると焦って、パニックになる。これが頭が真っ白になる1つの原因だ。

ぎこちなく聞こえる

そもそも丸暗記の文章は、わざとらしく、不自然で、ぎこちなく聞こえるので、スピーチとしては面白くない。

臨機応変に対応できなくなる。

優秀なスピーカーというのは、観衆のリアクションに合わせ、臨機応変に自分の言いたかったことを少し変えて表現したり、その場に見合う言い回しに変えて話したりするものだ。丸暗記しているとこういう芸当ができなくなる。

聴衆をよく見ながらそれに合わせて話す。ちょうど一対一で普段の会話をするように。親しい友人と話をする時には、決して暗記してきたセリフを一語一語丁寧に語ったりしない。同じことを大会場でもすればよいのだ。

完璧に原稿通りに話す必要なんてない。プロのスピーカーは、その瞬間起きることを楽しんでいる。そして、あらかじめ何が起きても慌てないようにいろいろ準備している。もし、話が脱線しても、こう修正しよう、というプランBがあったりするのだ。そういう準備も大切だ。

関連記事

スピーチの成功は準備にかかっている。準備の努力が8割と言っても過言ではない。まず聴衆の調査・分析から始まり、シンプルな構成を考え、入念にリハーサルを行う。こうすることで緊張することなく、相手の心に響き、分かりやすく、誰にでも受け入れてもらえるスピーチができるだろう

3-4 失敗しないためのマインドセット

リハーサルで脳のプログラムをリセット

「習うより慣れろ」と昔から言われるが、スピーチに関してもとにかく慣れが必要だ。それには場数を踏むことを、普段から心がけて欲しい。

リハーサルで失敗を繰り返し、修正を繰り返すことで成功体験とし、それをインプットして、「失敗」を「成功」へと脳のプログラムを書き換える。成功体験を脳内にインプットして、過去の失敗体験を塗り替えれば「あがり症」も克服できる。

特に、リハーサルでは、自分がスピーチで成功して笑っているイメージトレーニンをするといい。少しでも不安に襲われたら、「大丈夫!」と自分に言い聞かせて、自分のマインドを書き換えよう。これなら、今からすぐにも実行できるし、簡単で、効果も感じることができる。

関連記事

スピーチの成功は準備にかかっている。準備の努力が8割と言っても過言ではない。まず聴衆の調査・分析から始まり、シンプルな構成を考え、入念にリハーサルを行う。こうすることで緊張することなく、相手の心に響き、分かりやすく、誰にでも受け入れてもらえるスピーチができるだろう

まずは相手を知ることから始めてみよう!

スピーチを成功に導き、相手に好印象を与え、いつまでも覚えていてもらうためには、準備に十分な時間をかけることだ。準備を入念にしておけば絶対に致命的な失敗はしない。

私も以前は、スピーチは、本番で臨機応変にこなすことだけで十分だと思い込んでいた。それは確かに重要な一面ではあるが、それだけだと深みが出ない。一番重要なことが分かりにくかったり、説明が不十分で終わったり、鋭い突っ込んだ質問に応えられなかったりした。だから、「あの人適当よねぇ」「チャラチャラしてる」と見られがちだった。

なので、否が応でも、周到な準備をするように心がけた。すると同じ笑顔でも自信が漂うようになり、リピーターも増え、評判も上がった。

準備を入念にすることは誰でもできる。話し方は下手でも、準備さえしっかりしておけば、その努力の影は自然と聴衆に伝わるものだ。たとえ、本番でセリフを忘れても、聴衆の方でカバーしてくれることもあった。

それには、まず、聞き手に対して興味を持ち、どんなことに興味があるかの情報集めから始めてみよう。そこさえ抑えておけば、あとは場数さえ踏めば、どうとでもなる。ニーズとウォンツを調べるために、顧客とざっくばらんな会話を楽しんでみるのはいかがだろうか。きっと相手に喜んでいただけるヒントが隠されているに違いない。

以上、あなたが、強い印象とともに、多くの人の心に刻み込まれるスピーチをするための3つの準備段階をまとめると、① 事前調査でニーズ・ウォンツをつかみ、② 論理的でシンプルな構成をつくり、③ 入念なリハーサルをすることだ。あとは本番を待つのみだ。グッド・ラック!!

ブレイクスルー(BT)メソッドとは

 ブレイクスルーメソッド™とは、米国プロスピーカーとして活躍する当メディア編集長で、ブレークスルースピーキング代表の信元が、長年の知識と経験を元に日本人向けに開発したスピーチ学習オンライン型双方講座。内容は、スピーチ・プレゼンスキル向上のために開発された数あるメソッドの中からエッセンスを抽出したものを、しかも日本人がグローバルな場面で活躍できる場面を想定して作られている。今まで述べてきた準備方法は、その内のかなり中心となる内容の一つだ。

 さらに、基礎コースを終えた人には、実践コースも用意され、定期的な間隔をおいて受講することで、学習者の進度状況を見ながら、その人に合ったコーチングが受けられる。また、段階的にステップアップできるように違うテーマでも受けられる。かなり少人数なので、個人レッスンとほぼ変わらないクオリティだ。上級者には、個人コーチングも用意されている。

 ブレークスルーウェビナー基礎コースを受けることで、世界基準のビジネス特化型のスピーチ・プレゼン術を最短効果的に習得できる。私が本講座の講師となったストーリー『私がブレイクスルーメソッドの伝道師になった理由とは』でもお話ししているように、スピーチに必要な知識と技術が集約されており、これからスピーチ・プレゼンを本気で学びたいと思う方に、おすすめの講座といえる。オンラインで1か月、スピーチ・プレゼンのブレークスルーを体験してみてはいかがだろうか。

 

>オンライン無料相談受付中!

オンライン無料相談受付中!

オンラインによる、15分間の無料相談では、はじめての方(個人様/法人様)向けに信元が直接アドバイスさせていただいております。コース選択のご相談はもちろん、何から手を付けたらいいか分からない、といった漠然としたご相談もOK。まずはお気軽にご相談ください。

CTR IMG