米国プロスピーカー直伝!オンラインプレゼンテーション5つのコツ!

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

ニューヨークでは自主ロックダウン生活が約2か月となりました。「New Normal」と言われていますが、働き方、チームワークの取り方、コミュニケーションの取り方、多方面で、新たな手法に慣れていくことが余儀なくされています。

私はアメリカでプロフェッショナルスピーカーとして活動していますが、私自身はもちろんのこと、プロスピーカー仲間たちもみな、登壇予定だったイベントが次々とキャンセルされ、バーチャル・イベントに移行しています。中には、自宅の一部を、「スタジオ」にしてしまったプロスピーカー仲間もいます。そういうホームスタジオを持つ人たちや、テクノロジー系の会社の人たちのオンライン登壇の舞台裏を見ると、そんなハイテク、無理!と思ってしまうかもしれません。はい、私も思います(笑)。私は、マンハッタンの小さなアパートですので、自宅スタジオを設置、というわけにはいきませんし、ハイテクな機材もありません。ですから最小限の機材で、バーチャル・イベントへの登壇を行っています。

こんな背景を受け、日本の企業からも、「オンラインでセミナー・イベントを実施する際のプレゼン研修をしてほしい、という問い合わせを頂くようになりました。

そこで今回は、私たちのような、「一般人」(笑)にもできる「オンラインプレゼンテーションのコツ」についてお話ししたいと思います。

効果絶大!オンラインプレゼンテーション5つのコツ

まず、プロスピーカーの私も実施し、効果抜群のオンラインプレゼンテーションのコツは以下。

  1. 普段よりさらに削ぎ落とせ!
  2. 物理的制限を逆手にとれ!
  3. マイクとライトだけは用意してクオリティアップ!※私が使っている機材一覧もご紹介
  4. バーチャル背景は使わない!
  5. 相手の顔を見ない!

次に、それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

① 普段よりさらに削ぎ落とせ!

オンラインでは聞き手の注意力が散漫なので、いつものようには聞いてもらえない

オンラインミーティングに参加している側に立ってみてください。ずっと座って画面を見て集中しているでしょうか?
きっと、手元にスマホを置いていたり、ちょくちょくメールをチェックしたり何らかの作業をしながら参加していたりしませんか??
(私もしょっちゅうです;;;)

オンラインミーティングだと、自分のカメラをオフにすることができるため、スピーカーやイベント主催者はもちろん、ほかの参加者たちからも自分の姿が見られない状態にすることができてしまいます。見られていない、と思うとついつい、他のことをしてしまいたくなる、のがヒューマンネイチャー。自分がプレゼンを聞いている側、であれば、これはマルチタスキングができる「利点」となるでしょう。

ところがプレゼンする側に立った際はどうでしょう。いつものようにみんながミーティングルームに集まっているときより、話を聞いていてくれていない、という環境になるわけです。そんな中で、伝えたいメッセージがしっかり伝わるにはどうしたらよいのか?

オンラインでも重要なのは、「ワンビッグメッセージ」

結論から言うと、「ワンビッグメッセージ」を明確にし、相手に伝えること。

ワンビッグメッセージとは、余計な情報は削ぎ落とし、たった一つの大切なメッセージに絞り込むことです。オンライン、リアル関わらずプレゼンやスピーチで自分が伝えたいメッセージを聞き手に伝えるのに大切なこととして、私が提唱するブレイクスルーメソッド™のキーであり、書籍『20字で削ぎ落せ』やウェビナー、その他さまざまなシーンで私が常々お伝えしている事です。

オンライン・プレゼンの場合は、この情報の削ぎ落しによる「ワンビッグメッセージ」がさらに重要になります。

ポイントは、徹底的に削ぎ落した「ワンビッグメッセージ」を繰り返し伝えること

集中力が持続しにくい聞き手に対してでも、メッセージが刺さるためには、ワンビッグメッセージを繰り返し伝えていくこと、つまり、徹底的に「削ぎ落とされた」メッセージを、「覚えやすいフレーズ」で、「繰り返し」伝えていくことがポイントになります。

最初の2,3回は注意散漫で聴いていなかったとしても、プレゼンの最後には、メッセージが耳に入ってくることでしょう。

ですから、普段よりもいっそう、「削ぎ落とす」ことに集中してみてください。

究極の削ぎ落し術を書籍で

私の著書、「20字に削ぎ落せ~ワンビッグメッセージで相手を動かす」(朝日新聞出版社)で、このワンビッグメッセージについて解説しています。Kindleなら、サンプルをダウンロードして読むこともできます。

書籍紹介

アメリカ唯一の日本人プロスピーカー直伝、誰でも実践できて効果的なオンラインプレゼンテーションのコツを5つお伝えします。ZoomやGoogleMeet、マイクロソフトTeamsを使ったオンラインセミナーやオンラインミーティングが増えている昨今、オンラインではどんな工夫をしたらよいのでしょうか?

20字で削ぎ落せ書籍紹介ヘッダー画像

ウェビナーでワンビッグメッセージの極意をがっつり習得!

専任講師(当メディア著者おぎの)によるウェビナーで、ワンビッグメッセージを含むスピーチ・プレゼンの極意を学ぶこともできます。オンラインですので、実践を想定しやすい環境で学ぶことができるのが、この記事を読んでいる方には+αのメリットとなるでしょう。知識と実践的なスキルを習得できるだけでなく、講師からのフィードバックがもらえる他、修了後は、私信元の無料コーチング(15分)を受けられます。

ウェビナー紹介

アメリカ唯一の日本人プロスピーカー直伝、誰でも実践できて効果的なオンラインプレゼンテーションのコツを5つお伝えします。ZoomやGoogleMeet、マイクロソフトTeamsを使ったオンラインセミナーやオンラインミーティングが増えている昨今、オンラインではどんな工夫をしたらよいのでしょうか?

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② 物理的制限を逆手にとれ!

オンラインでもリアルでも、プレゼン最大の敵は「無変化」

ブレイクスルーメソッド™では、常々「プレゼンの最大の敵は無変化」、とお伝えしています。普段のプレゼンでも、演題の後ろに立ったまま、不動の状態で表情も変えずに話続ける…そんなスピーカーは、飽き飽きしてしまいますよね?聞き手には、何らかの「変化」が必要です。普段のプレゼンなら、物理的スペースを使って動いたり、全身を使ったボディーランゲージで、変化をつけることができます。

オンラインの場合はどうでしょう。

オンラインだと、画面の幅だけに場所が制限されてしまいます。でもこれを逆手にとって、物理的制限を活用することができます。

立つ・座るのミックスで、プレゼンを魅力的に

PCの前で座ってプレゼンするケースがほとんどかもしれませんが、実は、立つ、というオプションもあります。私がオンライン登壇する際は、立つところと座るところ、両方使っています。

どのように使い分けているかをお伝えする前に、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

立って話す場合と、座って話す場合のメリットデメリット

さて、立って話す場合と、座って話す場合の効果的なプレゼンをお伝えしましたが、両方にアドバンテージとディスアドバンテージがあります。

座って話す場合

まず、座った形式だと、顔が良く見えるため、聞き手には、スピーカーとの距離が近く感じられます。

一方で、座っていると動きが制限されるため、「演題の後ろに立ったまま不動の状態…」のようなスタイルになってしまい、無変化の状態を作ってしまいます。

立って話す場合

立った形式だと、ボディーランゲージが使えるようになり、物理的な変化を生み出すことができます。

一方で、少々距離を感じてしまったり、また、あまり動きすぎてしまうと、狭い画面の中で動きだけが強調されて逆にうるさくなってしまうかもしれません。

では、私が、どのように無変化を回避し、物理的制限を逆手に取っているかというと・・・

立って話す場合は、上半身を映し、左右ではなく、前後に動く

まず立つ場合、全身が写るようにすると遠すぎてしまうため、上半身がしっかり写る位の距離を保ちます。この距離感で、十分、手の動きを効果的に使えます。でもカメラの関係上左右の幅はあまりとれないので、横に動き回ることはしませんが、奥行きを使ってみると、とても効果的に「変化」を作ることができます。たとえば、重要なメッセージの時はカメラに近づき、しっかりとカメラを見て、聞き手に語り掛けるようにしてみる。そしてストーリーを語っているときはPCから離れて動きを出してみる。このカメラの至近距離まで来て語り掛ける、というのが、とてもインパクトがあり、あまり多くのスピーカーは使っていない場づかいなので、「慣れてるな」という印象を与えることができると思います。

Q&Aの時などは座って話す

Q&Aの時などは、座ります。そうすることで、落ち着いて質問者の話を聞き、パーソナルに話しかけながら、あるいは気さくに会話をしながら回答する、という印象を与えることができるからです。

Zoomなどで録画しながらリハーサル

オンラインプレゼンをする前に、自主練として、Zoom(またはオンラインのプラットフォーム)を実際につけて、録画をしながらリハーサルをしてみましょう。自分の姿が聞き手にどんな風に映っているのかが分かり、また、どれくらい動いたら良いのか、場の感覚や、課題点も見えてくるはずです。

■「立って登壇、着席してQ&A」はちょっと難しそう、それ以外に飽きさせない方法はない?

今回ご紹介した「立って登壇、着席してQ&A」以外でできる、「飽き」を解消する7つの方法をご紹介しています。ちょっと難しそう、と感じた方は、こちらの記事でご紹介している方法が役に立つかもしれません。

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③ マイクとライトだけは用意してクオリティアップ!

何も自宅をスタジオにしてしまうほど色々な機材を用意する必要はありません。まず私がどんな機材を使ってオンラインプレゼンを行っているかご紹介します。

プロスピーカーが実際のオンラインプレゼンに使う機材リスト

  • ノートパソコン1台(コメントチェック用にもう一台用意する場合もあり)
  • 時間管理アプリ(ClockアプリとTimerアプリの両方を入れています)
  • iPad(時間管理用)
  • マイク
  • ライト

私が使用しているのは、ラップトップ、マイク、ライト、そして、時間を管理するためのiPad(ClockアプリとTimerアプリの両方を入れています)です。Zoomでインターアクティブにコメントなどを随時チェックしながらプレゼンしたい場合には、もう一つラップトップを用意して、コメント部分チェック専用に使うと便利です。もし使っていらっしゃらない場合、是非使ってみて下さい。

さて、上記リストで、マイクとライト以外、皆さん概ね使っていらっしゃるのではないかと思います。ここで、私が強くお勧めしたいのが、マイクとライトです。

マイクとライトの重要性

オンラインでは、パソコン内蔵のマイク、自然光や部屋に備え付けの照明で行っている方が多いのではないでしょうか。プレゼンの為にわざわざ機材を用意する必要はない、そのように思うかもしれません。

マイクを使っていないと、動いたときに(座っていても頭を動かしたり椅子にもたれかかってちょっと距離が遠くなったりしたとき)、音量にばらつきが出てしまいます。iPhoneについてくるようなヘッドフォンを使う方も多いと思いますが、クオリティーはさほど高くない、かつ、コードをPCにつなげるため、PCから離れて動くことができません。動きやすくするにはAirPodでもよいのですが、私の実験では、AirPodを通した音声も、さほどクオリティーは高くありません。

また、聞き手は画面を通して、主にあなたの顔を見ていますから、見栄えも気にしたいですよね。

機材の不具合が与えるマイナスの印象は意外と大きいものです。話していることが良くても、声が小さく聞き取りづらいと、不快に思ってしまったり、妙に暗い、というだけで、相手に対して良い印象を持たなかった経験ありませんか?

機材のせいで、相手から不快に思われたり、マイナスの印象を与えてしまうのは避けたいところです。

そこで、大掛かりな自宅スタジオを作る必要はありませんが、マイクとライトは最低限用意しましょう!というのが、4つ目のコツです。

少しの投資でクオリティがぐっと上がる!Bluetoothのクリップオンマイク

そこで私が使っているのは、写真に写っている、Bluetoothのクリップオンマイクです。

スマホにもPCにもBluetoothで簡単に接続でき、クオリティーも良好。スタジオ収録のようなハイエンドなマイクにはさすがに及びませんが、プロスピーカー仲間からも、「音いいね、何使ってるの?」と聞かれました。

白のクリップオンマイク(胸元)、見栄えも良い!※奥のクリップ式の小さなリングライトはおススメではありませんので注意!

ライトは小さいものより、大きめ(10インチ)のリングライトがおススメ!

また、写真には写っていないのですが、下記のようなリングライトを、強力なものなら一つ、できれば両側におけるよう二つ、持っておくと便利です。
私が持っているのは、10インチ(25センチ)サイズです。

小さいリングライトは暗く、効果を十分に発揮しない

小さすぎると光が届きません。先の、写真に写っている、PCにクリップオンされている小さなリングライトは、iPhone用なので、腕の長さ以上の距離の場合、光が十分に届きませんでした。

リングライトは、大きめがベスト

ミーティング等でも活用できますので、これから購入されるなら、最初から大きめのリングライトを購入するのがおススメです。

④ バーチャル背景は使わない!

Zoomなどでは、いろいろなバーチャル背景が使え、クリエイティブに雰囲気作りができると同時に、自宅の散らかった様子も隠せるのでとても便利です(笑)。

でも、バーチャル背景を使うと、動いたときに、宇宙をさまよっているような不思議なEffectが出てしまいます(笑)。動きが大きくなればなるほど、体の一部が背景の中に消えて行ったり、動いている手の周りがファジーになったりしてしまいます。

もし、ずっと着席して、ほとんど動かない、ニュース番組のアンカーのようなスタイルならバーチャル背景は使えるでしょう。

でも、上述の通り、オンラインだからこそ動きを出して変化をつけたいので、バーチャル背景は使わず、自分自身の動きで聞き手を引き込んでみましょう。

また、衣服も、背景と同化してしまわないよう、気を配ると良いですね。もし後ろの壁が白なら、白の衣服は避ける。背景に模様がついているなら、柄物の衣服は避ける、などです。上記の写真の中のPC画面に映っている白い背景が、私のバーチャル登壇の通常の背景です。薄い色、かつ面白みがない背景なので、はっきりした明るい色味のジャケットで、背景とのコントラストを出しています。このような背景なら、柄物でもよいかもしれませんが、写真の右側に映っているような緑の柄の壁を背景にするならば、柄物の衣服は避けたほうが良いでしょう。

■どうしても背景を映せない方はこちらの記事を参考に
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自動折り畳み式グリーンスクリーン

⑤ 相手の顔を見ない!

オンラインの場合、参加者の顔が画面に現れます。人間の心理としては、相手の顔を見ながら話したい、と思うことでしょう。

対面なら、「相手の顔をしっかり見る(アイコンタクト)」は基本中の基本です。

ところが、オンラインの場合は違います。画面に映った相手の顔を見てしまうと、相手と目線が合わなくなってしまうのです。カメラは画面の上(タブレットなどなら横かもしれません)にあるためです。そうすると、聞いている側の人は、スピーカーであるあなたが目線をそらして話しているように見えてしまうのです。

ですから、オンラインの場合、目線は、画面に映る参加者の顔ではなく、カメラにしっかり目線を合わすようにしましょう。

少しの変化でオンラインプレゼンがぐっと魅力的に

今回ご紹介した5つのコツは、誰でも実践できる内容で、どれも慣れれば難しいコツではありません!

カメラを見ながら、立つ・座る、のメリハリなどは少し難しいかもしれませんが、機材などに少し頼るのは、すぐに取り入れられます

皆さんも是非、New Normalを楽しみながら、オンラインプレゼンテーションを実施してみてくださいね。

※この内容は、日経ヒューマンキャピタルOnlineにも寄稿しています:誰にでも実践できる「バーチャル登壇を成功させる秘訣」とは?

プレゼン・スピーチなら「ブレークスルーウェビナー基礎コース」

さて、今回は、オンラインプレゼンテーションのコツを5つお伝えしましたが、プレゼンの技術に不安はありませんか?

もし、自己流のプレゼンに毎回不安を抱えているなら、私が代表を務めるブレークスルースピーキングのウェビナー基礎コースで、プレゼン技術を基礎から学んではいかがですか?

この記事でお伝えした「ワンビッグメッセージ」はもちろん、プレゼンや商談で活用できるオンラインなどの環境変化にも負けない、一生使えるグローバルスタンダードなスピーチプレゼン術を習得できます。

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