講師紹介:おぎの未来 私がブレイクスルーメソッドの伝道師になった理由

 私は日本生まれの純日本人だ。

 現在アメリカで、本業としてはオーガニックコンサルタント(オーガニック農法の指導)をしているが、主に英語で個別指導やセミナーなどをしている。場合によっては会議通訳・翻訳も行う。日本文化についての英語での講演も頼まれることがあるので、たまにさせていただく。最近は日本人の家庭菜園を実践している人の希望で日本語でセミナー活動もしている。

 しかし、以前は自己紹介だけで緊張するくらい、英語によるスピーチもプレゼンも苦手だった。英語を話している自分は、日本語で話している時とは別人格であるように感じていた。自分が感じることを日本語のように英語で話せたらどんなに楽しいだろうと思っていたし、それができない自分が歯痒かったし、情けなかった。毎日自己嫌悪で、性格が暗くなったように感じた。実際、日本からの友人が久しぶりにアメリカに会いに来てくれた時に「なんか性格変わったね」と言われたことがあった。

 この記事では、そんな私、おぎの未来が、なぜブレークスルーのウェビナー基礎コースの講師をさせていただくようになったのか、その背景を詳しくお伝えしたいと思う。

頭が真っ白!スピーチ大失敗!

 26歳の時だった。私は、晴れて希望のアメリカの大学院に無事合格し、これからの留学生活に胸を膨らませていた。ある日、突然「日本文化について語ってくれ」と頼まれ、キャンパス内の講堂のステージに登壇し、数十人の聴衆の前に立った。しかし、私は何を話したのか全く記憶にない。というのは、その時、頭が真っ白になってしまい、用意していた内容をすっかり忘れてしまったのだ。実際にはその瞬間は1分くらいだったのだろうが、自分の中では、15分くらいに感じていた。

 実際、与えられていた時間は、15分くらいだった。私は与えられた時間をすべて沈黙で終わらせてはいけないと焦り始めた。焦れば焦るほど、言葉は出てこない。挙げ句の果て、あたふたして、「あー」「うー」とか訳のわからない言葉だけを発していたことだけは覚えている。以来、私はスピーチとなると恐怖感を覚えるようになった。

 今あの時のことを振り返り、なぜこんな私が選ばれたのかを考えてみた。

 多分、選んだ人の心理はこうだ。「彼は大学院にも入っているし、日本文化にも詳しいようだ。(アメリカの)常識的に考えて、何かうまいことを話してくれるだろう」との期待があったのだろう。

 というのも、アメリカでは、3−4歳から、自分の言葉を見つけて、伝えることをさせられる。また、小学校、中学でもディベートのクラスがあり、人前で自分の意見を口頭で述べる機会が多く、プレゼンスキルなども成長とともに自然と身につけることができる。大学院でも例外ではなく、何かと発表の機会が多かった。だから、アメリカの常識的に考えて、大学院生ならスピーチくらい難なくこなすのが当たり前だと思われていたのだと思う。

スピーチへの目覚め

 私は、当然アメリカ人のようには話せないし、そんな教育も受けてこなかった。だから、英語でスピーチなんて絶対に無理だと思い込んでいた。在学中は、スピーチのクラスもあったので受講したが、よく分からなかった。しかし、好むと好まざるに関わらず、授業でプレゼンの機会は多く、スピーチをしなくてはいけなかったので、スピーチが嫌いな私でも次第に慣れていった。それでも、大学院修了後も苦手意識を克服できずにいた。

 しかし、単なる友達とのお付き合いで入会したトーストマスターズ(スピーチ・プレゼンを学ぶ世界的団体)の支部でショックを受けた。なぜなら、そこでは英語のネイティブスピーカーではないのにもかかわらず、面白おかしく会場を沸かせ、しかも要点をついたスピーチをし、聞いている人を最後には唸らせる人たちがウジャウジャいたからだ。

 「あんなに強いアクセントの英語で、半分何を言っているか分からなくても、聞いていて感動するのはなぜだろう」と非常に疑問に思った。何かカラクリがあるに違いない、と。

 そこで、最初はお付き合いで始めたスピーチクラブだったが、真剣に学び始めた。特に勉強になったのは「即興スピーチ」コーナーや、クラブメンバーが準備したスピーチを即興で批評する「論評セッション」だった。そこで、私はかなり滅茶苦茶なスピーチをした。それでも、他のメンバーは温かい拍手を持って聞いてくれた。これが自信につながり、場数を踏むことができた。もう、かれこれ10年以上になる。

ノンネイティブでもネイティブに勝てる

 おかげで、だんだんスピーチのカラクリがわかってきた。実は、即興、論評スピーチをするには、あらかじめ決まった構成パターンがあり、「その型に内容を埋めて話せば良い」のだった。失敗を何回も繰り返した結果、小さな成功体験を積み重ねられた。でも、いつも完全にはできなかった。

 しかし、ついに「おー!今日は完璧に型にハマった!」と自分でも納得できるスピーチをできた時があった。それが、2017年の英語スピーチコンテスト(国際スピーチコンテストの論評コーナー)だった。私はそれだけで満足だったが、コンテスト終了後、私の名前が呼ばれた。なんと、他のアメリカ人をさしおいて、一等賞に輝き、ニューヨーク地区5000人中、8人のファイナリストの内の一人に選ばれたのだ。小さな成功が大きな成果を生むのだと確信した瞬間でもあったし、「ノンネイティブでもネイティブに勝てる」と実感した瞬間でもあった。

 今振り返ると、大学院時代に頭が真っ白になった、あの時は、全く何も準備していなかった。「普段会話をするように話せばいいさ」と軽く考え、さすがに話の構成だけは考えたが、リハーサルも何もしなかった。あの頃は、リハーサルをするのは格好悪いとさえ考えていた。考えが甘かった。頭が真っ白になって当然だった。やはり、失敗には理由があり、成功するにも理由があるのだと思った。

 だんだんコンサルタントとしてセミナーをする時にも自信を持って講演することができるようになり、事業も発展し始めた。

プレイクスルーメソッドとの出会い

 そんな私の努力を知ってか知らでか、ブレイクスルーメソッドを考案した信元代表が私に誘いをかけてきた。「一緒にやらないか」と。

 ブレイクスルー・メソッドを知るにあたってびっくりしたことは、私が長年にわたり学んできたノウハウが、凝縮された形で納められていたことだ。それは、

ロジカル思考法xストーリー術x異文化コミュニケーション理論の掛け合わせ

であり、それが分かりやすく、しかも戦略的に解説されて、スピーチ・プレゼンを誰でも簡単に実践できるように作られていた。

 そして、一番魅力的だったことは、私が教わった先輩方が強調して語っていた「たった一つの大事なメッセージに絞り込む」ということをブレイクスルーの中心思想としていたことだった。それは、

  • 余計な言葉や情報を徹底的に削ぎ落とし、いかに伝わりやすくするかを考えること。
  • それを具体的に表現することで、たった5分でも相手を動かせること。
  • すべての「伝える」技術に欠かせない戦略的思考法であり、伝達手段

だった。

グローバルな場面でパブリックスピーキングの技を活かすために

 日本企業はモノづくりの強みをてこに、かつて「ジャパンアズナンバーワン」と呼ばれたように販売と製造などの「ハード面でのグローバル化」は達成してきた。しかし人材などの「ヒト(内面)のグローバル化」において、日本は他国に比べ未だ大きく遅れを取っていると言われる。

 ビジネス、経済、政治、医学、科学、教育などなど、あらゆる分野において、日本人がもっと世界的に活躍するためには、「グローバルコミュニケーション力」が必要不可欠だと思う。それは、

世界の多様性を認識し、受容し、さらに日本の考え方や価値観を伝達し、浸透させ、国や文化の壁を乗り越えて、人々を束ねてリードし、変革を実現していくことのできる能力

のことだ。

 でも日本人はこれまで、アメリカとは大きく違い、それを培えるような教育を受けてこなかった。

 特に世界の人たちを目の前に話をする「グローバル・パブリックスピーキング」は、日本人が最も苦手とするところだといわれている。

 私たちはここに、日本人の「内面のグローバル化」が遅れている大きな原因があるのでは、と考えている。

 そして、デジタル時代の今だからこそ、人と人との心のつながりが求められるパブリックスピーキングというアナログなコミュニケーション手法が、世界の人々を真の意味で結びつける鍵になる、と確信している。

 Breakthrough Speaking™は、言葉や文化、価値観の壁を打ちやぶり、人々の心をも魅了していく、そんなグローバル・パブリックスピーキングを誰でも実践できるように各種セミナーを提供している。世界に羽ばたく全ての日本人リーダーが更にグローバル舞台でのプレゼンスを高めていくことができるよう、お手伝いしたいと心から願っている。

 「英語ネイティブでなくても、スピーチを戦略的に学べば、ネイティブに勝つこともできるのだ」と、できるだけ多くの人に伝えたい。そのためには、まず母国語である日本語でそのスピーチのカラクリを学んで腹に落としてほしいと思う。私もスピーチが苦手だった。だから、プレゼンに苦手意識を持ちがちな人たちを支え、グローバルに飛躍したいすべての日本人に「相手を動かす醍醐味」を伝えたいと強く願っている。

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ブレイクスルーのウエビナー基礎コースの講師を担当するおぎの未来氏の背景。なぜ本講座で教えるようになったのか。それは、ブレイクスルーメソッドが、長年苦労して積み重ねてきたノウハウが凝縮されて、分かりやすく、しかも戦略的に解説されて、スピーチ・プレゼンを誰でも簡単に実践できるように作られていたからだった。

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