”信元夏代のスピーチ術” 編集長、プロフェッショナルスピーカーの 信元です。
私は、日本生まれの日本育ち、インターナショナルスクールにも行っておらず、帰国子女でもない、いわゆる純ジャパです。
海外生活が31年と長いとはいえ、英語は第二言語。ネイティブではありません。今でも日本語の方がは・る・か・に、楽です!
それでも現在、私は英語で基調講演を行い、そのスピーチで生計を立てています。
先週も、あるグローバルメディア企業で、私のシグネチャー基調講演、「The Culture of One™ 」 を行ってきました。
講演後、参加者から非常に印象的なフィードバックをいただきました。
その中に、純ジャパの私が英語スピーチで生計を立てていられる理由が隠れていました。次の5つでした:
- ワンビッグメッセージが一貫している
- 構成が非常に明確
- 3つのポイントのフレームワークがシンプル
- デリバリーが効果的
- パーソナルなストーリーが印象的
ここで重要なのは、「英語が完璧だったから評価された」わけではない、という点です。
むしろ評価されたのは、スピーチの技術そのものでした。
つまり、英語スピーチを上達させたいと思うならば、皆さんもこの5つの技術をしっかりと身に着ければ、英語そのものを学ぶよりも、近道である、ということが言えるのです。
この記事の内容
英語スピーチで最も重要なのは「ワンビッグメッセージ」
スピーチで最も重要なのは、
何を一番伝えたいのか
これが明確であることです。
ブレイクスルー・メソッドではこれを
ワンビッグメッセージ®
と呼びます。
スピーチとは、本来、「たくさんのことを説明する場」ではありません。
聞き手の記憶に残るのは、たった一つのメッセージだけ。
だからこそ、
- このスピーチで
- 聴衆に
- 何を持ち帰ってほしいのか
それを1つに絞る必要があります。
実際、私の講演でも必ずこのワンビッグメッセージが軸になっています。
構成が明確なスピーチは、英語がノンネイティブでもしっかり伝わる
多くの日本人が英語スピーチで悩むポイントは、「英語がうまく話せない」ことではありません。
本当の問題は
構成が曖昧
なことです。
通常、スピーチの構成は、「起承転結」、あるいは、「Opening-Body-Closing」と言われますが、ブレイクスルー・メソッドでは、「9段階構造」という戦略的かつ精緻な構造を教えています。
著書の「20字に削ぎ落とせ~ワンビッグメッセージで相手を動かす」をはじめ、こちらのメディアでも常に、「ワンビッグメッセージ」の大切さをお話してきています。今回は、そもそもワンビッグメッセージって何?という方のために、ワンビッグメッセージに絞り込んで解説します。
つまり、明確なワンメッセージが、9段階構造を通して一貫して伝わるよう、精緻に設計されていれば、多少英語が完璧でなくても、相手にしっかりと伝わる英語スピーチができるのです。
人間の脳は「3つ」で理解する
私のスピーチでもよく使うのが
3のマジック
です。
人間の脳は
- 2だと少ない
- 4だと多い
しかし
3は理解しやすい
という特性があります。
そのためスピーチでは、ワンビッグメッセージを支えるために3つのメインポイントを用意するのが最も効果的です。
9段階構造は、この3つのメインポイントを基本として組み立てられています。
例えば私のThe Culture of One、異文化チームコミュニケーションをトピックとしている基調講演では、
Acknowledge
Analyze
Adapt
という3Aのフレームワークを紹介しています。
このように
- シンプル
- 構造化されている
フレームワークは、英語でも非常に伝わりやすく、覚えてもらいやすいのです。
英語スピーチは「Delivery」が命
英語スピーチの評価を決めるのは
実は英語力ではなくDeliveryです。
Deliveryとは
話し方
のことです。
具体的には次のような要素があります。
効果的なデリバリーの要素
1 Vocal Variety
声の強弱、高低、大小、緩急、スピード、効果的な間
2 Movement
意図した動き、表情、ジェスチャー、アイコンタクト
3 Props
小道具
例えば私の講演では、「私たちは皆、様々な環境や出来事に影響されて、それらが層のように重なって、個の文化(The Culture of One)を持っているのだ」というメッセージを一貫して伝えているのですが、それを視覚的に印象付けるために、この写真のように、複数の眼鏡を小道具として使い、どんどん重ねていって、「私たちは見えないメガネを何層にも重ねて世の中を見ていて、これが自分の”当たり前”になってしまっているんです」と伝えます。

インパクトありますよね?ほぼ毎回、観客から笑いも起こります。
これにより、英語以上にメッセージを観客の心に焼き付けるのです。
ストーリーは国境を越える
スピーチで最も強い武器は、ストーリーです。
人は理屈より心で共感することで動きます。それを実現するのが、ストーリーです。
実際、全米プロスピーカー協会の殿堂入りスピーカーパトリシア・フリップはこう言っています。
人はセールスプレゼンには抵抗する。
しかし、よく語られたストーリーには誰も抵抗できない。
私の講演では父が教えてくれた誠和魂(Sei Wa Kon)にまつわるストーリーを話します。
- 偏見を持たず、誠実に相手に興味を示すこと
- 相手を聴き、深く理解し、関係に和をもたらすこと
- Yes, And の精神で、魂を以て接すること
この誠和魂は、禅の精神にもつながるような、非常に日本的なストーリーですが、だからこそ、純ジャパの私にしか語れない、パーソナルでオーセンティックなスピーチに仕上がっているのです。そして、このような精神は、世界中の聴衆が共感します。
英会話では「人は動かない」
ここで大事なことをひとつ。
私の多くのクライアントさんも、口をそろえておっしゃるのですが、英語スピーチを学ぼうとしてまずは英会話教室に通った、でもスピーチは上達しなかった。その結果、ブレイクスルー・スピーキングにたどり着き、ようやく英語スピーチの真髄を知った、と。
残念ながら英会話では人を動かすスピーチは身につきません。
なぜなら英会話が教えるのは
- 単語
- 表現
- 文法
- 発音
だからです。
これらを学べば、「英会話」は上達するでしょう。でも、スピーチは異なる技術が必要です。スピーチに必要なのは
- 構成
- ストーリー
- デリバリー
- 聴衆心理
- 異文化理解
です。
つまり全く別のスキルなのです。
英語スピーチは「技術」である
英語スピーチとは、語学ではなく
技術
です。
そしてその技術は誰でも学ぶことができます。
もしあなたが
- 英語スピーチが苦手
- 英語プレゼンが怖い
- 海外でスピーチを堂々としてみたい
そう思っているなら、まずは、英語ではなくスピーチ技術を学ぶことをおすすめします。
なぜならスピーチの本質は言語ではなく、相手に伝わるように伝える力だからです。


