詳細点をついてこられたらストーリーで対抗
細かいことばかり言う人が苦手な人は多い。例えば、激しく対立するような議論になった時、相手側が、細かい数字などを挙げてきたり、それを要求してきたり。。。それに対抗するために、こちら側も細かいデータなどをリストアップ。その結果はどうなるかと言うと、重箱の隅をつつくような、不毛な議論が続いてしまう。
そんな時の解決策は、例えば、
「もう一度原点に立ち返って、なぜ創業者がこの事業を始めたのかを考え、お互いのメリットがあるかどうかを判断しませんか」と切り出して、創業時のストーリーや、自分の苦労話などを紹介する。このやり方は思いの外有効だ。
ストーリーが有効な理由
- 森を見ることの大切さ
- 脳の自然な反応を活用
まず、木や枝を見るのではなく、森を見ようとするアプローチが多くの人の共感を生み、賛同を得やすく、いわゆる落としどころ、議論・交渉の着地点を見つけやすいということ。
さらに、脳科学的な視点からも説明がつく。オーレン・クラフ氏のベストセラー著書 “Pitch Anything” (邦訳書「シリコンバレーの交渉術」)によれば、ストーリーを扱う脳と分析する脳は違う分野で共存しないのだそうだ。つまり、細かいことの分析が得意な人の脳は、データなどを分析する活動が活発化した時に、人々の興味・関心を引くストーリー立ての情報が急に入ってくると、フリーズしてしまうのだ。ここで重要なのは、相手に詳細に立ち入れさせないことで、あくまでも共通点・互いのメリットを探る方向に持っていくことだ。
より感動的なストーリーを語る3つのポイント
1、話すポイントに関連ある話を選び、短く(3-5分で)まとめる
では、ストーリーとは何なのだろうか。フィクション? 成功譚? それとも自慢話? 多くの人はストーリーに対して漠然としたイメージはあっても、明確につかんでいないことが多いかもしれない。物語ると言っても、何も『ハリー・ポッター』のような小説や脚本を書くわけではない。あくまでビジネスにつながる、そして現実に起こったストーリーなのだ。
だからと言って、起きた出来事をだらだらと語っていては、相手に突っ込せる余裕を与えてしまう。まずは、あなたが述べたい内容と直接関連するエピソードなどを、端的にポイントをつかんで、短い時間(3-5分)でまとめる努力が必要だ。
2、不確実性、危険性などを盛り込み、緊張感を漂わせる。失敗談を必ず取り入れる。
まずは、そのエピソードの中からどんな要素があるのかを明確にしてみる。恥ずかしかったこと、苦労したこと、迷ったこと、どんなリスクがあったのか、失敗するとどんな結果が予想されたのか。それらを整理してつなげてみることだ。
良いストーリーには、必ずアップダウンがある。人は成功談を聞くよりも失敗談を聞きたがるものだ。なぜなら上から目線よりも、同じ目線で語った方が共感を呼ぶからだ。
3、何に取り組んだらどう変化したのか、その過程・結果を明確にする
そして、その苦難に満ちた暗いトンネルを抜けるために何をしたのか、その結果どうなったのか、いわゆる「ビフォー・アフター」を明確にしてみる。だらだらとしたストーリーには、この明確な変化が表現されていない。限られた時間だからこそ、変化を端的に、明確に伝える必要がある。
自分の言葉でストーリーを語れば、細かいことが気にならなくなる
かつて、広告や企業ブランディングで使われ始めた「ストーリー戦略」は、いまではビジネス戦略として、営業や会議、ビジネスプレゼンの場で、世界では常識として使われている。
代表的なものは、スティーブ・ジョブズがアップルの開発秘話を語ってiPhoneを世に知らしめたストーリーだろう。彼ほどのストーリーテラーを目指さなくてもいい。日本人はストーリーというと、何か壮大な物語を語らなければならないと思ってしまいがちだ。そうではなく、「自分らしい言葉」や「自分や会社の体験」などからストーリーを構築すれば、相手の心をつかみ、自分のペースに持ち込むことができるのだ。
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細かい人の意見を撃退するにはストーリーが有効。失敗談を盛り込み、短く、明確な変化でストーリーを語ろう