「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。
永く記憶に残るクロージングを作る方法<その1>
では、どのようなクロージングを行えば、ONE BIG Messageを聞き手の心に焼き付けることができるのでしょうか。
ブレイクスルー・メソッドの中から、6年後も覚えておいてもらえる6つのクロージング手法のうち、2つをご紹介いたします。
ストーリーで終わる
やはりなんといっても、スピーチの肝はストーリーです。
統計データや情報などは、論理的アピールとして必要な内容ながらも、心にはなかなか刺さりません。
しかし、ストーリーは聞き手もその中に入り込んでストーリーを疑似体験し、喜びや、悲しみ、苦悩、驚きに共感します。
だからこそ、記憶に残りやすく、メッセージが腹落ちしやすくなります。
もし、スピーチをストーリーではじめたらそれに繋がるストーリーで終了してみましょう。
短くてよいのですが、伝えたいOne BIG Messageメッセージを総括できるようなストーリーを選ぶことです。
サーキュラー・メソッドを使ったクロージング
たとえば、こちらのオープニング手法で登場した鈴木社長に関するストーリーでスピーチのオープニングを始めたとしましょう。
クロージングはこんな感じではじめるのです:
「私が冒頭でお話した、鈴木社長ですが、先日ばったり道でお会いしました。その時鈴木社長はこんな印象に残る言葉を私にかけてくださったんです………」
そして、鈴木社長の台詞として、伝えたいOne big messageを再度語るのです。
そうすると、「私が皆さんにお伝えしたいことは○○です」、というよりも、ストーリーの登場人物が語る台詞として聴いたほうが、聞き手はそのストーリーと一体化しやすくなり、結果としてメッセージが記憶に残りやすくなるのです。
また、このようにオープニングにつなげるクロージングの手法を「Circular method」と言います。
始点と終点のない円(Circle)を描くように、最初につなげていくのです。
そうすると、リーセンシー効果で忘れてしまいがちな、はじめのほうで語ったメッセージも効果的に取り入れ、記憶につなげることができます。