プレゼン・スピーチの基礎を体系的に学ぶ、ウェビナー基礎コース~どんなコースでどんな人がどんな目的で学んでいるの?

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

私には10歳の娘がいるのですが、彼女が3歳から4歳のころに通っていたプリスクール(ニューヨークでは幼稚園の年少と年中はプリスクール、年長から小学校の一部のキンダーガーテンに入る仕組みです)では、Show & Shareという取り組みがありました。

これは、みんなにシェアしたいモノを持ってきたり、楽しかった出来事についての写真を見せたりしながら、それを14人のクラスメートの前で説明する、というものです。普通はShow & Tellというのですが、Tellだと一方的なイメージになるので、娘のプリスクールではShare、と呼んでいました。もちろん3歳、4歳の幼児なので、先生に助けられながら言葉をさがして発表するんですが、それでも、自分の言葉を見つけて、伝える、という訓練をこんなに小さいころからしている、ということに、日本で生まれ育った私は驚きました。

音読式発表はプレゼン・スピーチではない

日本人は、そんな教育を受けてきていませんよね。あえていうなら、小学生のころ皆さんもきっとなさったと思いますが、作文や夏休みの自由課題をみんなの前でそのまま読みながら発表する、くらいでしょうか。こういった、「書いてきたものをみんなの前で読み上げる」という経験がつみかさなると、これがプレゼン・スピーチなのだ、と「カン違い」してしまいます。

原稿をそのまま読み上げるのはプレゼンでもスピーチでもありません。音読です。

プレゼンやスピーチは、自分のことばで、相手を動かすために行うものです。

ところが、私たち日本人が慣れ親しんできたものは、前述のような、「音読」式の発表ですから、そもそも人前で自分の言葉で話す、しかも異文化の人たちの前で、プレゼンしたりスピーチしたり、というのは日本人は最も苦手、と言われています。日本は、グローバルリーダーが不足していたり企業のグローバル化が大きくおくれている、と言われていますが私はここに大きな原因があるのでは?と思っています。

でもアメリカでは3歳からパブリックスピーキングに親しむ環境があるというのに、我々日本人はいまさらムリじゃないか!と思いたくなりますが、それを、あらゆるノウハウと経験、ナレッジを集約して、トータル3ヶ月の基礎コース&実践コースを通して、最短距離で身につけてしまおう!というのが、ブレイクスルー・スピーキングのウェビナーコースです。

グローバルに通用するプレゼン・スピーチの秘訣は英語力ではない

ここでひとつ、強調しておきたいことがあります。

それは、「異文化の人に対して行うグローバル・パブリックスピーキング」は、英語力を伸ばそうと思ってもあまり意味がない、ということです。

「社内公用語を英語にした」とか、「あの人は英語力抜群!」、なんて聞くと、あたかもグローバルスピーカー!っていう印象を受けますが、ならば日本語で、日本語べらべらの外国人相手にスピーチをしたら、彼らを説得できるようなスピーチが出来ますか?!というとそうとも限らないはずです。英語はあくまでツールにしか過ぎません。

日本人がもっとグローバルリーダーとして活躍していくためには、人材の多様性を受容しつつ、価値観を伝達・浸透し、国や文化を超えた人々を束ねて変革や革新を実現していくことのできる力、つまり「異文化対応力」と「グローバルコミュニケーション力」が必要不可欠です。決して英語力、ではない、ということです。

じゃあ具体的にそれはどんなスキルのことなのか?というのを、ブレイクスルー・スピーキングのウェビナー基礎コースでみなさんとご一緒に学んでいます。

信元担当月基礎コース受講者の例

在日本大手広告代理店勤務、高山さん(仮名)の受講目的

高山さんは大手広告代理店勤務、ディレクターレベルの50代の男性です。大手広告代理店ですから、皆さんも良く知るグローバル企業のイベントをプロデユースし、そのイベントで経営層が行うプレゼンまで構築したり、コマーシャルや各種プロモーションキャンペーンを手掛けているので、「プレゼン」については非常に長けていらっしゃる方です。高山さんの部門の皆さんにも企業研修を何度かさせていただいていますが、非常に勉強熱心な高山さんは、信元担当月のウェビナー基礎コースに、自らご参加いただきました。

高山さんのウェビナー受講目的は、大きく二つありました。

一つは、クライアントのプレゼンをプロデユースする立場として、自らがそのプレゼンをしているかのように自分事として捉えることができるように、しっかりと基本を身につけておきたい、ということ。

もう一つは、活動的な高山さんは、サーフィングを趣味としていらっしゃり、サーファーの立場から、海の保全団体を立ち上げ、普及活動をされていらっしゃいます。この団体で是非、多くの企業からスポンサーになってもらい、海の保全活動を拡大していくべく、企業スポンサー向けプレゼンを仕上げたい、という目的をお持ちでした。

在日本大手自動車メーカー勤務、井坂さん(仮名)の受講目的

井坂さんは世界でもトップレベルを誇る、日系自動車メーカーにお勤めの30代男性ですが、実は高山さんと同様、井坂さんも、仕事以外に個人的に活動なさっていることがあります。それは、「イクメンの星」として、男性の積極的育児参加を推進する活動です。自社内ではもちろんのこと、それ以外にもいろいろな企業・団体から声がかかり、男性の育児参加についてのメリットや方法などについて各地で頻繁にオンライン・オフラインで講義をなさっている方です。

そこで、常にそのプレゼンを「カイゼン」し続けたい、と、ウェビナー基礎コースで体系的に学ぶことにしたそうです。

在米大手製造メーカー勤務、小山さん(仮名)の受講目的

小山さんはニュージャージー在住の日系大手製造メーカー駐在員でいらっしゃる40代男性です。近々日本本社に帰任になることが決まっており、特段、これといったプレゼンが目前に迫っているわけではないが、日本本社に戻ってから、多くの部下やチームメンバーを率いる立場になるための準備として、いかに「アメリカ帰りの自己主張が強い奴」感を出さずに、日本本社の人々を巻き込みながら、本社の事業改革に向けて好影響を与えていけるよう、発信力、そしてコミュニケーション適応力を強化しておきたい、という木庭をお持ちでした。

優れたプレゼンの基礎から異文化適応術、ストーリー術まで体系的に学ぶ

ウェビナー基礎コースでは、全5回にわたり、下記のような体系的なプログラムでプレゼン・スピーチの基礎をしっかりと学んでいきます。この基礎は、何語でプレゼンをするのか、に関わらず、すべてのプレゼン・スピーチの礎となるものですので、母国語の日本語でしっかりと基礎固めをしておくことができるのが特徴です。

基礎コース第一回目では、言葉や文化の壁を打ちやぶり、異文化の人々の心をも魅了していく、グローバル・パブリックスピーキングを実現するには、どんな要素が必要なのか、をじっくり学び、討議していきます。

第二回目では、異文化の人たちにも伝わり、彼らを動かすことのできるプレゼン・スピーチについて学びます。ウェビナー基礎コースでは特に日米間に焦点を当てますが、実は異文化、といっても、なにも違う国の文化、ということではありません。日本国内であっても、関東と関西では大きく文化が異なります。文化の違いで価値観が異なります。価値観が異なると、メッセージの発信の仕方や受信の仕方も変わります。ですから、価値観が違う人たちに対して、つまり、自分以外のすべての人に対して、どうやって「スピーチ」をしていくのか、そういった観点で、「異文化」を捉えたうえで、価値感の異なる異文化の相手に、しっかり伝わるようにするための最大の秘訣、「コミュニケーション適応力」のコツについて学びます。

第三回目では、マーケティング戦略とロジカルシンキングの手法を学びます。

音読式発表と異なり、プレゼン・スピーチの目的、特にビジネスにおけるプレゼン・スピーチでは、聞き手に何らかの影響を与え、動かす、と言うところにあります。そのためには「聞き手視点」で情報を整理する技術が要となってきます。ついつい、「自分が何を言いたいのか」から考え始めてしまいがちですが、そのような自分視点では、「相手に影響を与える」ことは難しいでしょう。

マーケティングの戦略設計をする際、何から始めるか、考えてみてください。なんとなくあたりをつけて、いきなり商品開発をしたりするでしょうか?しませんよね。対象となる市場やターゲット顧客の調査や分析をまず行って、市場性やニーズ、顧客の行動パターンなどをよく知ることから始めるはずです。

スピーチも実は同じなんです。

構成を考える前に、マーケティングでいうところの、「調査・分析」のプロセスが、非常に重要なのです。そして相手を動かすために、どんな戦略を立てたらよいのか、どの情報をどんなメッセージとして伝えれば相手は動くのか、をしっかりと考えることが、相手を動かすスピーチの基点となります。この第三回目では、どのような観点から調査・分析し、それに基づいてどのように情報を整理し、どんなメッセージを構築していくのか、という、極めて重要かつ戦略的なプロセスについてお話します。

第四回目は印象に残るオープニングとクロージングです。

どんなにメッセージが良かったとしても、オープニングとクロージングでインパクトを出せなければ、プレゼン全体の印象が弱くなってしまいます。この回では、オープニングとクロージングを設計する際に絶対に知っておきたいルールを一つずつお話し、実践的に使えるオープニングとクロージングの手法を学びます。

最終回の第五回目はストーリー術です。ビジネスプレゼンでは、つい、データ、統計、事例、など、論理的情報に偏りがちですが、相手を動かすためには、相手の情緒に触れ、共感を引き出さなければなりません。それを実現するのが、ストーリーテリング術です。この回では、ストーリーテリングの基本となる「6つのC」モデルを学びながら、ビジネスで使えるコーポレートストーリーテリング術を身につけ、聞き手の頭と心を動かすプレゼンター・スピーカーへと進化していただきます。

超少人数制だからこそ実現する、パーソナライズされた指導

ブレイクスルー・スピーキングのウェビナー基礎コースは3名前後という超少人数制で、Zoomでライブでインターアクティブに行われるため、グループセッションであるにも関わらず、パーソナライズされた指導に定評があります。

例えば、前述の高山さんの場合、さすが広告代理店、既に素晴らしいキャッチコピーを制作されていました。一方で、メッセージの内容が、サーファーたち向けを念頭に置いて作られたメッセージと、スポンサー候補となる企業を念頭に置いて作られたメッセージが混在していました。サーファーたち個々人が行うべき海の保全活動と、スポンサー企業が行うべき海の保全活動は内容が大きく異なりますから、両者に同時に訴求しようとしてしまったことで、プレゼン全体の印象がぼやけてしまっていました。そこで、このプレゼンを行う場面について高山さんにお尋ねしたところ、サーファーと企業が同席するイベントはあまりなく、サーファー向けイベント、企業向けイベントは通常分かれている、と言うことが分かりました。従って、キャッチフレーズ(ブレイクスルーメソッドで言うところの、ワンビッグメッセージです)はそのままで、それをサポートする各メインポイントを、サーファー向け、企業向け、別々に作ることをご提案し、しっかりとそれぞれの聞き手視点に立った上で、二種類のプレゼンを構築していただくことにしました。

更に、プレゼン資料のビジュアルもすでに良いものをお持ちではありましたが、更に視覚的インパクトを強化するために、ギャップを強調する見せ方のご提案をさせていただきました。具体的には、元々のプレゼンには、まず、ごみが散在した汚れた海の写真があり、次にサーファーが青い海でサーフィンをしている「理想の海の姿」の写真が掲載されていました。これを、二つの方法でギャップを強調させるご提案をしました:

  • 「理想の海の姿」を先に出す。聞き手にとって、まず最初に理想像、或いは、ブレイクスルー・メソッドで言うところの「明るい未来予想図」が明確に描かれると、そこに到達したい、という気持ちや期待感、やる気が強くなり、心が揺らされるものです。ところが、先に、理想的ではない現状を見せられてしまうと、基点が低いところから始まるので、その次に理想像を見せられても、がっかり感が先立ってしまい、期待感がそこまで上がらない、という心理が働きます。従って、先にしっかりと「明るい未来予想図」を焼き付けることで、「そこに到達したい」気持ちを絶対的なものにしておくことが、メッセージを受け取ってもらうための最短距離になります。
  • もう一つは、使われていた写真を統一する、と言うことです。元々使用されていたのは、「ごみが散在している海」の写真と「サーファーが青い海でサーフィンをしている理想の海の姿」の写真は、明らかに違う海のものでした。ストックフォトから最適な二枚を選んだ、とのことでしたが、「理想の海の姿」と「現状」のギャップを視覚的に印象付けるため、「サーファーが青い海でサーフィンをしている海」の写真1枚を使い、最初は美しい青い海で波に乗っているサーファーの写真を使い、次に、全く同じ写真でサーファーが波に乗っているのだが海の水が濁ってゴミだらけ、というように加工編集をかけてもらうことにしました。

ここで高山さんから質問が出たのは、写真を加工編集したら、ホンモノではなくなってしまいませんか?ということでした。皆さんも同様の懸念をお持ちかもしれません。

ここで強調したいのは、プレゼン・スピーチは、聞き手に持ち帰ってもらいたいワンビッグメッセージを伝えるためにすべてを構築するものだ、ということです。海が汚染されているのは事実です。だから海の保全活動をして、最高の海を取り戻そう、というのがワンビッグメッセージです。このワンビッグメッセージを伝えるためには、写真が加工修正なしのものを使用する必要があるのではなく、現実と理想のギャップを強烈に聞き手の頭と心に焼き付けてもらうこと、が優先です。

視覚情報となる写真や動画、デザインは、ワンビッグメッセージを強化するために存在するものです。ですから、どんなプレゼン・スピーチでも、まず、ワンビッグメッセージを明確化することが何よりも大切なのだ、ということをブレイクスルーでは口を酸っぱくしてお伝えしているのです。

ウェビナー基礎コースを受講してみませんか

この高山さんのケースはほんの一例です。

ウェビナー基礎コースを受講される多くの方々が、信元の著書、「20字に削ぎ落とせ~ワンビッグメッセージで相手を動かす」も愛読くださっているのですが、やはりプレゼン・スピーチという性質上、本を読んだだけでは自動的に上達するわけではありません。知識としては基礎固めができますが、アウトプットして初めてプレゼン・スピーチの上達が実現できます。

ウェビナー基礎コースでは、プレゼンの基本をしっかりと体系的に学ぶだけでなく、超少人数制のインターアクティブなライブセッションであるからこそ、アウトプットの機会も毎回あり、また、パーソナライズされたフィードバックを受けられると同時に、他の受講者へのフィードバックや相互討議からの新たな視点や学びも得ることができます。

是非皆さんも一度、ウェビナー基礎コースを体験してみてください。

■受講者の声

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登壇イメージ

■コースの様子:実際にどんなことが学べるのか

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顔の表情やデリバリーがスピーチには大切
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第1回:グローバルパブリックスピーキングとは アイキャッチ画像
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