「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。
こちらのコラムで、「7秒-30秒ルール」についてお話しました。
聞き手は最初の7秒でスピーカーであるあなたの印象を決め、30秒であなたの話が聞くに値するか面白そうかを判断してしまう、というものです。
ですから、冒頭でいかにインパクトを出せるか…がスピーチ技術の肝になってきます。
ではスピーチのエンディングはどうでしょうか。
クロージングで考えるべき「リーセンシー効果」とは
リーセンシー効果は、広告用語としてよく用いられるのですが「購買の直前に接触した広告が購買行動に影響を与える効果」のことを言います。
「リーセンシー(Recency)」とは「リーセント(Recent)」の名詞で、最新の、とか最近、といった意味です。
例えば、支払いをする直前、レジ待ち中に目に飛び込んできたチョコレートのPOP広告を見てつい買ってしまう…といった消費者行動を引き出すのが、このリーセンシー効果です。
実はスピーチの場合も、この「リーセンシー効果」が効力を発揮します。
聞き手はスピーチの最後、つまりクロージングで語られた内容を、「最新の情報」として最も記憶に留めて会場を後にします。
オープニングで聞き手の興味や注目を十分に引き付け、巧みにストーリーを語ったにもかかわらず、クロージングでビシッと締めることができなければ、始めよくても終わり悪し。
それではせっかくのスピーチも台無しになってしまいます。
ですから「最初に何を語るか」と同じくらい「最後に何を語るか」も非常に重要です。
戦略的にクロージングのメッセージを構築することが大切なのです。