「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。
永く記憶に残るクロージングを作る方法<その2>
問いかけで終わる
伝えたいメッセージを聞き手にしっかりと腹落ちさせるには、聞き手自身が頭で考え、消化する時間を与えることです。
そこで、One big messageを導き出す重要な問いかけを最後に持ってくる手法もあります。
例えば、聞き手に行動喚起を呼びかけたいならば、こんな問いかけをすることで、聞き手の中に残っているわずかな疑念や行動を阻むメンタルブロックを解き放ってあげることができるでしょう:
「世界で成功しているグローバルリーダーたちは瞑想を毎日実践しているということ、そしてその理由を3つお話しました。
皆さん、効果は十分にお分かりですね。さあ皆さん、何を待っているのですか…?」
ここでのONe Big Messageはきっと皆さん、お分かりのことと思います。
「成功したいなら毎日、瞑想を実践しよう」です。
つまり、最後にこのような問いかけをすることで、One Big Messageをそのまま言わずして、聞き手の頭の中に
「そうだ、待つ理由は何もない。別に損するわけでもないのだから、今日から瞑想を実践してみよう」
というような思い回答として浮かび上がるはずです。
聞き手一人ひとりにパーソナルなメッセージを届ける
スピーチでは、聞き手ひとりひとりの心に、パーソナルなメッセージを届けなければいけません。
このメッセージは自分自身の事だ、と感じ、それをしっかりと受け取った、と思ってもらうことです。
それには、人数分の花を大きな花束にして観客席に投げ入れるのではなく、1本1本を一人ひとりに渡していくようなイメージをしてください。
今回ご紹介したストーリーで終わる、そして問いかけで終わる…というクロージング手法は、まさに、一人ひとりに花を渡しながら一言かけていく、そんな手法です。
その花を各自が持ち帰って飾ってくれたら、あなたのスピーチは大成功、といえるでしょう。