「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。
本シリーズ第一回目と第二回目では、実際のクライアント様、美齢コンサルタント・近藤三奈さんの、「売り込まないマーケティング」こと、「ストーー・マーケティング」がどんな効果があるのか、お話してきました。
人は売り込まれている、と感じると、逆に買いたくなくなるものです。究極のマーケティングとは、売り込まずして自然と相手からアプローチしてくれる仕組みを作ること。それは実は、スピーチ力の向上にもつながっているのです。そのご指導をさせていただいてきた方の事例を、ご本人の了解を得て、実名・実社名を開示して全3回にわたり解説していきます。
人は売り込まれている、と感じると、逆に買いたくなくなるものです。究極のマーケティングとは、売り込まずして自然と相手からアプローチしてくれる仕組みを作ること。それは実は、スピーチ力の向上にもつながっているのです。そのご指導をさせていただいてきた方の事例を、ご本人の了解を得て、実名・実社名を開示して全3回にわたり解説していきます。
シリーズ最終回の今回は、実際にどのようにしてストーリー・マーケティングの骨組みを作ってきたのか、解説していきます。
あなたのOne BIG Message® を探るところから始まる
スピーチだけではない、セルフブランドとしてのOne BIG Message®
それまで三奈さんは、ご自身を、「健康美容コンサルタント」と呼んでいました。
「健康美容コンサルタント」と聞いて、皆さんはどんな印象を受けますか?
おそらく、「その辺にもたくさんいそう」「エステティシャン?」「スキンケアやサプリ関係の仕事をしている人?」「エクササイズとかもするのかな?」…というようなイメージを持つのではないでしょうか。
三奈さんがやっていることは違いました。
一言でいうならば、
「年齢を重ねるごとに美しさが増していき、老化しらずの体づくりを実現するために、外側からも内側からも”美活”をサポートするトータルビューティーを教える」
ということでした。
そして、三奈さんが伝授している内容を伺うと、三奈さんの知識はそれはそれは幅広く、体型、体脂肪、関節、運動機能、筋肉、骨、血液、腸・内臓、皮膚、髪、脳、に至るまで、深く広い知識をもとに、その人に必要な「美活」を包括的かつ長期的視野で分析していらしゃいました。そのうえで、最先端科学技術と臨床に裏打ちされた商品を展開するニュースキンの商品と組み合わせながら、独自の手法で、”大人のトータルビューティー”を実現するお手伝いをしていらっしゃいます。
その辺の「健康美容コンサルタント」とは違う、高付加価値を提供されているのですが、「健康美容コンサルタント」だけでは、三奈さんの価値が十分に伝わってきません。つまり、一言で価値が伝わり興味をそそるようなセルフブランドの確立がまず必要でした。
これこそが、セルフブランドのOne BIG Message®です。
ブレイクスルーでは、スピーチ・プレゼンにおいて、いかにOne BIG Message®が大切か、をお伝えしていますが、実はOne BIG Message®はスピーチ・プレゼンだけではないのです。セルフブランディングにもOne BIG Message®はなくてはならない存在なのです。
セルフブランド構築の5つのプロセス
セルフブランディングとは、文字通り、自分をブランド化する、ということで、自分自身を「商品」ととらえ、「自らの専門知識や経験、技術や魅力など、見えない価値を魅力的に、説得力を持って発信していくことです。
企業名に頼らずにフリーランサーや個人事業主といった「個人」が、お客様から認知され仕事を獲得するために絶対的に必要です。
しかし、過剰な肩書きや誇張した実績を公開すること、ではありません。それではセルフブランドが確立できないだけではなく、結果として信用を失うことにもつながります。
それを避け、自分の価値を魅力的に伝えていくセルフブランドを確立するためには、SNSなどで情報を発信していく前に経ておくべき大切なプロセスがあります:
- 自分にしか提供できない価値は何か、分析する
- コアターゲットとなる人を、たった一人のペルソナ像として明確にする
- そのペルソナ像②が、①によって達成できる未来予想図は何なのか、明確にする
- ③を簡潔な言葉に言語化する(つまり、自分自身のOne BIG Message®です)
- ④に基づいたストーリーの基盤を作る
⑤まで準備が出来たら、ようやく、外に向けて発信していくことができます。
三奈さんとのセッションでも、①から⑤までを丁寧に探っていきました。
その中で、④のOne BIG Message®を言語化するプロセスと、⑤のストーリーの基盤を作る、について少し解説していきたいと思います。
セルフブランドをOne BIG Message®として言語化する
「健康美容コンサルタント」、では提供価値が伝わり切りません。まず、自分を何と呼ぶのか。まさにセルフブランドの根幹となる部分です。
それを作り上げるためには、次のようなフォーミュラで、あらゆるパターンをブレストしていきました:
「何を」x「どうする」人
つまり、未来予想図が明確になるよう、セルフブランドを言語化していく、というプロセスです。
2~3週間かけてブレストした結果、以下のような候補に絞り込まれました:
ここから、三奈さんご自身の感覚とすり合わせていきます。
セルフブランドのOne BIG Message®は、名刺からSNS、プレゼン、資料、ウェブサイト、に至るまで、今後発信していく情報「すべて」において使っていく、非常に大切なものです。ですから、自分自身が、使ってしっくりとくるものでなければいけません。そこには、ロジックも大事ですが、ご本人の感覚もロジック以上に大切にしていきたいところです。
「何を」については、「美齢」がピンポイントでしっくりくる表現でした。「美しく歳を重ねる」、という大きなアイデアに沿っており、更に、アメリカでは「美しく歳を重ねていくための老齢学」、ジェロントロジー、という分野が発達しているのですが、「老齢学」の中でも「老」という文字は「老化」のイメージなので、「齢」を取り、最先端の分野の知識も豊富な三奈さんならではを表す言葉は、「美齢」でぴったりだ、という結論に至りました。
更に、何をする人なんか、と考えたとき、上記太字になっている4つが更なる候補として残り、「あなたの人生をトランスフォームさせる」というコンセプトが非常に近く、「トランスフォーマー」で落ち着きそうではあったのですが、「トランスフォーマー」というと、これを真っ先にイメージする人が多いのでは…(苦笑):
そこで、「トランスフォーマー」も候補には残しつつ、以下の3つに絞り込んで、Word Associationインタビューを行いました。
- 美齢トランスフォーマー・近藤三奈
- あなたの〇〇をトランスフォームする、美齢コンサルタント・近藤三奈
- あなたの〇〇をトランスフォームする、美齢プロデューサー・近藤三奈
Word Associationとは、その言葉から連想するイメージを自由に語ってもらう、という調査です。明確にしたペルソナ像に基づき、それに当てはまる人たちに対して、Word Associationインタビューを行いました。
綿密な調査・分析に基づき、自分自身の感性を生かす、だけではなく、コアターゲットにとってもしっくりくるもので吐ければいけません。だからこそ、Word Associationインタビューにかけて、テストするのです。
三奈さんのコアターゲットは、更年期時期に差し掛かっている、あるいは差し掛かったプロフェッショナルな、意識の高い女性たち、です。セカンダリー・ターゲットは、更年期にはまだ届かないけれども気になり始めた少し若めの世代の女性たち、および、どうような意識を持っている男性たち、です。
彼らにインタビューを行った結果、色々と面白い貴重な意見が上がってきました。
・「美齢トランスフォーマー」は、テレビ番組で 冴えないおばさんが メイクと服で変身して出てきて家族びっくりみたいな そう言う変身をさせてくれる人 、を連想する
・美容コンサルタントって何してくれるんだろう、から入れけれども、美齢という言葉を使うことによって、ターゲットが我々年代で美しく年齢を重ねていくことにフォーカスしてるのかな?って思った。
・「美齢コンサルタント」は、悩みの本質というか隠しておきたいものを変える人?
・「美齢プロデューサー」は何かクリエイティブで凄腕な人の印象
この結果、「あなたの人生をトランスフォームする 美齢プロデューサー」が、皆さんのセルフブランドのOne BIG Message®として仕上がりました。
One BIG Message®を質感を持たせるストーリー骨子
One BIG Message®が定まったら、そのメッセージを効果的に語れるよう、肉付けをしていきます。
ストーリーです。
ストーリーを語るたった一つの目的は、One BIG Message®を伝えること。ですから、One BIG Message®が伝わりやすいエピソードを探していきます。
そしてセルフブランドを確立していくために大切なことは、このOne BIG Message®を一貫して、様々なチャネルかつ手法で、継続的に伝え続けていく、ということです。
どんなストーリーでも、One BIG Message®を念頭に戦略的に構築していけるよう、ブレイクスルー・メソッドでは、信元が開発した「6つのC」こと、”The 6C’s of Strategic Storytelling™ “をフレームワークとして使っていきます。
この6つのCを使ってストーリー構築を戦略的に行えば、相手の心を動かし、行動につなげるコミュニケーションが可能になります。
今回ご紹介したOne Big Message🄬、6つのCをはじめとした、売り込まないマーケティングの実践に必要なノウハウやテクニックをギュッと凝縮したメソッド(BTSメソッド)は、ウェビナー基礎コースで教えています。単にストーリーに必要な要素を学ぶのではなく、最終的にストーリーに落とし込み、売り込まずに売るために必要な、論理、思考、ノウハウ、手法をNY在住の一流講師から習得できるのが特徴です。
ウェビナー基礎コースでは全5回の講座で具体的にこんなこと学べます。
- 第1回目 グローバルパブリックスピーキング(GPS)とは
まず、第1回目では、全ての前提として、日本人がストーリーマーケティングをしていく為に必要なグローバルパブリックスピーキング(GPS)と、優れたスピーチ構成について学びます。 - 第2回目 異文化の人々にも響く伝え方
2回目は、誤解が生じる原因から、自分以外の人に、自分が伝えたい事をどのように伝えれば伝わるかを、コミュニケーションタイプである、高コンテキスト、低コンテキスト、といった「異文化フレームワーク」を用い学んでいきます。自分と相手のコミュニケーションタイプからどんなアプローチ(伝え方)をすればよいか分かるので、相手に合わせて話し方を変えることができるようになります。 - 第3回目 スピーチ構成の前にすべきこと
スピーチやプレゼン、商談の準備を何となくしていませんか?3回目は、実際に話す(スピーチ)際の準備についての論理的手法を学びます。結果に導くには準備が重要ですが、その準備をどのように行うかを、「リサーチ&アセスメント、GPSシート」を用い、具体的に学んでいきます。 - 第4回目 印象に残るオープニングとクロージング
スピーチはもちろん、商談、プレゼンなど、セールスにおいて、オープニングとクロージングが重要なことは誰でもご存知だと思いますが、その論理的、具体的な手法を知っている方は少ないのではないでしょうか。第4回目では、オープニングとクロージングのNGパターンはもちろん、売り込まずに、自分が売りたいサービスや商品を印象に残し、行動奮起(売る)につなげる具体的な手法を学びます。 - 第5回目 スピーチの成功はストーリーから
売り込んでも売れませんが、相手に上手く伝わるだけでも売れません。相手の心を動かすことができて初めて売り込まずに売ることができるのです。そこで用いるのが相手の心を動かすストーリーです。第5回目では、ストーリー構築の具体的な手法を全1回を割いて徹底的に学びます。
次回のウェビナー基礎コースは、11月水曜日開催です。お申込みは、下記ボタンから。本講座修了特典として、今なら信元の無料ミニ個人コーチングセッション($100)付き。この機会をお見逃しなく!
三奈さんの想いを三奈さんの言葉で語っていくお手伝いをしているうちに、私自身も彼女の活動にとても共感を持つようになり、私も「美齢」の努力を始めました!!