【全3回】売り込まないマーケティング ①

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

いきなりですが、問題です。

この姉妹、何歳と何歳に見えますか?

Mina & Asami – AgeLoc Difference コンテスト 世界優勝

 

このお二人は、近藤三奈さんと近藤亜沙美さん。

写真の三奈さんは51歳、亜沙美さんは26歳です(2010年当時)。

えっ???そうなんです、つまりお二人は姉妹ではなく、三奈さんが亜沙美さんのお母さまなんです!!驚きましたよね??

お二人は、2010年にNuSkin社が開催した、AgeLoc Difference Mother and Daughter or Sisters コンテストで世界優勝した母娘で、お母さまの近藤三奈さんは、長年スピーチコーチングをさせていただいてきているのですが、三奈さんの成功の秘訣は、「売り込まないマーケティング」にあります。そしてそれは、スピーチ力の向上にも実はつながっているのです。

これは、著名なフィリップ・コトラーが語った「デ・マーケティング(売らないマーケティング)」とは少し異なる意味合いで使っています。「売り込まないマーケティング」とはどういうものなのか、どのように実践していくのか、美齢プロデューサーこと、近藤三奈さんの事例とともに、全3回にわたり、解説していきます。

「売り込まないマーケティング」とは?

「デ・マーケティング(売らないマーケティング)」との違い

デ・マーケティング(Demarketing)は1971年にフィリップ・コトラーが提唱したものですが、彼の定義によると、「ある特定階層の顧客需要を一時的ないし永続的に需要を減退させるマーケティングの一局面」というものです。

デ(de)という接頭辞は否定や反対を意味しますので、マーケティング+デ、で、需要を促進させるマーケティング活動の否定、という意味となり、つまり、需要を抑制するマーケティング、ということになります。通常のマーケティングではひとつでも多くの商品を、ひとりでも多くの消費者に購入してもらうために行われるわけですが、デマーケティングでは、通常ならより多くの認知を獲得するためにテレビCMを大量出稿するのに対して一切の広告を行わなかったり、ネットでしか買えなくするとか、あるいは販売価格を値上げする、のように、必要以上に需要を喚起せずに、限定した顧客を対象に顧客満足を実現しようという考えがデマーケティングです。

通常マーケティングと言えば、商品の機能やメリットをユーザーにいかにうまく発信できるかという点に重点が置かれます。しかし、その機能やメリットはあくまで企業視点、つまり、ブレイクスルーメソッドの言葉で言うならば、「自分視点」のものなので、生活者たちにとっては響かなかったり、逆に興味を失ってしまうことも多々あります。

一方で、三奈さんの成功の所以となった、「売り込まないマーケティング」とは、「ストーリーマーケティング(Story marketing)」です。

売り込まないマーケティング=ストーリーマーケティングの効果

「売り込まないマーケティング=ストーリーマーケティング」とは、「私たちはこのような想いで起業をした」、「こんな苦労を経てこのブランドが誕生した」、「この商品にはこんな生産者たちの汗や涙が込められている」といった、企業・ブランド・商品にかかわる人たちの顔が見えるアプローチを行うことで、ユーザーの共感を高める手法です。

商品やサービスを大々的にアピールするのではなく、製品が完成するまでの背景や消費者の手元に渡るまでに込められた想いなどを、物語形式で伝えるストーリーマーケティングは、特に自社製品の存在を知らない潜在層には、感情に訴えかける手法として効果的です。
ただし顕在層にアプローチする場合には、製品の特徴や価格、メリットなどを伝える従来のマーケティングがより効果を発することもあり、必ずしも一方のマーケティング手法が優れるというわけではありませんが、ブランドロイヤリティーを持続させるためには、やはり、顕在層にもストーリーマーケティングが効果的です。

世の中にはあまりにも数多くの類似品や類似ブランドがあふれています。そんな中で、不特定多数の人たちに、ある特定の商品・ブランドを探し出してもらい、興味を持ってもらい、選んでもらい、そして選び続けてもらうためには、心のつながりを持続させなければいけません。それを実現するのが、ストーリーマーケティングなのです。

美齢プロデューサー・近藤三奈さんが「売り込まないマーケティング」の実践で達成したこと

マンハッタンにほど近いニュージャージーの高級住宅街に邸宅を構え、毎週のように気の置けない友人を招き、手作りの精進料理を自らふるまうホームパーティー、最低月に1回は旅行やハワイの別荘で余暇を楽しみ、ウィークデーには、自己研鑽のためにオペラ、華道、茶道、殺陣を習い、ウィークエンドには予約が取れない人気シェフのレストランで、マンハッタンの夜景を見ながらご主人とディナー。

こんなハリウッド映画に出てきそうな生活、相当稼いでないと無理… 現実的に考えたら…普通の人(=私)には無理…ですよね。

私もそう思っていました。三奈さんに出会うまでは。

三奈さんは、「売り込まないマーケティング」のおかげで大成し、こんな夢のような生活を実現していらっしゃいます。

でもですよ、普通なら、「お金持ちのにおい」とか「成功者のにおい」ってするじゃないですか(笑)。しないんです。三奈さんは。いうならば、「近所の世話焼きおばちゃん」のにおいしかしない(笑)。しかも、いつも何か全力で学んでいらっしゃる。だから、ギラギラして稼いでいる!人なのではなくて、まさに「人生を謳歌」していらっしゃる、私が目指す姿を体現している、憧れの方なのです。

そんな三奈さんは、いつもこうおっしゃっています。

自然とどんどん売れていくマーケティングとは、見返りを求めない人間関係の構築なんですよ

つまり、「売り込まないマーケティング」は、三奈さんご自身の人生のポリシーでもあります。

私がほんの少しだけお手伝いさせていただいたのは、三奈さんがこれまでの豊かな人生で積み重ねていた幾層にもわたるストーリーを掘り起し、潜在層に響くメッセージをストーリーで包み、顕在層を惹きつけ続けるストーリーを三奈さんらしく語るためのお手伝い、です。じつはこれこそが、スピーチ力向上の肝となる部分なのです。

三奈さんと、筆者・夏代。

第二回目コラムでは、具体的に三奈さんがどのようにして「売り込まないマーケティング=ストーリーマーケティング」を実践していったのか、解説していきます。

第二回コラムはこちら:

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人は売り込まれている、と感じると、逆に買いたくなくなるものです。究極のマーケティングとは、売り込まずして自然と相手からアプローチしてくれる仕組みを作ること。それは実は、スピーチ力の向上にもつながっているのです。そのご指導をさせていただいてきた方の事例を、ご本人の了解を得て、実名・実社名を開示して全3回にわたり解説していきます。

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