スピーチ訓練で説得力を増す:ソニー元CEO 平井一夫氏のリーダーシップとメディア対応術

「あの人、記者会見とかで、うまく質問にテキパキ応えるよね〜」などとテレビを見ていて感心したことはないだろうか? 「とっさの発言に、的確に対応できるかどうか、スピーチの対応のうまさは天性のものではなく、訓練によって磨かれるものだ」と聞いたら、皆さんは、どう思うだろうか。この記事では、ソニー元CEOの平井一夫氏が語るリーダーシップとメディア対応の重要性について詳しく紹介し、実際に、大手企業のトップがどんな準備をし、大勢の前で話すトレーニングをしているか、その普段からの練習がいかに重要かを一緒に学びたい。(2024年5月22日テレビ東京放送、TV未公開:テレ東BIZ版「深掘り解説」より要約

ソニー元CEO 平井一夫氏のリーダーシップとメディア対応

発信力の重要性

 平井一夫氏は、テレビ東京のインタビューの中でトップリーダーの発信力の重要性について語った。リーダーが自ら情報を自信を持って発信することで、周囲の信頼を得ることができると言う。特に業績が悪い時こそ、トップが前面に立つべきだと力説する。例えば、世間を騒がせてしまっている時の株主総会や記者会見の席など、とかく責任回避、社長を傷つけないよう、表に出さないようにという雰囲気が社内にある中で、平井氏はあえて社長の仕事の一環として、自ら出ていって発言するように心がけている。

なぜ自らメディアに出るのか?

 平井氏は、問題が起きている時こそ、社会からの説明責任を果たすために自ら記者会見や説明会に出席する必要があると繰り返し強調する。それはトップの責任であり、だからこそ、そのリーダーに人がついてきてくれるのだ、とも語る。逆に、会社の調子が良い時の説明は、誰でもできる。例えば、それをナンバー2に譲ることで、人材育成にも繋がり、その人にも成果をアピールさせて、華を持たせるべきだとしている。

信頼を築くための姿勢

 トップが自ら説明する姿を社員やステークホルダーは、みんな注目している。そういう問題時には、もうバッシングされることは誰の目にも明らかだ。だから、最初からそのハードルは高い。日本では特に、社長の周りは守ろうとして出演を控えるように進言するかも知れない。しかし、だからこそ、あえてそこにトップが出ていくことで信頼が生まれる。ここにトップが出ていかなかったら、責任逃れをしているような印象を与えかねない。「ああ、この組織のトップはこんな人なんだ」と、その勇気のある行動、的確な発言、それを通して感じられる器の大きさなどを印象づけることができる。「ああ、この人だったらきっと大丈夫だろう」と、そんな印象・安心感を与えられたら大成功だ。

 大きな組織になればなるほど、社長の顔というのは見えにくい。個人株主などにとっても同じこと。だから公の場で発言することで、彼らの前に姿を見せ、自らの言動をさらすことは、彼らの信頼を得ることもつながっている。

 これらの努力により、株主を安心させ、株の売却を思い止まらせ、株価の低迷を防ぐことができると述べている。株価の暴落や銀行の取り付け騒ぎなどは、株主や預金者が抱く「ああ、もうこの会社(銀行)はダメかも?」という憶測だったり、感情的な部分によって引き起こされることが多いからだ。

 平井氏は、自らSony Playstationの説明や宣伝も行い、市場からの信頼を勝ち取る努力をしてきた。これもトップの仕事とわきまえている。

メンタルヘルスの維持方法

 平井氏は、「困難な時にどのようにメンタルを保つか」のキャスターの質問について、イメージトレーニングの重要性を強調した。アスリートのように勝つイメージを持ち、シミュレーションを繰り返すことで自信をつける。確かに、困難な時には、誰でも凹む。しかし、その凹んだ不機嫌な姿のままでは、器が知れてしまう。ネガティブな時ほど、それをポジティブに変換し、それを周りに示していくことが重要なのだろう。

トップの振る舞いと準備

 トップが何を言ったか、何を言わなかったか、常に注目されている。そのため、事前の準備やトレーニングが重要だ。

 日本と違い、海外のトップは頻繁にメディアに出ている。彼らは何をしているかというと、その対策として、普段から特別なスピーチトレーニングを積んでいる。平井氏も毎年、最低でも一回メディアトレーニングを受け、時によっては、想定問答を繰り返し、リハーサルを繰り返す。特に問題時の記者会見の前には、入念に、周りからフィードバックを受けることで、メディアの鋭い突っ込んだ質問にでも対応できる準備をしているそうだ。生放送では、とっさの判断力が求められる。それを培うには、普段からの地道な努力が必要なのだ。

1. カメラ目線の大切さ:メディアトレーニングの具体例

 例えば、平井氏は、自分の出演したビデオをプロのスピーチトレーナーなどと一緒によく見ることを示唆していた。緊張する場面ほど、目が泳いでしまったりする。そうするとトレーナーは、「今のところ目が泳いでますね」と指摘してくれる。番組の中で平井氏は、そのくらいしか言及していなかったが、私が実際にスピーカーにトレーニングを施すときは、こんな感じにアドバイスする。

「目が泳いでしまうと、本当はただ緊張してそうなってしまうんですが、とかく邪推されて、嘘を言っているような印象を与えてしまうんです。だから、目が泳がないように、緊張した場面をイメージしながら、カメラから目線を逸らさないように訓練するのがコツですよ」

2. 具体的な事例や数字を引用する:メディアトレーニングの具体例2

 また、平井氏は、「多くの数字を引用することが重要だ」とも述べていた。特に記者会見の席や、株主総会の答弁の中での数字のパワーはすごい。実際に経営に携わり、細かいところまで把握していることを印象づける効果があると言う。それは、まさにその通りで、それがそのまま大きな説得力に繋がっている。こうした努力が、「私に任せてください」というメッセージにつながり、ステークホルダーからの信頼構築に貢献している。

あなたにもできる力強いメッセージ発信

 平井氏のようにメディアに出て何なくこなしているように見えるのは、才能ではなく、みなトレーニングをしている結果なのだ。普段からトップが大勢の前でスピーチができるように練習することは非常に重要だ。つまり、普段から大勢の前でスピーチの練習をしていれば、メディアに出ても難なくこなしているように見せることが、とかく緊張しいのあなたにもできるということだ。しかし、その背後には、スピーチトレーナー・スピーチ教室の存在があることを忘れてはならない。

 もし、あなたがリーダーとして多くの人にアピールする機会があるなら、一度スピーチ教室を訪れて、訓練を積んでみるといいだろう。しかし、一口にスピーチ教室といっても、ピンからキリまである。どんなスピーチ講座を選ぶかは、あなた次第だが、選ぶ基準というのが厳然として存在するのも事実だ。その参考記事は、以下を参照していただきたい。ちなみに、弊社のスピーチ講座では、メディア対応の基本から高度なテクニックまで、実践的なトレーニングを提供している。平井氏のように自信を持ってメディア対応できるリーダーを目指すために、一度私たちの講座をご検討いただければ幸いである。

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最適のスピーチ教室を選ぶための基準:ベストなプレゼン学習方法3つのプロセス

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とっさの質問に、的確に返答できるかどうか、スピーチの対応のうまさは天性のものではなく、訓練によって磨かれるものなのだ。スピーチ教室でその訓練を行うことで、例えば、誤解されがちな緊張による動揺を抑えることができたり、常に数字を意識して答弁する練習をすることで説得力を増すことができるようになる。

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