ユーモアスピーチ:誰も笑わなかった時の対処法ー具体例あり

たとえ、どんなに周到にユーモアあふれるスピーチを準備したとしても、必ずしもそれがウケるとは限らない。沈黙が会場に広がり、誰もニコリともしない、そんな状況があなたを迎えることもある。あなたが緊張しすぎたのかもしれないし、ユーモアがユーモアとして理解されなかったのかもしれない。

これは、悲劇だ。しかし、それをくぐり抜ける方法はいくらでもある。今回は、その対処法と具体的なセリフについてお伝えしたい。

ウケなかった時にやってはいけない5つのこと

  1. 焦る
  2. 繰り返してしまう
  3. 説明してしまう
  4. 聴衆のせいにする
  5. 謝ってしまう

ここでは、誰も笑わなかった時の基本的なルールについて説明しよう。

1、焦らない

「うわぁーウケないよ。どうしよう」と内心、不安の渦に巻き込まれると思う。予定通りに行かなかったのだから仕方がない。しかし、そんなことはよくあること。とにかく落ち着こう。聴衆が、もし真剣に聞いているようであれば、あなたはまだまだ自信ありげに見えていることを忘れないで欲しい。聞き手というのは、話し手が感情的になっているのを見て、初めて居心地が悪くなるもの。あなたが焦らなければ、聞き手には何も影響がないことの方が多い。

2、繰り返さない

「ウケなかったのは、理解できていないからかな?」と勘違いして、「もう一度繰り返そう」という衝動にかられるかもしれない。しかし、それは断ち切ろう! 彼らには聞こえているし、理解していると思ってほぼ間違いない。もし、繰り返せば状況は悪くなる一方だ。

3、説明しない

もしジョークの説明をしなくてはいけないとしたら、それはユーモアが微妙すぎたり、分かりにくいことの表れだ。説明しても笑いが起きることはないし、説明すればするほど、あなたのユーモアは失敗だったということを明らかにすることになる。

4、聴衆のせいにしない

あなたのユーモアが理解されないのは、「聞き手のレベルが低いからだ」という含みを持つ発言を絶対にしてはいけない。ウケなかったのは、あくまでもスピーカーの責任だ。ネタの選択が悪かったのかもしれないし、デリバリー(話し方)がよくなかったのかもしれない。「この話昨日も銀行の人たちにしたんですけど、彼らにはウケたんですけどね」などと不用意に言ってはならない。この発言は、暗に理解できなかった聞き手を責めている。

5、謝らない

「なあんていうのは、面白くなかったですよね?!」などと、くやしまぎれに言い訳を言うのもどうかと思う。これだとますます聴衆をしらけさせてしまう結果となる。

ベストは、ただ話を続けること

ウケなかった時の1番の方法は、何もなかったかの如く、淡々と話を続けることだ。

「実はこの話は真面目な話だったので、笑ってくれなくて当然です」

というような態度で続けるのがいい。多くの聞き手はこれを受け入れるだろうし、そんなことに気づかない人も多いだろう。

一方で、笑いが取れなかった、という状況を正しく把握することが重要だ。

まず、聴衆の沈黙があったということは、あなたのスピーチ・プレゼンのごく一部が理解されなかったという意味であり、スピーチ全体がウケなかったという意味ではない。さらに、聞き手の中には、面白いと感じていてもそれをあからさまに表現しない、大きな声で笑わない、ニコリとするだけ、という人もいる。たまたまそういう人たちのグループに当たっただけかもしれない。だから、一時的にウケなかったからと言って、その話を永久に葬り去る必要もないし、一つ面白い話がウケなかったからと言って、他の面白い話も引っ込めてしまう必要もない。もし、全部あきらめてしまうとしたら、自分で自分のユーモアスピーチの成功機会を投げ出してしまうことになる。聴衆にとっての楽しみを奪うことにもつながってしまう。

オンライン上での対策

 オンラインでのプレゼンの機会が多くなっている昨今だが、ウケなかった時の対処法は全く同じだ。何もなかったかのように、ただ先に話を進めればいいだけだ。

 むしろ、オンラインでは、聞き手がミュートになっていて、話す側が、相手が聞いているのか、伝わっているのかが分からず困り、そこに気を取られ上手く話せなくなることも多い。

 だったら、物理的な理由で聴衆の空気が読めないのなら、それを逆手に取って、空気を読まなければいい。相手の反応を気にせずに、もっと自由に気軽に、勇気を持って何でも言ってみよう。

 聞いている人の顔色は伺わなくてもいい。「場の空気を悪くしてもいい」ぐらいの気概を持って思い切ってあなたのユーモアを発揮しよう。オンラインなのだから仕方がないのだ。ウケないことは一時的なことで、決して失敗ではない。

咄嗟の時のプロのセリフ

もし、あなたに少しでも余裕があって、咄嗟の状況、沈黙の瞬間をどうにかできる自信があるなら、その悲劇的な状況を逆手に取って、冗談を飛ばしてみるのも面白い。次の章も含め、以下にご紹介するのは、仲間のプロスピーカーの人たちから教わった「ちょっと気の利いたセリフたち」。

冗談がウケなかった時のとっさの一言

「。。。って、ちょっと言ってみただけです」

「。。。という今のお話は、とある本に書いてあったんですよね。グリコのおまけですけど」

「すべての人が面白いとは限らないですよね。そのことは、今、私が証明しました!」

これらを成功させるには、タイミング(間の取り方)など、デリバリーに注意して、何回も練習する必要がある。他にもたくさん、いろんな事例があると思う。気がついた時にメモって、ご自分のユーモアファイルにしまっておこう。

これらのセリフは、いつ使うか分からないので、やはり、普段からいつでもとっさに言えるようにリハーサルしておくことが必要だ。ウケなかった時のことをイメージして、タイミングよく言ってみよう。

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ユーモアスピーチをして、もし誰も笑ってくれなかったらどうするか? そのまま何事もなかったように続けよう。少し余裕があれば、その場を逆手にとって気の利いた一言でその場の雰囲気を和らげよう。そうやって腹をくくれば、緊張もほぐれてスピーチもしやすくなるだろう。

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ネタはどこにあるかを探す

スピーチ・プレゼン時のアクシデントに備える

いくら準備を周到にしてもどうしてもアクシデントは起きてしまう時がある。ノートを落とす、水をこぼす、マイクが壊れる、照明が消えるなどのハプニングはつきものだ。

そんな時、スピーカーに求められるのは、機転の効いた言葉。もし、一言スピーカーからユーモアある一言があれば、その場の緊張はほぐされ、あなたの話に注意を注ぐように聴衆は自然と導かれ、その場の主導権は引き続きあなたの手に委ねられることになるだろう。

一つの留意点は、無理にその出来事を無視して、何事もなかったかのようにしないこと。聴衆の注意はそちらに行ってしまっているので、一緒にそれを体験し、コメントを述べる、という態度が必要だ。例えば、もし、マーチングバンドが間違えて、突然会場に入ってきたとして、その間違いにバンドが気づいて去っていったとする。そんな時は、それを無視することなんてできない。さらに、聴衆はスピーカーに何か一言を期待するだろう。一緒に、そのハプニングを楽しむ感覚で、思ったことを素直に表現すればいいのだ。

頭が真っ白になった時

「どなたか話に加わりたい方いらっしゃいますか。私は全然構いません」

(あらかじめ用意しておいて)「突然ですが、ディスカッションタイムにしたいと思います。隣の人と次の内容を話してください」(今までの話の感想でも良い)ーと言って、プレゼンメモを見て話の内容を思い出す。

マイクが調子の悪い時

「よく言われるんですけど、『お前の話はよく聞こえない時の方が断然いい』って」

「このマイク、うちの息子の大学みたいですね。費用がかかる割に役に立たない」

照明が消えてしまった時

「すいません。言うのを忘れてました。今晩は門限があるんです」

「おかしいですね。さっきここの会場の人と話した時は、ちゃんと払っているって言ってたんですけどね~。電気代。。。」

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びっくりした親子が笑う

ブレイクスルー(BT)メソッドでユーモア溢れたスピーチを学ぶ

 ブレイクスルーメソッドとは、米国プロスピーカーとして活躍する当メディア編集長で、ブレークスルースピーキング代表の信元が、長年の知識と経験を元に日本人向けに開発したスピーチ学習オンライン型双方講座。内容は、スピーチ・プレゼンスキル向上のために開発された数あるメソッドの中からエッセンスを抽出したものを、しかも日本人がグローバルな場面で活躍できる場面を想定して作られている。

 さらに、基礎コースを終えた人には、実践コースも用意されている。定期的な間隔をおいて受講することで、学習者の進度状況を見ながら、その人に合ったコーチングが受けられ、ユーモア溢れたスピーチをしたい人にはこちらがおすすめだ。また、段階的にステップアップできるように違うテーマでも受けられる。かなり少人数なので、個人レッスンとほぼ変わらないクオリティだ。上級者には、個人コーチングも用意されている。

 ブレークスルーウェビナー基礎コースを受けることで、世界基準のビジネス特化型のスピーチ・プレゼン術を最短効果的に習得できる。私が本講座の講師となったストーリー『私がブレイクスルーメソッドの伝道師になった理由とは』でもお話ししているように、スピーチに必要な知識と技術が集約されており、これからスピーチ・プレゼンを本気で学びたいと思う方に、おすすめの講座といえる。オンラインで1か月、スピーチ・プレゼンのブレークスルーを体験してみてはいかがだろうか。

 

 

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