日本人の英語はストレート過ぎる。普段はあんまりしゃべらないのに、しゃぺったと思ったら、いきなり無礼な言い方。いくらなんでもあの言い方はないだろう。。。アメリカ人たちが言っている日本人への陰口のひとつだ。
この記事では、「え? なんでこんなことで?!」と一瞬思うような英語でのコミュニケーション上の盲点を解説したい。英語で日常生活が普通にできるようになってきた英語中級者には、必ず読んで欲しい内容だ。これを知ることで、ちょっとした誤解を避け、円滑な人間関係を築け、ビジネスもより好転していくことだろう。
ちょっとした一言が招く誤解「感じの悪さ」
そう言われてみると、思い当たる節が。。。
自分もかつて、アメリカ人は皆オープンでフレンドリーだと勘違いしていた時期があった。アメリカに留学してしばらくたち、熱心にボランティア活動に勤しんでいた頃、相手側の反応が喜ばしくなかったので、アメリカ人の親友に相談してみた。すると彼は率直にこう言ってくれた。
英語にも敬語がある
「そういう言い方を繰り返してると評判悪くなるよ」
彼は何時間にもわたって私の話を聞いた後、手取り足取りいろんな英語表現を教えてくれた。まず、キャンパス英語とビジネス英語は違うことや、何か人にものを頼むときは、
- “Can you” ではなく、”Could you …?” で始めた方が良いことや、
- “Do you know〜” だと子供扱いしているようなので、”Did you know〜” の方が感じが良いこと
など、英語にも敬語があることを説明してくれた。
私だけではない。こういうのは米国留学経験がある日本人男性に多いパターンらしい。場所や人間関係をわきまえず、例えば、交渉場面で、顧客であるアメリカ人側がすごく丁寧な言い方をしているのに、なんでも、”Yeap!”と答えたり。。。英語力が中級以上の人は、カジュアルな場面とフォーマルな場面では言葉のチョイスを変えなくてはいけないことを知らなくてはいけない。
赴任したての日本人駐在社長の実例もある。
アメリカ人秘書に「コーヒーいかがですか」と聞かれて、”No, thank you.” と応えればいいものを、”No.” だけで毎日済ませていた。
この秘書さん、ある日突然「辞める」と言い出した。日本ではこんな社長の態度は問題にならない。しかしアメリカでは「人はみな平等」という概念はとても重要だ。部下と言えども同じ人間。敬意をこめた Thank you の一言がないと、何か奴隷扱いしているように誤解されてしまうのだ。
反論する時の好印象な言い方
他にも、反論するときの悪い例。
“That’s not right.” “You are wrong.”
式のストレートすぎるリアクション。。。
このようなぶっきらぼうな言い方だと、相手が憤慨しても仕方ない。
丁寧に言い換える
もし仕事ができるアメリカ人だったら、
“I understand the point you are trying to make, but I see things from a different view. My background is …., Here is some point I feel also important….”
と、かなり丁寧かつ謙虚な言い方をするものだ。ちょっと長ったらしいと感じるかもしれないが、センテンスが長ければ長いほど、人は丁寧だと感じる、というリサーチがあり、社会言語学の教科書に載っていた。
例えば、簡単な例で言うと、
“Shut up!(うるさい!)”
は、かなり乱暴で失礼な言い方だ。まだ、
”Keep quiet!(静かにしてよ!)”の方が丁寧
だが、まだまだ乱暴な言い方であることは否めない。こんな言い方をされるとその気がなくても、「なんだこいつ?!」と、ちょっと喧嘩腰になってしまうかもしれない。では、こういう時、なんと言えばよいのか?
”Do you think you would mind keeping quiet?”
かなり冗長な表現であることは否めないが、例えば、図書館などで静かにして欲しいとき、こんな言い方をする。ここまで長くいうと、内容は「静かにして欲しい」と言っているのに過ぎないのだが、とてもソフトに感じ良く聞こえるので、聞いた相手は、好戦的な印象を持つことなく、きっと静かにしてくれるだろう。
このように、内容をストレートに伝えることと、表現がストレートであることとは違う。内容は、かなり直接的だけど、表現はかなり婉曲的にするのがアメリカビジネスシーンでよく見かける手法だ。これを活用すれば、より厚い信用が得られる。
でも、よく考えると、日本語にも同じことが当てはまる。日本人同士が意見を交換するときに、こんな感じに相手を気づかって、ちょっとまわりくどい言い方をしないだろうか。要するに、日本でやっていることそのまま実行すればいいのだ。こう考えれば、心理的な壁が少しでも低くなるだろう。
失敗を恐れるな!
だからと言って、間違いを恐れて何も言わない、というのは考えものだ。間違ったら、素直に謝ればいい。そして、説明すること。そもそもそれは間違いではなく、習慣が違うだけで、お互いの理解が不足しているだけかもしれない。
人って、ヘタに「同じ」だと思うから違和感を感じた時、誤解したり、腹が立つ。お互いの文化背景が「違う」ことを認め合えば、逆に分かり合える。「違いを知る間違い」こそが、英語がうまくなるコツであり、相互理解の始まりだ。間違いをすればするほど、その表現が自分の血となり肉となり、サバイバル・コミュニケーション能力も自然と高まるものだ。
かの元シアトルマリナーズのイチロー選手も、「近道をしたら深みがでない。無駄なことって結局無駄じゃない。遠回りすることが一番近道」だと語っている。
一番の問題は、気づかないこと。しかし、多くの日本人は、言語に頼らないコミュニケーション能力が高い。そういう自分の直感を信じて、何かおかしい、と感じたら、勇気を出して周りの人に聞いてみることも大切だ。
以上は、主に普段の英語での会話の注意点だ。しかし、英語でスピーチをする際には、また別の視点で見なくてはいけない。スピーチは、フォーマルな場面なので、当然、敬語を使った方がいいだろう。だが、前述の
“That’s not right.” “You are wrong.”
式の表現でも、聴衆の注意を引きたい時には使える。なぜなら、とても無礼だから、聞いていて「はっ」とするのだ。でも、多用をしないほうがいいだろう、ことは言うまでもない。
日本人の英語はストレートすぎて相手を不快にする場合がある。英語にも敬語表現があることを理解し、深く学習し、ビジネスシーンで活用することでより厚い信用が得られる。だからと言って、間違いを恐れて消極的になるのではなく、間違いこそが英語上達のコツだと理解したい。
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