頭が真っ白になったらどうする?(前編)傾向と対策

何を言ってたんだっけ?

私は、昔、スピーチが大嫌いだった。カリフォルニアの大学院に留学中、学校側から「日本について」話すように頼まれて、講堂でスピーチの機会を与えられたことがあった。その時、途中、頭が真っ白になって、何も言えなくなってしまったことがある。実際にはその瞬間は1分くらいだったのだろうが、自分の中では、15分くらいに感じていた。終わった後「もう二度とするものか」とつぶやいたものだ。

こんな経験、皆さんもあるだろうか。プレゼンをやっていたら、次に何を言うべきか忘れてしまった! という経験。。。なぜそうなってしまうのだろう。

確かに、緊張するのが一つの原因とも言える。だけど、それだけではない。私がなぜあの時頭が真っ白になったか、を後で考えてみた。さらに同様の経験がある人たちから話を聞いたところ、共通していたのは、文章を丸暗記していたことだった。

丸暗記は避けよう

スピーチが母国語じゃないと、どうしても最初のうちは丸暗記になってしまう(外国語を丸暗記しなくても話せる方法はまた別の機会にご紹介したい)。母国語の日本語でも丸暗記しようと頑張って練習している人を見かける。だが、それは避けた方がいい。

なぜなら、まず、下書き通りの文章をそのまま言うと、わざとらしく、不自然で、ぎこちなく聞こえてしまうものだ。さらに、頭の中で丸暗記の文が順序よく並んでいると、一つ間違えて脱線したら、元の線路に戻るのが難しくなる。戻るのが難しくなると焦って、パニックになる。これが頭が真っ白になる1つの原因だ。

実は、優秀なスピーカーというのは、観衆のリアクションに合わせ、臨機応変に自分の言いたかったことを少し変えて表現したり、その場に見合う言い回しに変えて話したりするものだ。

一方で、スピーチの苦手な人はそれができない。例えば、あなたが真面目に言っているつもりの場面でも、たまに聴衆が笑うことがある。予想していなかったリアクションを受けたあなたは動揺してしまう。それがきっかけで頭が真っ白になることもある。

完璧じゃなくて良い! 緊張を楽しもう!

そもそも丸暗記しようと思うのは、完璧に話そうとするからだ。スピーチとは水ものだ。その瞬間、自分や、会場、聴衆、何が起きるか分からない。完璧にできるわけがない。

「あの人のスピーチ完璧だよね」と思って、終わった後にその人に聞いて見ると、「あれも言わなかったし、何回も脱線しちゃったし、最悪だったよ」なあんて答えが帰ってくるものだ。そういうスピーカーの心の中の声、焦り、は聴衆にはほとんど分からない。

ただ、違いは、その人たちはその瞬間起きることを楽しんでいることだ。また、あらかじめ何が起きても慌てないようにいろいろ準備していることだ。もし、脱線しても、こう修正しよう、というプランBがあったりするのだ。

要点と構成だけをメモしておく

下書きは、一応最後まで全部文章で書いてもいい。でも、いざ、スピーチの練習となったら、要点と構成だけを書いたメモを作り、それを見ながら、リハーサルしてみよう。そうすると、気づくことがある。自分がいかに下書き通りに話していないか、を。

多少の言い回しが違ってもいい。言いたいこと(要点)が伝わればいいのだ。そういう自由度をリハーサルの時から残しておく。そうすれば、多少脱線しても、いくつか元に戻る道筋が見えてくるので、動揺することはない。言わば、最初から頭が真っ白になった時を想定しておくのだ。

スピーチにおいて何より重要なのは、要点をはっきりと述べること。そして、それを順序よく話すことだとブレイクスルーメソッドでは教えている。その方が説得力があり、あなたの熱意とか誠実さがよく伝わって、相手を感動させることができるものだ。では、どのように要点をまとめるか、どのように構成するのがいいのか、それはまた後日。

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