2000人の前でもプロはあがるのか?!(前編)大会場でのスピーチでもあがらないコツ

最初のセリフが出てこない!

プロのスピーカーであり、スピーチコーチ、トーストマスターズの2000年世界チャンピオンだったエド・テート氏は、ワシントンDCで2000人を前にして基調講演を始めようとしていた。ところが、紹介を受けて登壇した後、最初のセリフを完全に失念してしまった。

今までこんな経験をしたことがなかった。パニックに陥った。7秒くらいの恐怖の沈黙が襲いかかった。一番恐れていたことが起きてしまった。

しかし、まず深呼吸をしてみた。少し自分を取り戻せた。そして気を取り直し「なぜ自分がそこにいるか」「聴衆がなぜ自分の話を聞きに来たのか」に意識を集中させた。さらに、暗記してきた話をそのまま話すのではなく、「今目の前にいる2000人の親友たちと会話を楽しむんだ」と自分に言い聞かせた。

するとリラックスしてきて、言葉が口をついて出てくるようになった。足を運んでくれた聴衆に思い出に残る体験を提供したいとの一念で話し続けた。

多くの聴衆は、その7秒は彼がわざとやったのだと思っていたようだ。それもそのはず、エドは機転を利かせて、「皆さんにもこんな経験ありますか」とその7秒を逆手にとって笑いを取り、聴衆との交流を保ったのだ。

大会場での緊張緩和法

この短いエピソードからは、たくさんの学びがある。

1、まずは深呼吸。

スピーチをする時に頭が真っ白になった時の対処法の、大きな最初のステップは深呼吸だ。これは誰でも体験のあることだと思うが、かなり効果がある。

2、自分にフォーカス

次は、スピーチをする前から、そして始まってからも、自分が今することに集中すること。特に大会場でありがちなミスとは、自分を見失ってしまうこと。例えば、その全体の雰囲気に飲まれてしまって、舞い上がってしまったり、普段自分がしないことをしてしまう。スピーチの前に乞われるままに参加者と一緒に写真をとったりなど、いつもと違うことをすることで、注意散漫となり、自分が自分でなくなってしまうことだ。他にも、事前に音楽演奏やちょっとしたショーなどがあり、会場が盛り上がれば盛り上がるほど、その雰囲気に自分が合わせなくてはいけない気持ちになってくる。そうすると自分を見失ってしまう。

そうではなくて、自分がなぜそこで話をするのか、聴衆に対して何ができるのかを再確認し、自分は自分のやり方でいいんだ、と自分に言い聞かせ、今すべきことに集中することが重要だ。

3、会話を楽しむ気持ちで臨む

人は誰でも、1対1なら話ができる。それが大勢の前だと緊張してしまう。だったら、緊張しないためにには、誰か親しい人と1対1で話しているかのように、大勢の前でスピーチすればよいのだ。

スピーチであがってしまうのは、心理的な要素が大きい。初めてのことや慣れないことには、誰でも、緊張や不安を感じるのは自然なことだ。問題は、大勢の人の前に出るだけで、自動的に脳が反応してしまい、緊張して言葉が出なかったり、汗を異常にかいたりすることだ。この心理的な要素を排除するためには、意外と簡単な方法が効果的だ。自分で自分に言い聞かせればよいのだ。エドの体験がそれを物語っている。

スピーチを無理に暗記してはいけない。なぜなら親しい友人と話をする時には、決して暗記してきたセリフを一語一語丁寧に語ったりしないからだ。

緊張を楽しもう

あがってしまってセリフを忘れたとしても、決して死ぬことはない。そんなに大したことではないのだ。むしろ失敗をすることで人は大きく成長できる。逆にそれをネタにして記事を書いたり、人を笑わせることができる。成功談よりも失敗談の方が好意的に受け入れられるものなのだ。だから、失敗を恐れずに大いに緊張を楽しもう。そうすればもっと人生の選択肢が広がるはずだ。

後編はこちら

災い転じて福となす?! プロのスピーカーであり、スピーチコーチでもあるエド・テート氏は、2016年、ワシントンDCで2000人を前にして基調講演を始めようとしていた。ところが、紹介を受けて登壇した後、最初のセリフを完全に失念してしまった。[…]

大勢の観衆の前でプレゼン
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