プレゼンでどんな話でも面白く聞こえさせる5つのデリバリーとは

あなたは面白い話を面白おかしく伝えられる自信があるだろうか? 要は「話し方」によって、スピーチ・プレゼンは、面白くも、つまらなくもできる。

もしユーモアあふれる話をしようと思うなら、あなたが面白く仕立てたストーリーを、聞き手がイメージの中で、視覚化し、五感を持って感じ、追体験してもらうように持っていかないといけない。あなたのジェスチャーや声の調子が、そのゴールを達成するのに重要な役割を持つ。

そこで今回は、あなたの面白いストーリーをより面白い話として聞いてもらって楽しんでもらうための5つの基本の技をお伝えしたい。

スピーチのデリバリーとは

 スピーチ・プレゼンにおけるデリバリーとは、身振り手振り、声のトーン、間の取り方など、いわゆる話し方のこと。ピザを配達する「デリバリー」のように、「あなたの心」を聞き手にデリバリーするスピーチでの手法のことだ。

 例えば、「あなたは美しいですね」という同じ文でも、

  • ニコニコしながらちょっと興奮気味に言う、
  • つまらなそうに言う、
  • 全然違う方向を見ながら言う、
  • 怒った表情で言う

のでは、それぞれニュアンスがかなり変わってくる。この「言い方・表現方法」がデリバリーだ。

ストーリーを全身で表現する!

 ストーリーの中にあなた自身をぶち込まないといけない。畏まって演壇に立っているだけではダメだ。

  • ステージ狭しと動き回って、体全体で表現してみよう!
  • 手や足を使って言葉とストーリーを思いっきり誇張してみよう!
  • 顔の表情をうまく使って感情表現をしてみよう。
  • 声のトーン・抑揚をうまく使うことで、言葉にさらに深いニュアンスをつけてみよう。

そして、大きな声でリハーサル! 録音したり、録画して自分の姿が、どう客観的に見えるのかを観察しよう。その観察するときに、次に述べる5点について、自分はどのように演じているか、チェックしよう。

ユーモアスピーチで注意すべき5つのデリバリー

  1. テンポ
  2. 抑揚
  3. リズム
  4. 声の大きさ
  5. 間の取り方

1、テンポ

 話し方の速さは、話の主人公がしている行為によって変えた方がいい。

 例えば、コンピュータを購入している時は、比較的ゆっくりだ。どんなモデルがあるか、特徴をよくよく吟味しながら買っている、そんな姿を想像させてくれるからだ。

 反対に、何か欲求不満が爆発しそうな場面の時は、テンポを早めて話すとその緊張感が伝わるだろう。

2、抑揚

 抑揚とは、言葉の終わりで、声が上がったり下がったりすることだ。語尾が上がれば質問・投げかけになるし、下がれば、断定・宣言。場合によっては、いろんな言外の意味や感情を付け加えてくれる。

 例えば、同じ谷川俊太郎の詩を朗読する場合でも、朗読者の解釈次第で、声の抑揚の仕方が変わる。それによって、聞き手に違った印象を与え、新たな詩の解釈が展開される場合もあるものだ。

3、リズム

 話のポイントを強調したい時には、リズムを変化させることが大切だ。

 想像してみてほしい。お経のように話したとしたら、聴衆はどうなるだろうか?

 間違いなく寝てしまうだろう。大学の講義を聞いていて教授の話がまるで子守唄のようになって、寝てしまった経験はないだろうか。多分その教授は、終始同じようなリズムで話していたのだろう。

 だから、リズムには変化をつけることが大切だ。特に、強調したい何かを発言する時には、それまでとは違うリズムをつけて、変化をつけて話してみよう。

 例えば、タン・タン・タンと話してきたら、タタタタタタとたたみ込むように言ってみたり、タッタターンと変化をつけて見る。これを、テンポや抑揚と結びつけてやるとさらに効果的だ。

4、声の大きさ

驚きや、行動、興奮を伝えたい時は、声を大きくする。また、感情や、ちょっとした怖さを表現したい時は、声を小さく、時にはささやくのも面白い。

応用編:一般的に言って、大事なことは、それまでの調子とは変えて、より大きな声でゆっくりと何回も話すのが良いとされる。

 しかし、ガヤガヤしている聴衆を静かにさせる方法は、大きな声で「静かに!」と叫ぶことだけじゃない。逆に、小さな声で、ささやきかけることによって、それを聞こうと皆が耳をそばだてることがある。このことを利用して、わざと、大事なことはゆっくり小さな声でささやくと効果的な場合がある。それはどういう時かと言うと、囁くことで変化がもたらされる場合だ。その変化で、聞き手に強い印象を与えることができるのだ。

明石家さんま師匠は、「笑いとは緊張と緩和や」といろんなインタビューで応えている。

 緊張を作り、それを高めておいて、一気に落とす(緩和する)時が、笑いの起きる瞬間だというわけだ。つまり、テンポを速め・リズムを弾ませ・声を大きく、抑揚をうまく使って緊張を高めて、それと対照的なテンポ・リズム・声の大きさ・抑揚で、一気にそれを緩和することで、自然と笑いは起きる、ということになる。

 

 例えば、

(高めの声で張り上げて速めのテンポで)

「今日は上司に絶対言ってやるぞ! 絶対言うんだ! 言うぞ! 俺ならできる! さあ行くぞ!(ドアをノック)部長〜〜〜!!」

(急に声を弱めてゆっくりと)「あの例の件なんですけど、辞めさせてく。。。だ。。。さ。。。い。。。」

5、間の取り方:

 間の取り方はことのほか大切だ。スピーチを活かしも殺しもする。

 私もスピーチを習う前は、全然気にも留めなかった。沈黙をしてはいけないとさえ思っていたので、沈黙が怖かった。だから、沈黙を避けて、「立板に水」とばかりに、絶え間なく続けて話すのがいいと思っていた。

 しかし、それは間違っていた。ある日、私はセリフを忘れて3分くらい沈黙をしてしまったことがある。そのスピーチの後、私はかなりへこんでしまった。その時、メンターに言われた言葉が「沈黙は金なり」。

・沈黙は注意を惹きつける

 沈黙は悪いことではない。立て続けにしゃべっていた人が急に黙ると、聞き手は「何だろう?」と疑問に思い、逆に注目してくれる。沈黙した後に放った言葉には重みがある。だからそれを「わざと使いなさい」と、私はアドバイスされたのだ。それ以降、私は、必ずポーズをとって、聴衆の注意を引きつけてから大切なメッセージを言うようになった。

・沈黙は言葉を咀嚼する時間

 さらに、聞いた言葉が印象的であればあるほど、それを咀嚼する時間が私たちの脳には必要になる。だから沈黙があると聴衆は、その沈黙を「咀嚼する時間として使おう」と脳が勝手に働くらしい。だから、何か決定的な言葉を放った後は、ポーズを置くと良い。自分の心の中で3秒数えてから次の言葉を言うようにしてみよう。

・ユーモアと間の取り方

 だから笑いにおいて、オチを言う前に必ず間を取ることが何よりも大切だ。オチの前で一息吸うことで、聞き手の中に緊張を高めさせる。そしてこの間こそが、「何かこれから重要なことを言いますよ!」というサインになり、聞き手はあなたのセリフに注目せざるを得なくなるのだ。

 そして、オチを言い終わった後の間も大切。間によって、聞き手がオチを消化し、そこにユーモアがあることを見出し、それに反応する機会が与えられる。だいたい心の中で3秒数えるといいだろう。

 面白味というのは、常に「意外性」から生まれるものだ。いい意味で相手の期待を裏切り、新鮮な驚きを与えないといけない。意外性は、テリバリーによっても生まれる。小さな声、ゆっくりしたテンポから、いきなり大きな声、速いテンポでちょっとした驚きを与え(またはその逆)、内容に意外性を持たせ、常に新鮮さを聞き手に提供することができるのだ。

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リハーサルを繰り返す

 真面目な話をするときは、多少つっかえても聞き手は話を聞いてくれる。しかし、いざ笑ってもらう時に、間違えたり、つっかえたり、噛んだりしていては、まったく笑いは起きない。だから、滑らかに話せるまで何回も何回も練習して欲しい。家族、友達を捕まえて、ちょっと練習させてもらったり、仕事の同僚に試してもいい。相手がどこでどういうリアクションをするかを観察できる。それに、間の取り方次第で笑ったり笑わなかったり、ということも経験できるだろう。ここが一番大切だ。

 何回も試していると、その話に慣れてしまって自分ではちっとも面白くないと思えてくるが、それでいい。その話を最初に聞いたときにあなたがおかしいと感じれば、きっと聞き手も同じことを思うだろう。

スピーチの成功はあなたの想い次第

 ユーモアのスパイスを加えてストーリーをより面白くするためのコツとは、実は当日のデリバリーにあった。特に注意する点としては、テンポ、リズム、抑揚、声の大きさ、間の取り方だ。もちろん、事前準備としては、以前にも述べたように、話の構成を間違えないことや、リハーサルをいろんな人と何回も繰り返すことの大切さもある。

 実は、あなたの心の中で思っていることが、意外とそのまま聴衆にも転写されていることをご存知だろうか。自分自身と自分のプレゼンを信じて聴衆の前に立てば、あなたの聴衆もきっとそうなる。特に、オチを言う時は、下を向いてないで、自信を持って、相手と目を合わせて堂々と言ってみよう。

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