周りを巻き込むリーダーになるための、4つの内省プロセス

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

仕事には色々な種類のものがあって、同じ会社の中でも仕事の種類は多種多様だと思いますが、どんな仕事であっても、どんなに優秀な人財であっても、ひとりの力だけでは限界があります。周りに協力を仰ぎながら、一つひとつの仕事と向き合っていかないといけません。そこで必要になるのが、“周りを巻き込む力”です。自然に多くの人から協力を得て、大きなことを成し遂げるためには絶対的に必要な力で、どんなビジネスにおいても、巻き込む力がある人はリーダーシップを発揮している人だと言えると思います。

今日は周りを巻き込む力に必要な要件や資質として、自分軸、そして、自己効力感についてお話します。

周りを巻き込む力とは?

まずは、周りを巻き込む力ってなんなのか?について考えてみたいと思います。

管理職やリーダーなどの“周りを巻き込む立場”になると、どうしても「自分が引っ張っていかなきゃ」と考えてしまう人が多いですが、周りを引っ張ること=巻き込み力ではありません。

大きな仕事を任され、周囲を巻き込もうとするあまりに、周りを“制圧”しようとする人は少なくありません。当然ながら巻き込み力とは、周りの人や部下を制圧して自分の考えに無理やり賛同させる力ではないのです。自分のやり方や考え方を押し付けたり、相手の都合を無視して仕事を任せたり、或いは、自分が困ったときだけ周囲を頼るようなことを繰り返していると、周囲を巻き込むどころか、逆に人は離れて行ってしまいます。あくまで“巻き込む力”とは、自然に協力し合える関係を作る力であり、無理やり人を引きずり込む力ではありません。ただただ自分が目標に対して突き進んでいれば周りも付いてくる、というわけではありません。時に立ち止まり、周りの状況や立場などを考慮しつつ、それに寄り添うことも大切なのです。

そのためには、まず自分軸がしっかりしていること、が必要です。

自分軸とは、「自分はどうしたい、こうありたいという自分の考えのもと行動すること」です。

自分軸を持つ人は、自分がこうしたいという考えのもと行動するため、周りの評価や顔色を気にしません。そのため、自分軸を持っていると自分らしく生きられるようになり、周囲からは自信のある魅力的な人にうつることが多いんですね。

一方で他人軸とは、「自分の考えよりも他人の考えを優先して行動すること」です。他人軸で生きる人は、その場の雰囲気や環境に影響されることが多くて、自分らしさを失ってしまうことがあります。周りの目とか考えを気にしすぎて不安に感じたり、自分に自信が持てなくなってしまう人もいるかもしれません。

自分軸と相手目線のバランス

周囲を巻き込む力を持つには、自分軸と相手目線との絶妙なバランスだ、と私は考えています。

ここに到達したい、自分の在り方はこう、というぶれない軸があるからこそ、他人軸に傾いてしまうのではなくて相手目線でも物事を見ることができて、高い視座で判断をすることができる、という状態です。

他人の評価ばかり気にしたり自分の意見が持てていない人、つまり他人軸で生きている人には、周りを巻き込むことはできません。自分軸をしっかりもった上で相手目線で観察し、高い視座を持てるからこそ、周りを巻き込んでいけると思うんです。

周りを巻き込む力を高める方法とブレイクスルー・メソッド(R)との共通点

では周りを巻き込む力を高めるためにはどうしたらいいんでしょうか。

まず、あなた自身が仕事に対して本気で向き合い、目標達成ために率先して動いている、ということが大前提です。

自分がやるべき仕事に対して、

  • 仕事の目的は何か?
  • 目的を達成するとどんな未来予想図が描けるのか
  • そのためには何をするべきなのか?
  • なぜ自分なのか
  • 巻き込まれる側の人たちにとってのベネフィットはなにか

などを考え、日々の行動へと落とし込んでいく必要があります。

これを聞いてピンと来た方がいらっしゃるかもしれません。そうです、ブレイクスルーメソッドのスピーチ構成術と実はほとんど同じなんです。

スピーチの目的は何なのか、聞き手は誰で彼らへのベネフィットは何か、聞き手にどうなって欲しいのか、なぜ自分なのか…スピーチ構成の前に必ず考える戦略設計の部分です。

そして、巻き込まれる相手の立場にも立って物事を見ることができること。聞き手視点、ですね。

更に言うならば、巻き込む力を持つには、自分自身の不得意なところや欠点、失敗談、などもさらけ出すことも大切で、これもスピーチの中のストーリー作り四つのFにも言えることです。それは、人間は他人の成功談や強みよりも、失敗談や弱みなどを知ることで愛着や人間味を感じ、信頼関係の種になっていくからなんですね。

つまり、ブレイクスルーメソッドで教えているスピーチ構築のステップは、まさに周りを巻き込む力を高めるステップと同じなんです。

私は常々、スピーチ構築は、自分自身の成長につながるものだ、とお話しています。

それは今お話ししたように、自分自身の内省も行いながら聞き手視点での目線も持ち、周囲を巻き込んでいく力を構築していく、ことに通ずるからなんですね。周囲を巻き込んでいく力が備わっていくと、自己効力感にもつながっていきます。

自己効力感とは、「自分にはきっとできる!と信じられる力」のことです。自己効力感は、過去の達成経験によって育まれていきます。皆さんも、過去の体験を頼りに、「やったことがないけど、きっとできる」と思ったことがあるのではないでしょうか?そんな達成経験は、挑戦の結果として生まれてきます。

挑戦といっても、日常の小さな挑戦の積み重ねでいいんです。もちろん、挑戦したことの全てが達成(成功)に繋がるとは限りません。分野や得意不得意などによっては、成功よりも、失敗が多いことも珍しくないでしょう。でもそこで、成功体験だけでなく、失敗した挑戦や投げ出した挑戦についても、価値を見出すことが大切です。「失敗」や「投げ出した」ことには内省を行いつつ、「挑戦した」こと自体を評価してみてください。適切に自分を評価することが、自己効力感を高めることにも繋がります。

そして、失敗談や、投げ出した挑戦は、すべて、素晴らしいストーリーの種です。その種を大切にストーリーとして花を咲かせてあげると、きっと、あなたのスピーチには、周りを巻き込む力が備わっていきます。

周りを巻き込むことのできるリーダーに必要な最大の資質

リーダーに求められる資質はなんですか、という問いかけに対して、多くの人が答えるのは、戦略性、危機管理能力、コミュニケーション力、或いは、前回お話した巻き込む力、などを挙げる方が多いと思います。一方で、なかなか聞かないのは、「内省」です。でも私は内省こそが、リーダーに必要な資質だと考えています。実はこれは私が言い始めたことでもなんでもなくて、春秋時代の中国の思想家である孔子はその昔、「人が英知を得る手段の中で、内省こそが最も高貴な方法である」と言っています。更に現代の人でいうなら、メディア界きっての大物で、リベラル系ニュースサイト『ハフィントン・ポスト』の創設者のアリアナ・ハフィントン氏も、「内省(リフレクション)は、各々が持つ知恵と創造性を結び付ける」と語り、莫大な資産を持つ投資家のレイ・ダリオ氏もまた、自らの苦境を顧みたことが、世界最大のヘッジファンド、ブリッジウオーターを創業する助けになった、と言っています。

「自分自身を深く見つめ、変えることができる人は、有効なリーダーシップを発揮することができ、周りを巻き込み、影響を与えることができる」ということです。この自分を深く見つめ自分自身に変化を生み出すことが、「内省」と呼ばれるプロセスなんですが、簡単に一言で言えば、内省とは「自分が自分を認識する」ということです。

このような認識を学術的には「メタ認知」と呼ぶそうなんですね。メタ認知ができるのは、脳が発達した人間の特徴と言われています。自分が自分を認識することで、本能的な反応や過去の繰り返しに気づき、それを一旦止め、変化させることが可能になるのです。でも一言に自分と言っても、その自分はさまざまな経験や、他人や社会との関わりの中でできあがったもので、自分と外の世界を決して切り離して捉えることはできませんから、ここで言っている「自分」とは、自分が認識している世界観・人間観の全てのことを指しています。

つまり、自分が成長の過程の中で構築してきた世界観・人間観を見つめ直し、再構築する行為が内省であるというわけです。

フィードバックとフィードフォワード

そして、スピーチの中のストーリー構築こそが、まさにその行為にあたるもの、と私は考えています。

自分の経験を振り返り、心の中を見つめ、何を思いどう感じ何を学んだのかを、改めて客観的に熟考する、つまり、内省、をすることで、自分にしか語れないストーリーが浮かび上がってきます。

内省と似ている言葉に、反省、がありますが、反省とは過去に起こった自分の間違いを振り返る、いわばネガティブ視点を起点とするフィードバックですが、内省とは、自分自身と向き合い、自分の考えや言動を振り返り気づきを得ることで今後につなげる、いわばポジティブ視点のフィードフォワードです。

内省で豊かになるあなたのストーリー:4つのプロセス

そんなフィードフォーワードな内省を行い、自分だけのストーリーに繋げるプロセスは次の4つです。

一つ目は、内省する対象を見つける。

そもそも内省する時は出来事やその際の感情を基に行うことと思います。そこでやっていただきたいのが、出来事や感情が動かされた事をメモすることです。例えば、日々の生活で、今日、新しいカフェを見つけて入ったら隣の人のケーキが美味しそうだったので話しかけたら意気投合した、というような時に「カフェで隣の人とケーキネタで意気投合 楽しい」とメモしてみましょう。日々の生活での感情の上がり下がりや、逆に周りが盛り上がっているけど自分の感情は揺れ動かない時などをメモして自分の内省対象をストックしていくのは大切なことです。

二つ目は、内省する対象を深く客観的に見つめる

1のプロセスで内省する対象が見つかったとします。この次に行うのが内省する対象を深める作業で、なぜの深堀りをしていきましょう。例えばある出来事について自分には何かが足りないと自信がなくなったとします。ではその感情になったのは何故なのか?他に似たような出来事があったか?また、その時に自分はどう感じたか?同じ感情だったか、違うのか?違うならそれは何故か?このように一つの対象に対してあらゆる方向から深掘りを行っていくことで、他の似たような経験との繋がりが見え、より質の高い内省となっていきます。

三つめは、大切にしたい価値観を明確にし、周りの人にどんな学びを与えられるか考える

こうして深掘りを進めていくと、なんとなく自分の中で大切にしている価値観ってこれかな?というのが出てきます。そして、その価値観を大切にしている理由が原体験などのエピソードを含めて話せるようになれていればかなり明確になってきたと言えます。その価値観を、自分の中だけで完結させずに、今度は周囲を巻き込んでいくためには、その価値観をどんなワンビッグメッセージとして相手に伝えられるのか、考えてみます。

そして四つ目は、それをストーリーに落とし込み、語る。

このブレイクスルーのコースの中でも、ストーリーの作り方6つのCなどを学びました。それに基づき、伝えたいワンビッグメッセージをストーリーに乗せて語ってみましょう。

さて、いかがだったでしょうか。内省というのは長い時間をかけてじっくりやっていくものなので、内省に慣れていないと何から手をつければ良いのかわからず、気が引けてしまうかと思います。でも普段から少しずつ積み重ねて行けば、内省が習慣になってきて、気が付いたら自分軸が明確で、自己効力感を持ち、周りを巻き込む力を発揮できるリーダーになっていることと思います。

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