スピーチを学ぶとなぜ自己効力感が高まるのか。

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

私はJGこと、女子学院中学・高等学校に6年間通ったのですが、JG生といえば、「自由」「活発」というイメージがまず最初に結びつきます。

プロテスタントの学校だったので、聖書の授業があったのですが、中学一年生の一番最初の聖書の授業を今でも鮮明に覚えています。

内容は宗教の話などでは全くなく、聖書の先生は、クラスにこんな問いを投げかけました。

「自由ってどういうことだと思う?」

自由と言うのは、好き勝手にやりたいことをやりたいようにやりたいときにやる、ということのように感じるが、その裏には「自己責任」という大きな重荷も必ずついてくるのだ。その上で、自分には世界を変える力と可能性があるのだから、しっかりと責任を受け止めて、どんどん「自由」にやりなさい。

そんな内容の授業でした。なんて素敵な学校に入学したんだろう、と思いました。

今思うと、自己効力感を高めてくれる環境にいたのだな、とありがたく感じています。

実際、私の中学・高校時代の友人たちは自己効力感の高い人たちが多く、世界各地に羽ばたいて、各種業界の第一線で活躍している人たちが沢山います。

その中の一人、ずっと仲の良かったクラスメイトで、現在、世界155カ国にネットワークを持つ世界最大級のプロフェッショナルサービスファームであるPwCにおいて戦略コンサルティングを担う「Strategy&」でパートナーとしてリーダーの立場にいる唐木明子さん。彼女が最近インタビューされた日経XWomenの記事でもこんな風に語っています:

日経xwoman

世界中にネットワークを持つPwCで、戦略コンサルティングを担う「Strategy&」に所属する唐木明子さん。女性リーダー…

自己効力感とは

自己効力感とは英語ではSelf-Efficacy(セルフ・エフィカシー)と言われ、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した、人が行動するか否かを決定するための重要な要因の一つです。人が行動や成果を求められる状況下において、自身に遂行する能力、成果を出す能力があると認識できるかどうか、ということです。自己可能感、と言われることもあるようです。

自己肯定感の一歩先にある自己効力感

「自己肯定感(セルフエスティーム)」は、長い時間をかけて多くの複雑な要因がからみあい、育った環境や人生経験と作用しあって形成されるもので、日本セルフえスティーム普及協会によると、自己肯定感は次のように定義されています:

自己肯定感とは、自分の存在そのものを認める感覚であり、「ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的、好意的に受け止めることができる感覚」のことで、「自分が自分をどう思うか」という自己認識が自己肯定感を決定づけています。さらに、そのままの自分を認め受け入れ、自分を尊重し、自己価値を感じて自らの全存在を肯定する「自己肯定感」の感覚は、何ができるか、何を持っているか、人と比べて優れているかどうかで自分を評価するのではなく、そのままの自分を認める感覚であり、「自分は大切な存在だ」「自分はかけがえのない存在」だと思える心の状態です。

一方、自己効力感とは、色々な定義がありますが、グロービスの定義を引用すると、次の通りです:

自己効力感とは、目標を達成するための能力を自らが持っていると認識することを指します。
簡単にいえば、「自分ならできる」「きっとうまくいく」と思える認知状態のことです。

どちらも仕事のパフォーマンスや人生の満足度を上げるうえで重要な概念ですが、自己肯定感は、「無条件に自分には価値があると認めることができる”感情”」であり、その感情がベースとなって、「目標を達成する際に、自分ならできる、きっとうまくいく、と信じることができる”認知”」ができる自己効力感につながっていくのだろう、と考えられます。

自己効力感が高いとどういう自分になれるのか

自己効力感が高いと、目標を達成する可能性が高まり、成果もあげやすくなるでしょう。そして、実際に目標が達成できると、さらに自己効力感が高まる好循環サイクルが生まれ、モチベーションの持続につながっていきます。また、失敗から学び、次に生かそうとする力も高いため、次はこういう行動をすればうまくいくだろうと考えたり、この学びを自分自身のものとしてだけではなく、チームや周囲の人たちにも学びとして共有できないか、と考えるようになり、周りへの影響力も高まっていきます。

周りへの影響力を高める。

正にこれこそが、スピーチを通して実現できることです。

スピーチを学ぶと自己効力感が高まる

スピーチによって相手を動かす、ということは、相手から共感を得ないとなしえないことです。そしてそれは、自分にしか語れないストーリーを語ることで、相手の頭と心に響くスピーチができるようになります。しかしストーリーテリングの重要さは、相手を動かすのみに留まりません。自分にとって非常に有益なのです。 なぜなら「内省」という重要なプロセスを経るからです。

世界のトップリーダーを含め、自己効力感が高い人たちは、みな、「内省」をしています。自分の経験を振り返り、心のなかを見つめ、何を思いどう感じ何を学んだのか。それをあらためて客観的に熟考することを繰り返すということです。自分にしか語れないストーリーを掘り起こすプロセスはまさにこの、内省プロセスそのものです。

内省、と似ているコンセプトに、反省、がありますが、反省とは過去に起こった自分の間違いを振り返る、いわばネガティブ視点を起点とするフィードバック(Feed back)です。

一方、内省とは、自分自身と向き合い、自分の考えや言動を振り返り、気づきを得ることで今後につなげる、ポジティブな視点のフィードフォワード(Feed-Forward)といえます。

 

世界で活躍する日本人も同様です。

たとえばイチロー選手は、

「自分はいま、ここにいる。でも自分の斜め上にはもうひとりの自分がいて、その目で自分がしっかりと地に足がついているかどうか、ちゃんと見ていなければならない」

と語っています。

イチロー選手はスランプに陥って自分を見失ったとき、客観的に自分を見ることの必要性を感じ、このコメントのように自分自身の振る舞いをもう一人の自分が冷静に見つめるべく心がけるようになったといいます。自分を客観視することで自分を取り巻く状況を把握することができれば、たとえ順境であっても逆境であっても冷静に判断することができるでしょう。

内省的思考は、みずからの内にある信念や思い込みを把握し、またそれらがどのようにしてみずからの決定に影響を与えるか、問題解決において機能するか、行動の要因となるかについて理解する手立てとなるものです。

多くの人が生涯に職場で過ごす時間は、7万から10万時間に及ぶと言われています。それだけ過ごす職場で成長することで、人生そのものも、さらに豊かになるはずです。

内省ができる人は自己効力感も高く、世界のトップリーダーはみんな内省しています。

そして内省から生まれたストーリーは、「憧れのリーダーのまね」ではなく、あなたらしさを確立したリーダーとして、周りの人を引きつけてやまないはずです。

まずは実際にはじめてみよう

自己効力感はやはり実際に打席に立って、やってみないと得られないものです。

ブレイクスルー・スピーキングでは、これまで、数々の輝く自分になるサポートをしてきました:

 

>「ブレイクスルースピーキング各種コース」

「ブレイクスルースピーキング各種コース」

文化や言葉の壁を越えてグローバルに活躍したい、すべての日本人のために。

CTR IMG