日本人が陥りがちなダメな英語スピーチのパターン

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

日本人が陥りがちなダメな英語スピーチのパターン

正解?不正解?英語スピーチのやり方5つ

さて、クイズです。

外国人、特にアメリカ人を相手にスピーチする際に以下の5つのやり方は正しいでしょうか、間違いでしょうか?
みなさんが外国人にスピーチしている場面を想像しながら考えてみてください。

(1)礼儀は万国共通。オープニングでまず主催者へお礼を述べる
(2)外国人に見劣りしないよう、ボディーランゲージは大げさにする
(3)つかみが大事。無言でスピーチを始めればインパクトが大きい
(4)自己主張の強いアメリカ文化では、存分にアピールする
(5)たくさんの質問に備えてQ&Aを最後に持ってくる構成が良い

回答と解説

(1)礼儀は万国共通。オープニングでまず主催者へお礼を述べる

これは不正解です。

聴衆は、30秒であなたの話を聞きたいかどうか判断する

聴衆は、最初の7秒であなたの印象を決めて、30秒であなたの話を聞きたいかどうか判断します。

主催者や協賛社の名前を並べ立ててお礼を述べては、聴衆は最初から眠気に襲われてしまいます。
礼儀正しいつもりが、聴衆に対して「非礼」になってしまうのです。

(2)外国人に見劣りしないよう、ボディーランゲージは大げさにする

これもまた不正解です。

メッセージを第一に考え、意味のあるボディランゲージを

不必要なボディーランゲージは、スピーチの妨げになるだけでなく、動きのほうに目が行ってしまって、伝えたいメッセージが伝わらなくなってしまいます。

メッセージを第一に考え、意味のある動きに絞り込んでいきましょう。
伝えたいストーリーやシーンに合わせ、目線、動線を芝居の演出のように緻密に組み立てていくのです。

(3)つかみが大事。無言でスピーチを始めればインパクトが大きい

これは正解です。

オープニングでのインパクトは、「当たり前」を破ることで生まれる

女優の毬谷友子さんの一人芝居、「弥々」をご覧になったことがある読者の方はいらっしゃるでしょうか。

幕が開くと、毬谷さん演じる主人公が、無言で観客に背を向け、一心不乱に筆で文字を書き続けるシーンではじまります。観客席は静まり返り、主人公に目が釘付けになります。

そして主人公の最初のセリフは何だろう?いまか、いまか!と期待感がどんどん高まっていきます。
筆者がこのお芝居を見たのは恐らく10年以上前、たった1度でしたが、それでもいまだにこの冒頭シーンは強烈に印象に残っています。

この手法は、スピーチでも使えるのです。

「ブレイクスルー・スピーキングTM」で提唱している、インパクトあるオープニングには7つの手法がありますが、その一つが、実は「無言で始める」です。

パブリックスピーキングの上級者の技ではありますが、通常、スピーカーが司会者から紹介され、壇上に上がると、すぐに話を始めるものです。
スピーチをするために壇上に上がるのですから当然のことですよね。

しかしその期待を裏切り、数秒間無言で会場を見渡したらどうでしょう。
会場は一瞬のうちに静まりかえり、彼らの視線はスピーカーに集中するはずです。そして、スピーカーがこれから何をするのか、期待感と緊張感が高まることでしょう。

そうなったら会場全体が、スピーカーのコントロール下に入ったと同然。効果抜群です。
オープニングでのインパクトは、聴衆の期待や「当たり前」を破ることで生まれるのです。

(4)自己主張の強いアメリカ文化では、存分にアピールする

これは不正解です。

「オレオレ」スピーカーにならないよう、「聞き手視点」になる

あなたの成功話ばかりでは聴衆は引いてしまいます。

アメリカ人は特に自己主張が強いといわれますが、だからこそ、聴衆は、あなたのスピーチが「自分にとってどんなメリットがあるのか」…と考えながら聞いています。

ですから、もしあなたが、いかに自分自身や自分の商品、サービスが素晴らしいかにフォーカスしてスピーチするとしたら、単なる「オレオレ」スピーカーです。

あなたの商品・サービスによって聴衆がどうなるのか、自分の体験がどう彼らに生かされるのか。

「聞き手視点」になってスピーチをすることが大切です。

(5)たくさんの質問に備えてQ&Aを最後に持ってくる構成が良い

この最後も不正解です。

Q&Aを扱うタイミングとは

筆者が経験した99%のプレゼンテーションは、Q&Aで終了します。
特に外国人は質問が多いですから、スピーチの途中で質問されては構成が崩れてしまう…とお思いでしょう。

確かにそうなのですが、考えてみて下さい。

あなたは聞き手に大切なメッセージを届けるためにスピーチをしています。
そしてそのメッセージが、彼らが会場を後にしたあとも、翌日も、1カ月後も、数年後も、彼らの心に強く残るならば、あなたのスピーチは大成功です。

でもQ&Aで終えてしまったらどうでしょう。
他人の余計なコメントや的外れな質問が、聴衆の心に残ったままあなたのスピーチが終わってしまいます。

ではどのタイミングで、どのようにQ&Aを扱えばよいのでしょう?
そしてどのようにスピーチを締めれば良いのでしょうか?

ブレイクスルー・メソッドTM コラムの「どこか」の時点で明かしていきますのでお楽しみに!。

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