ワンビッグメッセージとは?

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

著書の「20字に削ぎ落とせ~ワンビッグメッセージで相手を動かす」をはじめ、こちらのメディアでも常に、「ワンビッグメッセージ」の大切さをお話してきています。

今回は、そもそもワンビッグメッセージって何?という方のために、ワンビッグメッセージに絞り込んで(!)お話したいと思います。

たった一つの大事なメッセージを伝えることの大切さ

どんなスピーチでもプレゼンでも、この一点が聞き手に伝わって欲しいというメッセージがあるものです。

その「たったひとつの大事なメッセージ」のことを、ブレイクスルーメソッドでは、ワンビッグメッセージと呼んでいます。

言いたいことをたったひとつのワンビッグメッセージに絞りこむことで、格段に相手に伝わりやすくなるのです。

しかも大事なのは、ワンビッグメッセージを「20字で語る」ことで、より明確に、意図したとおりに伝わるのです。

メッセージは相手に解釈の余地を与えてしまうと誤解の元になります。ですから、長い言葉で語りつくそうとすればするほど、解釈の余地は広がってしまいます。それを避けて、明確なメッセージを相手の記憶にしっかり焼きつけるためには、違う解釈のしようがないくらいにまで削ぎ落した短いフレーズで伝えることが大切になってきます。

だいたい人間は15字から20字程度のフレーズが覚えやすいといわれています。たとえばコマーシャルのキャッチコピーが、その良い例かと思います。

例えば私がぱっと思い浮かべるなら、こんなキャッチコピーが思い浮かびます。

「やめられない、とまらない、かっぱえびせん」(18文字)

「インテル、入ってる」(8文字)

「セブンイレブンいい気分」(11文字)

ちょっと古いでしょうか?!(笑)。こんな誰でも聞いたことがあるテレビコマーシャルのキャッチコピーは、そのほとんどが20文字以下で語られています。短いからこそパワフルで、さらに言葉のリズム感も良くなり、記憶に焼きつきやすいのです。

正確に詳細を伝えることの逆効果

でももし、かっぱえびせんのコマーシャルで、こんな風に言いたいことを詰め込んだらどうでしょうか。

「このえびせんは、小麦粉、塩などを混ぜた生地に、天然のエビを数種類混ぜ、頭から尻尾まで殻もいれて作っているために、独特の風味が楽しめます。また揚げずに、炒ることによって生地がふくらみ、サクサクとした歯触りがして、そこが魅力になっています」

きっと、このえびせんの開発者はこのように、たくさんのこだわりポイントを、詳細まで、正確に、説明したかったことでしょう。でもこんなふうに詳細に正確に説明されると、聞き手によって、「どの種類のエビなんだろう?」、「殻も入ってるんだ!のどにひかからないのかな」、「炒ると膨らむんだ。じゃあ今度ドーナツを炒ってみたらふわっとするのかな」...どんどんいろんな方向に想像が膨らんでしまいます。

ですから、たとえそれが正しい説明だったとしても、多くを伝えようとすればするほど、短いコマーシャルの時間では頭に焼きつかないし、覚えられすらしないのです。こんな繊細なつくり方をしているからこそ、とにかく、食べる手が止まらなくなるほど美味しい。そんな思いが、「やめられない、とまらない、かっぱえびせん」の18文字に凝縮されています。

もちろん、ワンビッグメッセージは厳密に20字でなくても1字か2字くらいの誤差は構いませんが、もし30字や40字になってしまったら、長すぎて情報を詰めこみすぎなのです。

「20字」を規準として考え、いらないものを削ぎ落としていくと、本当に伝えるべき大切なことだけが残るはずです。

ついあれもこれもいれたいと欲張って、メッセージが複数になってしまったら、聞き手は混乱してしまいます。

ちなみに英語の場合は、「10ワード」が基準です。

なにが一番伝えたいことなのか考えぬき、そのたったひとつのメッセージが聞き手に伝わるために必要な情報だけを探し当て、余計な情報はすべて削ぎ落す。プレゼンとスピーチづくりはまさに情報の整理術であり、いかに最重要な情報のみへと整理するかにかかっています。

起承転結では相手を動かせない!

次に、スピーチの構成です。

一般的には、スピーチの構成は、起承転結、または、オープニング(導入)、ボディ(本論)、そしてクロージング(締め)という構成が基本、とされています。ですが、相手の心と頭を動かすスピーチであなたがブレイクスルーするには、じつはこれだけでは不充分なのです。スティーブ・ジョブズにしろ、オバマ元大統領にしろ、世界の優れたスピーカーたちは、じつをいうと3段階には留まらず、もっと細かく構成を作りこんでいるのです。

相手の頭と心を動かすためには、情報を戦略的に細かく仕込んでいかなくてはなりませんが、そのすべての情報が「点」ではなく「線」として流れるようにつながっていなくてはなりません。

それを可能にするのが、ブレイクスルーメソッドが提唱する「9段階構造」です。

9段階構造の詳しい内容は、著書の「20字に削ぎ落とせ」、あるいは、テーマ別の動画コンテンツ、「動画でブレイクスルー:世界標準プレゼン構成3つのステップ STEP1」、「動画でブレイクスルー:世界標準プレゼン構成3つのステップ STEP2」、「動画でブレイクスルー:世界標準プレゼン構成3つのステップ STEP3」をご参照ください。

全てはワンビッグメッセージに向かっていく

ここでは、大事なポイント1つに絞り込んでお伝えします(この動画のワンビッグメッセージですね!)。

それは、

「すべてはワンビッグメッセージに向かっている」

ということです。

つまり、オープニングからクロージングに至るまで、この9段階はワンビッグメッセージを伝えるために存在します。

まずオープニングでワンビッグメッセージのヒントになる導入で聞き手を引き付けて、つぎに本論の部分では、メインポイントを述べてワンビッグメッセージをささえ、クロージングでは再度ワンビッグメッセージを焼き付けます。

メインポイントでワンビッグメッセージを支える

ここで、メインポイントというのは、「ワンビッグメッセージ」を支える根拠、理由、背景などのことです。

たとえばあなたのワンビッグメッセージが「毎日スクワットをするだけで体が変わる」(18字)だとしましょう。

それを支える根拠として、次のようなメインポイントが考えられるかもしれませんね。

一つ目のメインポイント:「大きな筋肉である太ももを鍛えると、基礎代謝があがる」

二つ目のメインポイント:「脊筋を鍛えると、姿勢がよくなる」

三つ目のメインポイント:「お尻の筋肉を鍛えると、ヒップアップになる」

だから「毎日スクワットをするだけで体が変わる」というメッセージに結びつくわけです。

このようにワンビッグメッセージに導く根拠をメインポイントと呼びます。

そして、メインポイントは3つ挙げるのが目安です。これは「3のマジック」とも言われるもので、人は1つか2つの根拠だとなんとなく説得力が足らないと感じ、4つ以上挙げられると今度は情報過多になってしまって覚えられない、だから3つくらいが適切だ、とされています。

プレゼン全体を通して、この9段階構造に基づき、ワンビッグメッセージが横串となって一貫したメッセージが伝わる。だからこそ、相手が動くプレゼンに仕上がっていくのです。

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