【全3回シリーズ:スピーチ、プレゼンはマーケティング戦略と同じプロセス】第3回-筆者の実体験、そして「役立ったこと」

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

筆者の実体験

例えば筆者が、イリノイ州で保険会社のカスタマーサービス部門のスタッフを対象にワークショップを行ったときのことです。

聞き手は、―約8割が、生粋の白人アメリカ人。
残り2割が、日本人を含むアジア人。

私は純粋な日本人で、保険といっても、自分の保険はたまの健康診断くらいでしか使わず、あえてつながりがあるとするならば、歯医者の主人のデンタルオフィスで、だいぶ昔に週末に受付を手伝っていた時に扱ったことがある程度。

私はどうやって聞き手と心のつながりを作ればよいのだろう、と散々悩みました。

主催者側からは、彼らの肩書き程度しかいただけず、彼らを深く理解できるような資料はありませんでした。

共通の基盤を持つために役立った「徹底的なリサーチ」

このワークショップの準備のために、私が実践してみて役に立ったのは次のことでした。

まず聞き手の調査段階で、保険業界についての資料や記事をウェブで読みあさり、とくにその会社のニュースや評判などを探しました。
また、主人のデンタルオフィスでもその保険を扱っていたので、保険の使い勝手やカスタマーサービスの対応などを中心に、意見を聞きました。

更に、ワークショップ参加の約半数の人に対し、事前に電話での聞き込み調査を行い、一対一で話す機会を得ました。

こうしたリサーチは彼らの課題や問題意識、本音を理解する上でとても役に立ちました。

そして私が彼らに対して提供するのに適切なツールや事例などを準備することができ、共通の基盤を持つことができたのです。
更にこのリサーチのおかげで、ワークショップ開催前から互いに親近感が沸き、心がつながった、と感じられたのです。

このようにして、まず、「マーケティング調査分析」をじっくり行ってみましょう。

共通の基盤を見つけたら考える、次のステップ

自分と相手との共通の基盤が見つかったら、それをどうやって言語化するのか?と考えるのが、次のステップです。

メッセージの言語化プロセスでは、ロジカルシンキングのアプローチを使うことで、より明確で「伝わる」精度の高いスピーチに仕上がっていきます。

今後の解説をお楽しみに。

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