”信元夏代のスピーチ術” 編集長、プロフェッショナルスピーカーの 信元です。
聞き手が共感する「4つのF」
「4つのF」とは
筆者が日本人として唯一認定を受けているワールドクラススピーキングコーチの仲間でもあり、今年の8月にラスベガスで開催された国際スピーチコンテスト世界決勝で見事3位に入賞したマノジ・ヴァスデヴァンも、決勝スピーチをこんなストーリーで始めています。
「I was 24 years old living in India. I had a nice job. Nice car. Nice…hair..!. Still no girlfriend. Every relationship started with great expectation and ended with great depression. Have you had problems in your relationship? How did you fix it?」
いきなりストーリーで始まったこのスピーチは、冒頭から聞き手の心を鷲掴みにし、その後続くストーリーの中に観衆を一気に引き込んでいました。
ここでストーリーを考える際のコツをひとつお伝えしましょう。それは4つのFです。
- Failures(失敗)
- Flaws(欠点)
- Frustrations(落胆、イライラなど)
- Firsts(初めての体験)
聞き手が共感するのは「失敗」や「苦労」
人は、他人の成功話よりも、失敗話や苦労話に共感するものです。
壇上でスピーチをするというだけで、なんだか自分とは違う「すごい存在」だから、話には感化されるけれども所詮は他人ごとだろう。
…と感じてしまいます。
しかし自分の失敗談や欠点がもたらした出来事、落胆したこと、あるいは初めて何かを体験したときのこと…などを赤裸々に話すことで、「ああ、自分と同じじゃないか!」と共感することが出来るのです。
「パーソナルストーリーを語ろう」というと「全くもって平凡な自分の人生にそんな感動的なストーリーなんてない」…と頭によぎってしまうかもしれません。
しかし、4つのFなら、平凡な毎日の中にも沢山ストーリーの種が転がっていると思いませんか?
たとえば、朝の通勤時、ラッシュアワーの混雑した電車につぶされそうになる「平凡」で「つまらない」毎日。。。
しかしそんな満員電車のFrustrationをネタに、なんとか人を掻き分け下車したときちょっとした開放感を感じるなら、「自分自身の可能性をおしつぶさずに、ドアを開けて開放してみよう」というメッセージにつながるストーリーをつむぎだせるかもしれません。
このように、どんなに平凡、退屈に思える日々の中からでも、必ず何らかのストーリーは見つかるものです。
あなたにしか語れないストーリーを是非発掘してみませんか?
次のシリーズでは、情報をストーリーに、そしてドラマに仕立て上げるための「9つのC」についてお話します。
■さらに詳しく:ユーモアをスピーチにどう活かすかについての記事はこちら:
ユーモアあるストーリーをつくるのは、明確なターゲット設定、隠れた敵意、リアリズム、感情、誇張、驚きである。これらの要素を駆使してユーモアをスピーチに取り入れ、話のポイントが浮き彫りになれば、あなたの話の内容は聞き手の心にいつまでも深い印象となって残るだろう。
あがり症の人は必読
あがり症を克服するには、心理面と技術面でのアプローチが重要だ。心理面では、イメージトレーニングで自分の思い込みを取り除き、スピーチに対する新しいセルフイメージを構築しよう。技術面では、スピーチの準備に時間をかけたり、構成を工夫したり、当日のとっさの対策をトレーニングすることで、必ず克服できる。
🔸スピーチ教室の選び方
スピーチ学習は、あなたの人生や仕事の質を劇的に変えるものなので、ここに思い切って自己投資することは大いに意味があることだ。どのスピーチ講座が自分にぴったりなのかを選ぶためにはは、自分のニーズ・目的・価値観をクリアにした上で、比較検討し、自分のレベルに合わせたものを選ぶのが賢明なやり方だ
■ブレイクスルーメソッドについて深く詳しく学ぶならこちら:
日本人に欠けているものを補うのがブレイクスルーメソッドだ。スピーチをするに当たって、受講者がそれまで考えたこともなかったような視点、やるべきことが多く学べる。「相手の心に響くにはどうすべきか」について、失敗を繰り返し経験した講師たちが懇切丁寧に教えてくれ、自分だけでは気づけない気づきを与えてくれる