コロナの影響でオンライン会議が増えた。オンラインでは、対面ほど、非言語コミュニケーション(顔の表情、声の抑揚、ジェスチャーなど)による微妙な雰囲気が伝わりにくく、さらに、相槌なども分かりにくく、相手の反応が読みにくいので、対面の時よりも話しにくい。ゆえに、より分かりやすく話さないと誤解が生まれやすい。また、同時に話せないので、自分の番がきた時に、効率よく話す必要もある。だから、スピーチ上達の必要性が、今、生まれてきている。
では、もしあなたがスピーチを磨こうと思った場合、どのような行動を起こすだろうか。まずは本を手に取る? YouTubeで学ぶ? スピーチ講座に通う?
今回は、スピーチ講座を受けるメリット・デメリット、スピーチ講座はどんな内容で、どんな人が受講に向いているか、その効果などについて、弊社「ブレークスルー・メソッド」の現役講師が、率直にお答えしたいと思う。スピーチ・プレゼンを向上させたいとは思うが、どうしようか迷っている人たち、何をしていいか分からない人たちに、ぜひ参考にしていただけたらと願う。
独学とスピーチ教室どちらがいい?
スピーチ・プレゼン、話し方を学ぶ3つの方法
プレゼンや話し方を学ぶ方法としては、現代では以下3つの方法が思い当たるのではないだろうか。
- 本(書籍)を読む
- Youtubeを見る
- スピーチ講座(対面、オンライン小グループ、マンツーマン)を受講する
特に、Youtubeは、現代では検索機能として使われるほど市民権を得ており、調べられないコンテンツはないのでは?というくらいコンテンツが充実している。
それぞれのメリットデメリット
この中のどれで学んでいくのが効率的か。各々の状況にもよると思うが、独学の代表格である「本・YOUTUBE」について、次に「スピーチ講座」について、それぞれのメリット、デメリットをリストアップしてみよう。
①本(書籍)を読む
まずは、本を読んで学ぶメリットとデメリット。
メリット:
- 手軽に情報が得られる。
- コストもあまりかからない。
- 違った視点の著書を何冊か買えば、多角的な情報が手に入る。
デメリット:
- スピーチにおける実際の発声の仕方、抑揚の方法などは理解しにくい。
- 情報を集めれば集めるほど、迷ってしまい、どれを実行していいのか、自分に適したものが分かりにくい。
- 実行しないで、わかった気になってしまう場合がある。
- 完全に習得できるかどうかは、本人次第。
解説
やはりなんといっても、書籍は手軽でコストもかからず、いい情報が手に入るのがメリットだ。様々な著者が出版しているので、それらを読むことで多角的な情報が手に入る。何かを本格的に勉強したい、と思ったとき、講座受講を視野に入れていたとしても、まずは導入として書籍を1冊手に取るのではないだろうか。
一方、独学に共通したことだが、本を読んで習得できるかは、本人次第だ。更に、特にスピーチの場合、声に出す、という行為が伴う為、発声や抑揚などは書籍で読むだけでは理解しずらく、この部分はどうしても書籍だけではカバーしきれない、といえる。
②YouTube を見る
次に、Youtubeのメリットとデメリット。
メリット:
- 手軽に情報が得られる。
- コストもあまりかからない。
- 実際のスピーチの様子や、抑揚やジェスチャーなど、ネットや本だけではわかりにくいことが理解できる。
デメリット:
- たくさんのYouTuberを見すぎると、様々なアプローチが紹介されていて、どれが自分に合うのか分からなくなってしまう。
- 録画の場合は、講師からの一方的な情報で終わりがち。
- 講師とのコミュニケーションはできるが、即答されない場合がほとんど。
- ライブ配信でも講師は全部をフォローしきれない。
- 実際に自分のスピーチを見てもらってのアドバイスは受けられない
解説
書籍同様、手軽、更にほぼ無料でコンテンツ提供されている点は、大きなメリットだ。更に、抑揚なども動画で見れたり、ライブ配信で講師からアドバイスを受けられるのも、書籍より優れているポイントかもしれない。ただ、的確なアドバイスをもらえるか、というと、そこまではフォローしてもらえない可能性が高い。
また、情報を入れすぎて、迷子になってしまう可能性があるのは、書籍と共通したデメリットだ。
何が正しいかの判断基準を教えてくれる人がいないので、1つ1つの動画を自分で見てそれが自分に合っているか判断していかなければならない。情報があふれる現代は、探せばいくらでも情報が出てくる。代わりに、自分に合った情報を見つけるまでに膨大な時間がかかるうえに、結局どうすればいいか分からずに終わる可能性がある。
ただ、なんといっても書籍よりもコストがかからない。ほぼ無料で学べる。とにかくお金をかけずに学びたい人にとって、Youtubeは魅力的だ。
③スピーチ講座(対面、オンライン小グループ、マンツーマン)を受講する
では、最後に講座を受講するメリットとデメリット。
メリット:
- 理論だけでなく、スピーチの実際の様子が体験できる。
- 質問に即答してもらえる。
- 学習したことを実際に使えるようにレベルに合わせて指導を受けられる
- 自分の長所短所を客観的に指摘してもらえる。
- グループ受講の場合は、他の受講生と共に学ぶことや、他の受講生へのフィードバックも気づきにつながる。
- 情報を探す手間を省き、最短距離で必要なことを習得できる。
デメリット:
- コストがかかる。
- 講師や講座の質に習熟度や成長を左右される可能性。
解説
オンライン、対面にかかわらず、講師のいる講座を受講するメリットは、何といっても、理論だけでなく、実際のワークを通してスピーチの体験ができることだろう。また、Youtubeや、書籍と違い、講師が自分のレベルに合わせて指導してくれる他、自分の長所短所を客観的に指摘して貰えたり、疑問をその場で解決できるのも大きなメリットだ。更にグループ受講のメリットもある。自分自身へのフィードバックだけでなく、他の受講生へのフィードバックは、自分自身への大きな気づきにつながる。この辺りは、独学にないメリットだろう。また、Youtubeや書籍を使い、いい情報を探し学んでいく手間を省けるのも、講座受講の魅力だ。
では、デメリット。やはり、そうはいっても書籍やYoutubeより、圧倒的にコストが高い、ということだろう。また、講座や講師の質で、その後の習熟度や成長度が左右される可能性があるのも懸念材料だ。質の高い講座を受講すれば、習熟度も高く、そのテクニックを活かしていけるが、そうでない場合は、色んな講座を手あたり次第に受講することになりかねない。自分にとって費用対効果の高い講座を受講するのが鍵となる。
現在は講師だが、スピーチクラブに加入し長年スピーチを学ぶ立場にあった。その経験から思うのは、スピーチ・プレゼンを学ぶなら、表層的なテクニックではなく、基本的な考え方や論理的な手法など、基礎からしっかり教えてくれる講座、その手法に汎用性がある講座を選択するのが賢明だ。更に、これからは特に、グローバル化に対応した講座を選択した方が良い。グローバル(世界)基準を日本基準に落とし込むのは簡単だが、日本のやり方しか知らずに、世界基準のやり方でスピーチやプレゼン、会議や商談を求められたら、対処できない。私は講師としてスピーチ指導に当たっているが、世界基準を知っているので、国内で働く人の指導も、アメリカやその他の国を股にかけ働く日本人、他の国籍の人材の指導もできる。スピーチだけでなく、グローバル視点で知識やスキルの引き出しを持っておくのは、これからの時代ますます重要になってくるだろう。
ここまでのまとめ
いかがだったろうか。それぞれメリット、デメリットがあるので、目的に合わせて、選ぶ必要があるだろう。
綿密に書かれたスピーチに関する本や、新しい視点を紹介してくれる著書は、深い感銘を与えてくれ、とても参考になる。それに、あたかも自分はもう一人前のスピーカーになったような気にさせてくれる。
しかし、本を読んだだけで本当にスピーチが上達できるかというと、そう簡単な話ではない。もし、そういう人がいるとしたら、もともと才能がある人だろう。実際のところは、独学で、理論を実践に移し、自分のスピーチを向上させられる人は稀である。それは、ことスピーチにおいては、実際にやってみないと分からない部分が多いからだ。
人前で人並みに話せるようになりたい、という目標を達成するには、コストはかかるし、講座選択は重要となるものの、他の受講生から得る気づきも含め、講座に通うのが習熟度が高く、一番効果的だと思われる。
この解説を聞くと、『私が講師だからそう言うのでは?』と思うかもしれないが、これは、スピーチに限らず、「学ぶ」「習得する」ということ全般に共通することと言える。
独学と講座受講の違い
「本を読んで独学するのと講座を受けるのでは、どう違うのか」とご質問いただくことがある。一番の違いは、ゴールにたどりつくまでの実践プロセスだ。
もし、サッカーがうまくなりたかったら、それに関するハウツー本を読んだだけでは不十分だ。プロのサッカー選手には必ずプロのコーチがいる。そこがアマチュアと大きく違うところだ。自分のやり方を第三者(経験豊富なコーチ)に客観的に観察してもらい、改善点を指摘してもらい、それを矯正してもらいながら、正しい方法を教わり、自分のペースで、トレーニングを重ねることで上達していく。
スポーツのコーチ役がスピーチ講座のインストラクター
スピーチにも、同じことが当てはまる。プロのサッカー選手にプロのコーチがいるように、スピーチを上達させたかったら、それなりのコーチ役が必要だ。
サッカー同様、スピーチにも、うまくなるためのいろんなテクニックがあるのはご存知だろうか。その「スピーチ向上術がある」ということすら知らない人が案外多いので、本や動画を通してそういう知識を学び、取得するだけでも、知らない人と比べたら、大いに差別化が図れるかもしれない。
しかし、知っているだけで良いのか、というと決してそうではない。例えば、交渉の現場で、本当にそのテクニックを駆使し、実践できるかと言えば、難しい。それなりのトレーニングが必要であり、そのテクニックに慣れ親しみ、自分のものになっていないと、とっさの場合に出てこないし、使えない。いくら知識があっても、実際の場面で使いこなせないと意味がない。実際の場面で使いこなせるようになるためには、第三者(もちろんプロが望ましい)によるアドバイス、トレーニングを受ける必要がある。その第三者が、スピーチ講座の講師というわけだ。
スピーチ講座で実際何が行われるのか
効果的なテクニックを習慣化させる
実際に話す場面になった時、気になるのは、人にはそれぞれ話し方のクセがある、ということ。その「クセがある」こと自体を知らないか、もしくは自覚がない人が多いので、まずは第三者(講師)に観察してもらい(または自分の姿をビデオに撮るなどで)自分自身が認識することが先決だ。そして、改善点を具体的に指摘してもらう必要がある。人は、自分の姿ほど見えにくいものだ。
ただこの時、それを個性として伸ばすか、矯正するかの判断は、また別の問題で、そこには戦略とかスピーチの目的とか、様々な観点から考慮しなくてはならず、そこには経験と知恵が必要だ(ここにプロのスピーチ講師・コーチ役の意義がある)。
聞き手に伝わっているかの確認
また、スピーチとは、相手(聞き手)があって初めて成り立つので、聞き手に正しく自分の意図が伝わっているかどうかも、第三者に確認してもらわなくてはいけない。独りよがりのスピーチは嫌われるし、興味を持ってもらえないし、聞いてもらえない。
そして、なぜ伝わらないのか原因を見つけ出し、改善するアドバイスが必須だ。
この自分のクセというのはなかなか直らないものなので、何回も指摘を受けた上で、継続的にトレーニングを受ける必要も出てくるだろう。
型を習得する
さらに、柔道や剣道、華道などに型があるように、スピーチにも型があることを知って欲しい。型にはめて話すと話しやすいし、聞きやすいし、伝わりやすい。その型を知っているプロから学ばないと、結局、回り道をすることになる。
ちなみに、当ブレイクスルー・ウエビナー基礎コースでは、その型が無理なく学習できるように設計されている。
まとめると、スピーチ講座とはどんな所かというと、
- 正しいスピーチのあり方を学び、スピーチの実際の様子を目の当たりにできる。
- 本来自分が持つ長所短所を客観的に指摘してもらえ、さらにスピーチテクニックが正しく使えているかどうか、自分のレベルに合わせて指導を受けられる
- 効果的なフィードバックを受けながら、継続的にトレーニングを積み、目標を達成する
一言で言うなら、
スピーチ講座とは、「スピーチ理論を学び、効率よく理論を実際の場面に活かすためのトレーニング」
のことだ。
スピーチ講座に向いているのは、どんな人か?
まず、最初に指摘したいのは、スピーチ講座を選んではいけない人だ。それは、受講しても、効果を実感するのが難しい心理状態、もしくは物理的状況下に置かれている人たちだ。もしあなたが、
「スピーチが向上したら嬉しいとは思うが、今のままでも別に不自由を感じないし、急いで学ぶ必要もない」
と感じていたら、スピーチ教室に通うことではなく、独学をおすすめしたい。これと思った本を何回も熟読玩味して、頭の中に刷り込むようにすれば、いつか実践できるようになるだろう。
ちなみに、一言、独学する時の注意点をお伝えしたい。一番の難関ポイントは、「自分のありのままの姿を自分で見ること」であり、それを乗り越えるために「第三者からフィードバックを受ける」ことが最重要課題になる。独学でそれを達成するには、「自分のスピーチを録画する」ことで解決の糸口をつかめる。つまり、自分が第三者になりきれるか? がポイントなのだ。
どういうことかと言うと、大抵の場合、ビデオに映る自分の姿を、恥ずかしくて直視できずに、その時点で投げてしまう。ではなぜ、恥ずかしいと感じるかと言うと、自分が理想としている姿とは程遠いからだ(恥ずかしいと思えば思うほど、自分の理想像がクリアになっているということで、それはそれで素晴らしいことなのに…)。その恥ずかしいと感じた時に、どれだけそこに立ち向かって修正する勇気があるか、が大きな別れ道になる。その勇気があれば、あなたの独学の道は成功へと導かれるだろう。しかし、たとえ自分の醜い姿に直面できたとしても、「どう直すべきか」という正しい基準を知らないと修正できない。その基準が独学の場合、本などからの情報に頼ることになる。つまり、本・YouTube から得た情報を基準として、いかに自己批判し、自己修正できるかが成功の鍵だ。そこがクリアできればよし。もしクリアできなければ、講座を受ける方が近道ということになる。
緊急性・必要性がある人は講座向き
一方で、スピーチ講座を受けて「よかった!」と実際に感じる人たちは、
- 人前では極度の緊張を感じてしまう「あがり症」の人
- ビジネスや個人的な生活において、話し方・発音・声の大きさなども含めて自分のスピーチに少し劣等感を感じている人
- リーダー的な立場で、他の人(部下・スタッフ・発起人)に対して責任があり、人を動かしたり、影響を及ぼさないといけない人
- 価値観や考え方が違う相手(海外、社外、異業種の人、国内でも文化背景が違う人たち)と、意思疎通を問題なくする必要がある人
- 何かのコンテストや、大きな大会などでスピーチをする必要があり、それに向かって準備をしなくてはいけない人
などなど、何らかの理由によって、「スピーチを磨かないといけない」という緊急性や、必要性があり、さらに明確な目的を持っている人たちだ。こういう人たちは、継続的に、張り切って学ぶことができるため、効果を感じることができるはずだ。
独学で成長できる人は、それでもいいと思う。しかし、多くの場合、それは難しい。なぜかと言うと、特にスピーチの場合はやってみないと分からない部分が多いからだ。さらに、プレゼンが一ヶ月後に迫っているとか、短期間で一定のレベルまで達成しなくてはいけなかったり、立場上、恥ずかしいスピーチができないなどの必要性に迫られている場合などは、やはりプロのスピーチ講師に教わった方が、段違いの結果を得ることができる。
これは、本講座の受講生の声を聞いてもらえれば、よくお分かりになると思う。
二ヶ月後のコンテストを控え、個人コーチングで劇的に変わった事例:
この2つの別記事(下記参照)でご紹介したNさんは、実は同一人物で、最初は「スライドを直して欲しい」とだけ頼まれた。彼女は、それまでスピーチに関しては、人に教わったことがなかった。独学で、ある程度こなしてきたし、周りからも評判がよかったので、心のどこかで自分は教わる必要なし、と感じていた。
しかし、応募していたコンテストの予選を通過し、二ヶ月後の本選最終コンテストではプレゼンがあったので、一度練習を兼ねて、友人が集まる集会でプレゼンをしてみた。ところが、その評判があまり良くなかった。友人同士なので、はっきりモノを言ってくれなかったが、眉間にしわを寄せて遠回しに語る、その暗い雰囲気から十分に察することができた。それを気にして、プロのアドバイスが必要だと悟り、個人コーチングを申し込んできた。
私は、最初は頼まれるがままに、スライドを直していたのだが、スライドを直すためには、他の要素を再検討する必要が出て、結局、スピーチの全てに渡ってコーチングすることになった。
まず自分の一番言いたいメッセージは何かを一つに絞る必要があった。それに呼応して、スピーチの構成も変わっていき、プレゼン中のデリバリー方法(発音の仕方、アイコンタクトの仕方、間の取り方など)が変わり、スライドも当然ガラリと変わった。その変化に合わせて何度もリハーサルを行った。
そして、本番を迎えた。Nさんの本番のプレゼン(アフター)を聞いた人で、以前の彼女の練習プレゼン(ビフォー)を聞いたことがある人たちは、かなりの違い・成長ぶりにみな驚いていた。彼ら曰く、
「最初(練習時)は、正直何を言いたいのかよく分からなかったが、本番では、主張がはっきりしていて分かりやすかった」
「本番では、スライドの構成の仕方がスッキリして、インパクトがあり、心に響くプレゼンだった」
と大絶賛だった。
ご本人も、
「コーチング中に、指摘されたすべてのことが、私に必要だったことばかり。それまでモヤモヤっとしていた自分の欠点が、はっきり分かり、まさに『目から鱗』の連続。はっきり分かると実行に移しやすく、自分一人でしなくて本当によかった」
と語ってくれた。
スピーチ向上を願う場合、独学かスピーチ教室か迷う場合がある。それぞれメリット、デメリットがあるので、自分の目的は何かを明確にし、選択するのが賢明だ。スピーチの場合は、講師から自分のスピーチに対するフィードバックをもらえるスピーチ講座がおすすめだ。
スピーチ向上を願う場合、独学かスピーチ教室か迷う場合がある。それぞれメリット、デメリットがあるので、自分の目的は何かを明確にし、選択するのが賢明だ。スピーチの場合は、講師から自分のスピーチに対するフィードバックをもらえるスピーチ講座がおすすめだ。
この事例からも分かるように、スピーチ講座は、独学に比べると、スキル向上の達成はほぼ間違いないと思う。しかし、費用もかかるし、他の人に対して効果はあっても自分には合わなかった、ということもゼロではない。だから、自分の目的が何かをはっきり認識して、その目的に合った講座・コースを選ぶように、よくよく事前に検討することをおすすめしたい。
ご注意
1つご注意したいのは、スピーチ講座は、決して心身障害を直す機関ではないので、医学的なサポートが必要な場合は、おすすめできないということだ。
例えば、弊社では、「緊張しないで大勢の前でもスピーチができるコツ」を伝授する講座を設けているが、緊張する原因の中に、医学的な治療を必要とする場合もある。そのような場合は、普通の方法では治療は見込めないので、必ず医療の専門家にご相談いただきたい。
他にも、うつや社会不安・適応障害など、心療内科の受診が必要な場合がある。心の不安がスピーチの成否を決める場合は往々にして観察される。そんな場合には、心身に過剰な負担がかからないよう、まずは医師に相談して欲しい。
スピーチ講座の種類は? 期待できる効果とは?
スピーチ講座で扱う内容
スピーチ講座で、一般的に扱う内容としては、
- 発声・発音トレーニング・滑舌矯正
- あがり症・緊張克服
- ビジネスで使えるスピーチ(スピーチの準備法、本番での話し方、スライドの作り方、説得のコツ、構成の仕方)の向上
それぞれ、講座によって目的が違い、趣味のレベルから、実務に活かせるビジネススクール、プロ志向のレベルまで、多種多様だ。
1、発声・発音トレーニング・滑舌矯正クラス
これらの講師は、元プロのアナウンサーだった人たち(たまに声楽家)が多いように見受けられる。発声を学ぶことで、腹式呼吸を覚え、キレイな声質に変わることができ、聞き取りやすい声量に増やすことができる。人前で話す時、ある程度の声の大きさがあった方が、もし、マイクが使えない場合に役に立つし、声が大きいと存在感が増す、という効果もある。
滑舌矯正とは、例えば、お笑い芸人の人たちが滑舌が悪いと笑いが取れないように、滑舌が悪いと仕事に影響が出るような職業(司会・ナレーション、コールセンターなど)の人が主な対象になる。滑舌が良いと第一印象も良くなり、コミュニケーションも取りやすくなる、という効果がある。
2、あがり症、緊張対策の講座
一口にあがり症と言っても、繊細さん(HSP)や対人恐怖症、コミュ障、赤面症など、軽症から重症までさまざまだ。対策としては、簡単な呼吸法や、心理学的なアプローチが取られる場合が多いと思うが、深刻な場合は、医学的なアプローチもある(前述)。一般のスピーチ講座では、ごく軽症の人たちを扱う場合が多い。
でも、ちょっとした心理的バリアを取り除くだけで、飛躍的にあがり症が改善されるケースもあり、それによって自信を深め、より積極的な性格に変わり、人前でのスピーチも平気でできるようになった事例もたくさんある。プロのアナウンサーの人でも、学生時代は、引っ込み思案で、大人しく、とても人前では話せなかったと告白している人もある。気になる人は、ぜひ、こういう講座のドアを叩いてみると良いだろう。
3、ビジネスで使えるスピーチの向上
ビジネス目的のスピーチ講座が一番多く目に止まるかもしれない。スピーチの準備法、本番での話し方、スライドの作り方、説得のコツ、構成の仕方、即興スピーチの方法、リーダーシップの取り方などなど、スピーチを効果的に行う方法を教えてくれる。
期間は、いずれに場合でも、半年間ほどかけて学ぶ場合もあれば、1回限りの単発で終わる場合もあるので、自分のニーズに合わせて、選ぶのがいいと思う。
ちなみに、弊社のブレイクスルー・ウエビナー基礎コースは、ビジネス志向であり、国境、文化を超えてグローバルに活躍したい人に向いている。基礎コースは一週間に一度、五週に渡って行われる。もっとトレーニングを積みたい人には、別に実践コースも用意されている。
オンラインでやるか? 通学するか?
最後に、いざ、スピーチ講座を受講するとしても、昨今では、オンライン会議が当たり前になった結果、オンライン講座も増えている。そこで、対面とオンラインではどんな違いがあるか考えてみよう。
1.対面講座に通学
まずは、対面講座に通学するメリットとデメリット。
メリット:
- 目の前に相手がいるため、実際の場面に近い形でスピーチトレーニングができる
- 「オンラインだと話しずらいし、精神的に辛い」という人でも安心して受講できる。
- 画面だけでは分からない、実際の雰囲気とか、微妙なニュアンスなど、対面ならではの喜びが味わえる
デメリット
- 距離的な制約を受ける。自宅から近い講座しか選べない。
2.オンライン講座で受講
次に、オンラインで講座を受講するメリットとデメリット。
メリット
- 距離的な制約を受けない。実際に海外に住む講師の話が、自宅にいながら、目の当たりに聞くことができる。
- 移動時間が節約でき、時間の調整も比較的ラク。
- 地方にいても、都市部の人気講師や、受講生らと交流できる。
- オンラインコミュニケーションが手軽に、身近に感じられるようになり、ますますこの需要が増えると思われる中、時代に合ったトレーニングを体感できる。
デメリット:
- 通信環境には注意。高速インターネット回線につながる必要がある。それに合わせて、ひょっとしたら、パソコン、タブレットを新調しないといけない場合もある。イヤホン、マイク、場合によっては、カメラ、照明などの準備も必要。
- Zoomなどのコミュニケーションソフトの操作に慣れておく必要がある。
- リアルな対面場面でのスピーチ準備は難しい。
解説
対面講座が理想なのは言うまでもないだろうが、コスト面などを考えると割高であり、コロナ以降、ウィズコロナでは、オンラインでのコミュニケーションも増えたので、オンライン講座でも十分に効果を期待できるだろう。むしろ、その方が時代を先取りしていると言えるかもしれない。しかも、場所を選ばないのが、オンラインの嬉しいところ。おかげで、国際的な交流も以前と比べて、簡単に行えるようになった。
ちなみに当ブレイクスルー・ウエビナー基礎コースの講師陣は、アメリカ・ニューヨーク在住で、アメリカでのビジネスの荒波をくぐり抜けてきた人材のみを採用している。スピーチの向上のみならず、グローバルな視点を取得したい人にはおすすめの講座である。
スピーチ向上を願う場合、独学かスピーチ教室か迷う場合がある。それぞれメリット、デメリットがあるので、自分の目的は何かを明確にし、選択するのが賢明だ。スピーチの場合は、講師から自分のスピーチに対するフィードバックをもらえるスピーチ講座がおすすめだ。
スピーチ向上を願う場合、独学かスピーチ教室か迷う場合がある。それぞれメリット、デメリットがあるので、自分の目的は何かを明確にし、選択するのが賢明だ。スピーチの場合は、講師から自分のスピーチに対するフィードバックをもらえるスピーチ講座がおすすめだ。
理論を実践に移すトレーニングがスピーチ講座
この記事の内容をまとめると、スピーチ講座とは
「スピーチの理論を実践に移すためにトレーニングを受ける場所」
であることを述べてきたつもりだ。
コストがかかるため「現状で満足」なら、無理に通う必要はない。確かに、YouTube、書籍で学ぶ独学にも良さは十分にある。しかし、特にスピーチの場合、やってみないと分からない部分が多く、独学と比べるとスピーチ講座を選ぶ方が、スピーチの上達は確実だろう。
誰でも自分特有のクセがある。それはなかなか自分だけだと認識できない。だから、そこを第三者に指摘してもらい、プロの豊富な経験と知識によるアドバイスを受けながら修正していく必要がある。プロのアドバイスとは、「聞き手に本当に自分の意図が伝わっているのか」「話しやすいスピーチの型とは何か」などなど、成功するスピーチのフォーミュラに基づいて行われる。受講すれば、あなたもきっと「目から鱗」体験をすることになるだろう。
しかし、コストがかかる以上、将来の自分への投資と捉えて、真剣に取り組む必要がある。本当に効果を実感するためには、自分の目的をしっかり持ち、自分のニーズに合うスピーチ講座を探し、検討・選択してから受講する必要がある。
ブレークスルースピーキングの、ブレークスルーウェビナー基礎コースは、米国プロスピーカーとして活躍する当メディア編集長で、ブレークスルースピーキング代表の信元が、長年の知識と経験を元に日本人向けに開発したブレークスルーメソッド™ を用い、世界基準のビジネス特化型のスピーチ・プレゼン術を最短効果的に習得できるオンライン双方型講座だ。私が本講座の講師となったストーリー『私がブレイクスルーメソッドの伝道師になった理由とは』でもお話ししているように、スピーチに必要な知識と技術が集約されており、これからスピーチ・プレゼンを本気で学びたいと思う方に、おすすめの講座といえる。オンラインで1か月、スピーチ・プレゼンのブレークスルーを体験してみてはいかがだろうか。