スピーチ・プレゼンが成功しない5つの主原因 すべては準備不足に起因する

スピーチの舞台に立った瞬間、全ての視線があなたに集中し、緊張が一気に高まる瞬間を経験したことがあるだろうか? さらに、その瞬間、心臓の鼓動が速まり、言葉が詰まる感覚に襲われたことはないだろうか。

誰もが経験するこの緊張感は、時にはあなたのスピーチの成功を妨げる要因となる。妨げになるのは、何も緊張感だけではない。準備不足、リサーチ不足などの原因も考えられる。

そこで今回は、スピーチがうまくいかない原因を詳しく見ていき、改善のためのポイントを紹介したい。

スピーチがうまくいかない5つの原因

スピーチがうまくいかない原因には、大きく分けて次の5つの要素がある。

1. 緊張や不安

 最初の原因は、緊張や不安だ。人前に立てば、誰でも緊張するのは当たり前だ。しかし、スピーチに対する強い緊張や不安があると、自己制御が難しくなり、声が震えたり、体の動きが不自然になったりしてしまう。

 また、完璧主義が強すぎると、わずかなミスでも過度に気にしてしまい、ますます緊張が高まってしまう。さらに、 世間体とか、実力以上に格好よく見せたいとか、他人の目を過剰に意識しすぎることも、大きなストレスとなり、自然な話し方を妨げる要因となってしまう。これらの要素が重なると、聴衆に不安定な印象を与えてしまう。

  •    原因: スピーチに対する緊張や不安が強く、自己制御が難しくなる。完璧主義や過剰に人の目を気にしすぎるのもストレスとなる。
  •    結果: 声が震えたり、体の動きが不自然になったりして、聴衆に不安定な印象を与えてしまう。

2. 聴衆に関してのリサーチ不足

 次の原因は、聴衆のニーズを把握していないこと。スピーチを準備する際に、原稿を書き始める前に、まずは、聴衆の関心やニーズを十分にリサーチしないといけない。そうでないと、彼らにとって重要でない情報や興味のない的外れな内容を話してしまう。その結果、聴衆の関心を引くことができず、スピーチが相手の心に届かない。

 また、聴衆の利益を考慮せずに自己の話ばかりしてしまうと、聴衆はうんざりしてしまう。過剰な自己アピールは鼻につく。自分をアピールしない方が自己アピールにつながるという逆説の法則をわきまえていない。その結果、スピーチのメッセージがますます伝わりにくくなる。

  •    原因: スピーチを準備する際に、聴衆の関心やニーズを調査していない。
  •    結果: 聴衆にとって重要でない情報や興味のない内容を話してしまい、関心を引くことができない。

3. 準備不足

 3つ目は、準備不足。本来は良いスピーチができる実力がある人でも、準備不足・練習不足で挑めば十分な結果は得られない。上記のリサーチも含めて、スピーチに向けた十分な準備や練習・リハーサルが行われていない場合、声のトーンや話すペースがいつも同じで抑揚がないと、聴衆が退屈して眠くなってしまう原因にもなる。さらに、スピーチ中に言葉に詰まったり、重要なポイントを忘れたりしがちだ。これにより、自信を失い、聴衆にも不安を感じさせてしまう。

 また、話す内容が十分に練られていないと、その場で即興的に話を進めることになり、話の流れを忘れてしまったり、その場の雰囲気に流されてしまったり、結果として話が前後したり、失言が増えたり、本来伝えたいことが十分に表現できなくなったりするリスクが生まれる。

  •    原因: 十分な準備やリハーサルがされていない。
  •    結果: スピーチ中に言葉に詰まったり、重要なポイントを忘れたりすることで、自信を失い、本来伝えたいことが伝わらず、聴衆に不安を感じさせる。

4. 構成の不備・目的の曖昧さ

 4つ目の原因として、構成の不備が挙げられる。スピーチの内容がしっかりと構成されておらず、論理的な流れがない場合、話があちこちに飛び、聴衆が話の筋を追いにくくなる。さらに、要点がダブっていたり、漏れがあったり、つじつまが合わなかったりして、説得力がなくなる。

 また、スピーチの目的を事前に自分でもはっきりさせておかないと、メッセージが不明確になり、スピーチが散漫になり、曲解されたり、本当に意図するところが伝わらなくなる。

  •    原因: スピーチの目的が絞られていない。内容がしっかりと構成されておらず、論理的な流れがない。
  •    結果: 話があちこちに飛び、聴衆が話の筋を追いにくく、説得力を失う。目的が曖昧だと、本当に意図するところが伝わりにくくなる。

5. 視覚的・聴覚的サポートとインタラクションの欠如

 最後に、これは特に上級者に見られる現象だが、視覚的・聴覚的サポートと聴衆とのインタラクションの欠如を考えなくてはいけない。特にプレゼンの場合、スライドやビジュアルエイドが使用されることが多いが、それらが効果的に使われていなかったりすると、聴衆の集中力を妨げてしまう。人は、自然と聞くことよりも見る方を優先させてしまうので、目に映ることが聞く内容と一致していないと混乱してしまう。また、無駄な効果音を入れすぎると、話の流れを遮る要因となってしまう。

 また、聴衆の反応を無視して一方的に話し続けると、聴衆との一体感が生まれず、興味や関心を失わせてしまう。アイコンタクトが少なかったり、ジェスチャーが全然なかったり、過剰で不自然だったりすることも、聞き手を白けさせてしまう原因となる。

  •    原因: 聴衆の反応を無視し、一方的に話し続ける。アイコンタクトやジェスチャーが不足している、または過剰で不自然。スライドやビジュアルエイドが効果的に使われていない、または使い過ぎている。
  •    結果: 聴衆との一体感が生まれず、興味や関心を失わせてしまう。視覚的なサポートが逆に聴衆の集中を妨げ、退屈さを感じさせる。

全ては準備不足から起きている

 以上の原因を避けることで、あなたのスピーチは成功への第一歩を踏み出すことができ、効果を高めることができるはずだ。上記の5つの原因は、すべて準備とリハーサルにつながっている。準備とリハーサルが十分にできていれば、自信が生まれ、過度な緊張は避けられる。聴衆のニーズを理解することも、構成の工夫や目的の明確化も、スライドの準備なども準備の一環だ。当日のハプニングも予め想定して、準備する。当日の聴衆にどんな人が集まるかは、事前にリサーチすれば、ある程度わかるので、その想定を元に、聴衆とのやりとりも練習できる。アイコンタクトや、ジェスチャーも事前にやっておいた方が、当日、より自然に振る舞えるだろう。

 上記の原因を克服し、聴衆に価値のある情報を提供することで、効果的なスピーチが可能になる。また、スピーチの技術は練習を重ねることで確実に向上するため、継続的な努力が重要だ。

 さらに、世界の名スピーカーから技術を学び、日頃のプレゼンに活かすことができれば、商談や交渉もうまく進むようになり、ビジネスの成果に着実につながっていくだろうう。もちろん一朝一夕ではマスターできないだろう。しかし、スピーチはコミュニケーションスキルの一つのため、訓練を重ねれば確実に力を高めることができる。

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