「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。
「アナと雪の女王」に学ぶ「9つのC」その4〜7
(4)Conflict(葛藤や障害)
第一幕では、きっかけとなる出来事がダイナミックに起こり、主人公に直面しました。
第二幕では、主人公が相次ぐ困難を乗り越え、目的を成しとげようとします。
主人公の目的と欲求が定まることにより、そのために乗り越えなければならない障害も設定され、主人公はその障害に打ち勝つことが求められます。
第二幕においては、主人公の物理的または心理的な障害浮き彫りにされ、主人公の試練はクライマックスに向けて、いよいよ困難なものとなり、主人公は窮地に追いやられます。Conflict(葛藤)です。
(5)Cure(救世主)
主人公は第二幕の途中で、自分がますます悪化する状況の中にいることに気づきます。
主人公は、問題は解決できないのではないか、と打ちひしがれます。
それは主人公の前に立ちはだかる敵対者に対抗するスキルをまだ持っていない、または気付いていないからです。
主人公は新しいスキルを得るだけでなく、より高い意識に目覚めなければならないのです。
つまり主人公が苦境から抜け出すために何が出来るのかを悟り、そして、今度は自らを変える自覚を持たなければなりません。
それは一人では成し遂げられません。
主人公は、良き指導者や共同主人公、鍵となる人物(あるいは本や出来事、でもよい)などから助けられ、苦境を乗り越えていくのです。
それがCure(救世主)です。
そうして主人公は内面のChange(変化)を遂げていくのです。
(6)Change(変化)
「アナと雪の女王」では、主人公のアナが「乗ってきた馬に逃げられる」「狼の群れに襲われる」「氷の城の位置が分からない」といったConflict(障害)を次々と全て突破し、エルサ女王を見つけ出すことに成功します。
しかし更に状況は悪化し、主人公の危険度は最高になります (Conflictが増長)。
ようやく氷の城にたどり着いたアナは、エルサ女王から氷の魔法で心臓を撃たれてしまい、このままだと凍り付いて死んでしまうという状況に追いやられ、状況は緊迫したクライマックスに達します。
瀕死のアナがクリストフに会うために宮殿から脱出しようとしますが、エルサ女王をハンス王子から助けようとしたアナは、ついに氷になってしまいます。
しかしクライマックスの後には解決 ・Change(変化) が続きます。
エルサ女王はアナから、「真実の愛」を学び、大きな内面の変化を迎えます。Change(変化)です。エルサ女王にとってのCure(救世主)は、それに気付かせてくれた、妹のアナです。
危機のクライマックスを経験し、主人公や他のキャラクターたちは自分の本当の姿を見出すのです。
(7)Conversations in Dialogue(会話調の対話)
映画では当然、登場人物による会話でストーリーが進められていきますが、スピーチの際はついついナレーション的になりがちです。
映画のように、人物同士の会話を踏んだに取り込んで、ドラマ性を高めていきましょう(Conversations in Dialogue)。