ビジネスを国際展開するにあたって、大切なコミュニケーション方法の一つにフィードバックがある。このフィードバックとは、相手に対して自分の率直なコメント・感想を言ってあげることであり、良い点や今後の改善点の指摘などを含むものだ。これは、組織・チームでリーダーシップを取るための必要なスキルの一つでもあり、あらゆるビジネスシーンに応用でき、社内でのコミュニケーションを円滑にさせ、会社・事業全体への売り上げアップにもつながる重要なスキルだ。
しかし、このフィードバックの適切なやり方を知らない人が案外多い。日本では、あまり馴染みがないのかもしれないが、アメリカでは、フィードバックは頻繁に行われるし、相手も適切なフィードバックを期待している。効果的なフィードバックは学習できるし、その方法は、体験事例を通して学ぶべき重要なポイントなのだが、その適切な方法や効果について、あまり理解されていないのは悲しい現実だ。
そこでこの記事では、フィードバックとは何か、その正しい意味や、なぜ必要なのか、効果的な方法、問題点とその対策などについてご紹介するとともに、その結果として得られる成果・メリットについてもわかりやすく解説したい。
フィードバックは、リーダーシップには欠かせないスキルであり、社内のコミュニケーションの円滑化、人間関係の向上、個々のスタッフのパフォーマンス向上、経営陣、管理職の資質向上にもつながることは間違いないので、この記事を参考にしていただければありがたい。
フィードバックとは
フィードバック(Feedback)とは、相手の業務・作品に対する姿勢や行動に対する自分の率直なコメントを、口頭、または文章で指摘してあげること。そのコメントは、軌道修正や動機づけ、教育的な内容、仕事に対する評価や、今後の改善点の指摘などを含む。相手にとって有益な情報を送ることにより、その人のパフォーマンスを上げることがゴールだ。
上司・部下、スタッフ間でのコミュニケーションはもちろん、顧客とのコミュニケーションにも活用できる大事なスキルであり、ビジネスのあらゆるシーンに応用できるものだ。フィードバックは、自分にも相手にも組織にもメリットがあり、お互いの今後の方向性を決め、現在の言動・状況を改善することに非常に役に立つ。
フィードバックの目的・メリット
フィードバックの目的は、現在の状況をあるがままに真摯に見つめ、改善点に向き合い、アクションを起こし、個人・組織の資質・成績・パフォーマンスを向上させることだ。
例えば、ある会合で誰かがプレゼンをしたとしよう。そのプレゼンの内容や、プレゼンスキルに対して改善を求めたいとする。その場合、ただ漫然と聞いて、やみくもに感想を述べるだけでは、その発表者のきちんとした改善は期待できない。言い方によっては、むしろ険悪な雰囲気を醸し出し、人間関係が壊れてしまう可能性すらある。
しかし、きちんとしたメソッドに則ってフィードバックを行うことで、きちんとした改善が行われる。その発表者は、フィードバックで指摘された点を考慮し、修正し、改善されたパフォーマンスを次の機会にすることができる。これを定期的に行い、習慣化することで、チームメンバーは、自然と、自分自身の改善点を求めるようになる。
フィードバックする人のメリット
フィードバックは、それを受ける人にとって有益であるだけでなく、する側にも大きなメリットがある。それは、
- 自らの聞く力を伸ばし、
- 分析力を持って素早く考察し、
- 的確に短い時間で要点をまとめ、
- それを適切な言葉で伝えられるようになること。
ちなみに、これはスピーチ力の向上にもつながる。逆にスピーチ力のある人なら、フィードバックはそれほど難しいものではないはずだ。さらなるスキル向上を望むなら、自分のフィードバックへのフィードバックを誰かにお願いしておくと良い。
フィードバックを受ける人(チーム)のメリット
さらに、フィードバックの結果、
- スタッフ個人の資質向上
- チームの一体感・コミュニケーション向上
- プロジェクトの成功
が見込めるようになる。
1)スタッフ個人の資質向上
フィードバックが適切に行われると、例えば、部署内で上司が部下の課題・悩みを聞くことができたり、同僚間でもフィードバックのスキルを使って問題解決がしやすくなり、改善に向けたアクションを起こしやすくなる。
さらに、フィードバックが繰り返し行われると、新たな視点・気づきが得られるので、チームメンバー個人のやる気が出て、仕事のパフォーマンスが向上するだろう。
2)チームの一体感の醸成・コミュニケーション向上
フィードバックを行うことで、チームメンバー個人のやる気が出て、パフォーマンスレベルが上がれば、グループ全体のモチベーションアップ、グループとしてのパフォーマンス向上につながる。フィードバックによって、思い込み・思い違いなどが解消され、曖昧さがなくなり、目標などすべてがクリアになるので、メンバー間のコミュニケーションが円滑になる。その結果、グループとしての一体感が生まれ、スタッフ間の深い信頼関係が構築される。
これを定期的に行うことで、常に改善に向けたアクションを起こせるようになる。また、適切な評価が可能となり、それは適切な報酬、人事配置にもつながる。
きちんとしたフィードバックは、現状の正確な把握と、思いやりのある今後に向けた提言を可能にし、それがイノベーションの源泉となる。そこで生まれた信頼関係が、さらに自発的な言動を生み、問題の早期発見、合理的で速やかな問題解決につながるはずだ。
3)プロジェクトの成功
フィードバックのスキルは顧客対応にも応用できる。顧客からの率直な声を真摯に受け止めて、それをどう次のアクションに生かすのかを検討する必要が生まれる。顧客からの声が上手に反映されれば、商品・サービスの資質が上がり、プロジェクトを成功に導くことができる。
きちんとしたフィードバックによって、メンバー一人ひとりのモチベーションやパフォーマンスが上がり、チームの一体感が生まれれば、組織全体のレベルをベストな状態に保つことができ、目標達成がしやすくなることは間違いない。
このように、きちんとしたフィードバックが行われると、個人のパフォーマンスが上がり、チーム力が高まり、全体の目標が達成され、営業成績向上など、さまざまな相乗効果が期待される。
フィードバックは、主観的な「とらわれ」から解放されて、客観的に自分を見つめ直し、さらに組織のあり方を見つめ直す有効な手段だ。
なぜフィードバックが必要なのか
フィードバックがこれからの社会においてより求められるようになるのは、次の3つの社会変化が背景にある。
- ビジネス環境の多様化・国際化
- 人材育成ができていない・リーダーシップが発揮できていない
- 価値観の変化
1)ビジネス環境の多様化・国際化
社会変化
職場環境は、今まで以上に多様化している。その要因としては、世代を超えたコミュニケーションの重要性の高まり、職場での女性の必要性などに加えて、グローバル化にともなう外国人社員・顧客の増加が挙げられる。海外で働く日本人はもちろん、日本においても、外国人観光客は今後も増加するであろうし、ますますグローバルな文化背景を持つ人たちとのコミュニケーションが求められている。
対応策
このように多様化・グローバル化した社会では、凝り固まった価値観からの脱却、文化の壁を乗り越えたコミュニケーションが求められる。どういうことかと言うと、異文化間でのコミュニケーションでは、文化的なバックグランドの共通点が少ないので、それをベースにした表現ができなくなる。だから、その共通点を少しでも増やすために、文化的な「なぜ」を言語化し、説明するスキルが必要になる。
例えば、日本的な、いわゆる「空気を読む」ことをしない人(非言語コミュニケーションを重要視しない文化背景を持つ人)に対して、その「空気」とは何かを説明する必要がある。日本人が思うところの「当たり前」の部分を、できるだけ言葉に出して、明瞭化して説明するスキルが求められるのだ。つまり、コミュニケーションの非言語的な部分を言語化する努力だ。それが異文化間での誤解を避ける最も重要なスキルとなる。
そのためには、フィードバックは有効な一つの手段だ。これを定期的に使うことによって、常に現状を確認をする習慣ができ、互いの共通したバックグランドを作る手助けになるので、文化背景の違う人たちともお互い良いコミュニケーションをとることができるようになる。
非言語コミュニケーションについてはこちらの記事を参照。
フィードバックとは、相手の言動や仕事に対する自分の率直なコメントをあげること。それは、そのパフォーマンスの良い点、今後の改善点の指摘などを含む。組織内や顧客とのコミュニケーションに活用でき、主観的な「とらわれ」から解放されて、客観的に自分を見つめ直し、さらに組織のあり方を見つめ直す有効な手段だ。
2)人材育成ができていない・リーダーシップが発揮できない
社会変化
十分な準備期間がないまま管理職になってしまう人たちが増えている。そういう人たちは、部下への指導方法がよく分かっていなかったり、管理職としてそういう責任があることさえ知らなかったりする。
また、人件費削減により、一人の上司が複数の仕事を多く抱えることになり、さらに部下の数も増えている。その結果、教育指導のための時間が減り、十分な人材育成ができていない状況が生まれている。(参考記事)
対応策
フィードバックスキルを習得すれば、前章で説明したように、チーム全体のモチベーションが上がり、自主的に改善を求める雰囲気ができ、その結果、効率性があがり、何事も短い時間で集中してできるようになり、人材が自然と育っていくという好循環を産むことができる。
3)価値観の変化
社会変化
終身雇用制への意識が薄れることで、全体的に組織への帰属意識が低下している。また、いろんなハラスメントが問題視されることで、お互い積極的にコミュニケーションを取ることをためらっている。
対応策
適切なフィードバックを実施することで、個性が尊重され、コミュニケーションも円滑になるので、自由な組織風土がつくられ、それぞれが働きやすい環境を作ることは可能だ。
フィードバックの具体的方法
適切なフィードバックが行われることのメリットを列挙してきたが、あなたのプロジェクトを成功に導く、具体的なその方法について解説しよう。
フィードバックのフォーミュラ
- ステップ1:良いところを指摘して褒める
- ステップ2:今後の改善点を指摘する
- ステップ3:自分の学びを伝える
ステップ1:まずは、良いところを指摘し、褒める
受け手の行動や言動に対して、自分がいいと感じたところ、好きな点、感心した点、効果的だと思われる手法など、本人がすでに持っているポジティブな側面を指摘することによって、受け手の自己肯定感・意欲・自発性を高めて、すみやかな成長を促すことが狙い。
ステップ2:次に、今後、より成長するために改善点を浮き彫りにし、次のアクションを考える
将来への改善点として、あえて問題点を指摘し、あくまでも前向きな表現を使ってフィードバックを返す。何が問題なのかを、できるだけ具体的に指摘することが大切。それに対する具体的対処法もできれば提示してあげたい。そうすることで、改善点はあくまでも一部であり、全人格を否定している訳ではないことを受け手に理解してもらう。
また、改善点はあくまでも一つの意見にすぎず、その提案を採用するかしないかは本人に委ねることも伝える。受けたアドバイスに盲目的に従うのではなく、受け手自身が自発的に、自分で考えて、状況を打破できるようになることが望ましいからだ。だから、フィードバックを行う者としては、たとえ上司であっても、あくまでも客観的に見た一意見であることを明確にした方いい。それが個性の尊重であり、相手の自主性を伸ばすことにつながる。
ステップ3:最後に、自分の学びを伝える。
最後に、相手のパフォーマンスを観察することによって自分がどんな学びがあったか、自分にとってどんな意義があったか、相手から影響を受けたことがあったかを説明する。
例えば、
「私も新人の頃、同じようなことをしていたのを思い出した。『初心を忘れない』という意味で私にとって今回はいい教訓にもなった。ありがとう」
などと、締めくくれば良い。
ここでは、内容的には、最初に指摘したポジティブなものの繰り返しになるかもしれない。だが、同じ内容でも表現を変えたり、そこはあえて「大事な点だから」と強調したりすれば良い。まだ慣れない内は、最初に言うべきだったポイントを最後にとっておいて、全体的な感想として最後に指摘する感じでも良い。
ここでのポイントは、相手が改善点を指摘された後に否定的な印象でその場を去らないように、最後にまた褒めることで、相手に前向きになってもらうことが目的だ。
加えて、「すべて目の前に起きる事象は、『学べ』との自分に対する天からのメッセージだ」とする考え方もあり、もし、それに従うとすれば、相手の良い点・改善点から自分が学ぶべきことは大いにあるはずだ。「人の振り見て我が振り直せ」との諺もある。それを素直にシェアすれば良い。こうすることによって、押し付けがましくなく、さらに「上から目線」でもなく「同じ目線」に立ってフィードバックができ、円滑なコミュニケーションが生まれ、良好な人間関係が構築される。
こうすることによって、「常に学び、向上する」する姿勢を示すことができ、謙虚さが醸し出され、チーム全体が目標に向かってコツコツ努力する雰囲気が醸成される。実は、ステップ2の改善点の提示よりも、むしろこちらのステップ3の方が大切なのだ。なぜなら、基本的に人を変えることはできないが、自分を変えることは自分ができるからだ。自分が変われば周りも影響されつられて変わっていくものだ。
ポジティブ vs ネガティブ
人にはそれぞれ長所・短所があるように、パフォーマンスにもいい点・改善点がある。適切なフィードバックでは、その両方、ポジティブな面とネガティブな面を指摘する必要がある。なぜなら、どちらか片方だけを指摘するのは、真の現状を見ていないことになるからだ。
つまり、どんなに素晴らしいパフォーマンスでも、必ず改善点はあるし、一見ひどくダメなパフォーマンスでも必ずいい所があるはずだ。そのあるがままを相手に返すことがフィードバックの基本だ。
だから、いい面と改善点の両方を観察できる視点と表現力が必要になる。これを考えることで話す力、スピーチ力も向上する。
フィードバックに慣れないうちは、改善点ばかりを指摘しまって、受け手を傷つけてしまいがち。逆に、いいところばかりを誉めてしまい、受け手の成長が止まってしまう場合もある。大抵はフォーミュラに沿って行えば、すぐに実践できることだが、そこは、人によっては訓練が必要かもしれない。
多くの場合、この改善点を指摘することが、最も伝えたいことになる。しかし、改善点の指摘は、否定的なニュアンスで捉えられがち。なので、最初に誉めてから、改善点を指摘することに意味がある。最初から否定しまうとモチベーションが下がることがあるので注意が必要だ。そして、最後はまた褒めること(ステップ3)で締め括る。
フィードバックの導入プロセス
フィードバックを1対1で行う場合は、フィードバックを与える側がある程度スキルを習得していることが前提になる。また受ける側もフィードバックとは何かをある程度理解しておかないと動揺してしまう。
そういう意味では、全体の場でフィードバックはどんなものかを示してから、個人的な場で使用するとスムースに事が進むと思われる。
全体の場で導入する場合は、フィードバックのフォーミュラを十分説明し、最初はうまくできなくてもいいとの前提で、書面と口頭の両方で始めると良いだろう。繰り返し行い、フィードバックを習慣化する事が重要になる。
フィードバックの問題点と対策
- 受け手の感情を無視していないか
- 信頼関係が構築できているか
- 適切な表現をしているか
- 内容は適切か
1)受け手の感情を無視していないか
問題点
忘れがちなのは、フィードバックがいいからと言って、ただ機械的に導入するのは危険であることだ。フィードバックの受け手には感情があり、それぞれ性格も異なる。そのため相手の立場や、考え方、好みを考慮せずに、ただ改善点を指摘してしまうと逆効果になる。
対策
相手の立場に立って、性格や趣味なども考慮し、きちんと提案する内容を吟味し、それぞれの相手に合った形でフィードバックを実施することが必要だ。最初から、積極的に改善点の指摘をしても効果があるかもしれないのは、例えば、主体性や創造力が求められるリーダー・幹部候補や、その分野での経験豊富な人材などに対してだ。
しかし、未経験者・新人に対して、もしくは、敏感な人、繊細な神経の持ち主などに対しては、最初は、別のアプローチが必要だろう。ステップ2の改善点の指摘を省略して、褒めることだけに専念するといいかもしれない。
受け手の立場に立って考えてみて欲しい。褒められるだけであれば、安心してフィードバックを受けたいと思うし、次のフィードバックが楽しみにさえなる。やがて自信もつくだろうことは容易に想像できる。また、フィードバックをする側にとっても、最初慣れないうちは、何をどう言っていいいのか分からない人が一定数いるものだ。どのように褒めるのか、褒め方を学習し、良い点を見つける力を養成するためにも、最初は、ステップ1、3だけにして、慣れてからステップ2を導入するといいだろう。
2)信頼関係が構築できているか
問題点
フィードバックを実行する場合、まずは、信頼関係を構築することが重要だ。信頼関係がなければ、受け手は聞く耳を持たない。聞く耳がない人に対して、いくら改善点を指摘しても無駄な努力であり、人間関係は悪化し、お互いのやる気がなくなるだけだ。最初から否定的なことを言われると分かっていたら、フィードバックを受けたいとは思わない。いつも自分に対して否定的なことしか言わない人を誰が信用するだろうか。
対策
チームでフィードバックを採用する場合、慣れるまでは、前述のように、改善点はあえて伏せておいて、良い点だけを褒め合うことで、まずは信頼関係を構築することをお勧めしたい。大抵の場合、長所は短所をカバーするものだ。自信のなかった人が自信を持てるようになると、必ずその人のパフォーマンスは上がる。まずはフィードバックを受けることに慣れさせ、自信をつけさせてから、段階的に本格的なフィードバックを実行した方がスムースな展開が望めるだろう。
もし、職場の人間関係で、すでに信用が薄れているなら、褒めるだけのポジティブフィードバック導入を大いに推奨したい。ポジティブフィードバックによって薄れた信頼関係は修復されるだろう。ただ、ここでは、ステップ3が重要になる。自分にとってその人の良さが意義深いものであることを説明するためには、表面上のおベッカではダメだからだ。お互いにお互いのありのままの姿、努力している姿から学び合うところに、そして、この点を真剣に考えてシェアするところに、本当の信頼関係が生まれるものだ。
3)適切な表現をしているか
問題点
改善点を指摘する時に、不適切な表現を使ったり、一方的なコメントを返してしまうと、受け手のモチベーションを下げ、パフォーマンスの悪化を招いてしまう。全くデリカシーに欠けた表現をしておきながら、「あれは改善して欲しくて、率直に事実をストレートに表現した結果だ。私に悪意はないし、それを素直に受け止められない相手の問題。だから私は謝らない」などと言い張るのは非常に見苦しい。人として最低である。
対策
正直に、率直に物事を述べることと、失礼な言い方をすることを混同している人をたまに見かけるが、この二つは全く意味が違う。率直に意見は述べるのだが、それは丁寧で、相手を尊重した表現、愛情が感じられる態度で伝えられるべきであって、相手を威嚇・侮辱するような態度(感情的な声のトーン)や人格を否定するような表現は絶対に避けるべきだ。
しかし、逆に人を傷つけたくない、誤解されたくないからとフィードバックを怖がって避けてしまうのもどうかと思う。発言者の根底に愛があれば、それはきっと伝わるだろう。たとえ、不適切な表現をしてしまったとしても、自分の間違いを認め、素直に謝ればいい。
むしろ、怖がらずに積極的にフィードバックを行い、コミュニケーションの量を増やす方が良い。それでお互いの理解を深めることができれば、誤解や、感情的な問題、他のいろんな致命的な問題は避けられるだろう。フィードバックをシステムとして取り入れて、常時行われている環境を作り、信頼関係を深める努力が大切だと思う。
4)内容は適切か
問題点
受け手の状況や能力、理解度などを加味せずにフィードバックを行うと、キャパオーバーになって、達成が難しくなり、逆にやる気を失わせる結果となってしまう。
対策
ステップ1で、良い点を3つ挙げたら、ステップ2の改善点でも3つ述べ、それ以上は指摘しない。バランスが大切。改善点が良い点を上回らないようにする。その場で気づいたことを全部指摘しなくても良い(改善点の指摘に優先順位をつけるー後述)。人の成長には時間がかかるもの。一つずつステップアップして、改善していくように心がける。基本的に、自分を変えることはできるが、人は変えられない。
また、ここで一番大切なのは、各プロジェクト・仕事項目に目的を持たせ、その目的にあった改善点を与えること。それから外れた点には触れない。例えば、もし、誰かが新しいプロジェクトを立ち上げるプレゼンをするとしたら、そのプレゼンの目的を明確にさせる。目的は、社内のコンセンサスをとる、という事だとしよう。そうしたら、その目的が叶ったかどうか、その目的を達成するにはどうすれば良いかに集中して改善点を考える。例えば他にも、スライドの準備が甘かったという反省点も出てくるかもしれないが、そこは直接目的とは関係ないし、本人も十分分かっていると思われるので、あえて指摘しないでおく。
つまり、たくさんある改善点には、プライオリティをつけて、目的と照らし合わせて、関連性の低いものは別の機会に指摘するようにする。受け手の意識が変われば、指摘しなくても自然と改善される場合もある。(受け手の意識が変わらないのは、案外、あなたが原因かもしれない。灯台下暗し。。。私にはこのような経験が山ほどある。)
フィードバックとは、相手の言動や仕事に対する自分の率直なコメントをあげること。それは、そのパフォーマンスの良い点、今後の改善点の指摘などを含む。組織内や顧客とのコミュニケーションに活用でき、主観的な「とらわれ」から解放されて、客観的に自分を見つめ直し、さらに組織のあり方を見つめ直す有効な手段だ。
フィードバックはちょっとした努力。でも莫大な効果
リーダーシップを取るためには、スピーチ力は欠かせない。そのスピーチ力を養うためには、フィードバックをマスターすることが必須だ。フィードバックを実践することで、スタッフのモチベーションが上がり、組織のコミュニケーションが活性化され、人材育成にもつながることを解説してきた。またフィードバック実施時の問題点と対策についても詳説させていただいた。
フィードバックをスキルとして習得することは、組織活性化、人材育成、リーダーシップの発揮、スピーチ力の向上へとつながる上で非常に有効な手段である。大いに習慣化していただきたいと願う。
🔸フィードバックについてさらにノウハウを詳しく知りたい方はこちらへ⇩
フィードバックとは、相手の言動や仕事に対する自分の率直なコメントをあげること。それは、そのパフォーマンスの良い点、今後の改善点の指摘などを含む。組織内や顧客とのコミュニケーションに活用でき、主観的な「とらわれ」から解放されて、客観的に自分を見つめ直し、さらに組織のあり方を見つめ直す有効な手段だ。
🔸フィードバックに対する考え方の文化の違いについてはこちらを⇩
フィードバックとは、相手の言動や仕事に対する自分の率直なコメントをあげること。それは、そのパフォーマンスの良い点、今後の改善点の指摘などを含む。組織内や顧客とのコミュニケーションに活用でき、主観的な「とらわれ」から解放されて、客観的に自分を見つめ直し、さらに組織のあり方を見つめ直す有効な手段だ。
リーダーシップとスピーチ力についての記事はこちらを参照されたい↓。
フィードバックとは、相手の言動や仕事に対する自分の率直なコメントをあげること。それは、そのパフォーマンスの良い点、今後の改善点の指摘などを含む。組織内や顧客とのコミュニケーションに活用でき、主観的な「とらわれ」から解放されて、客観的に自分を見つめ直し、さらに組織のあり方を見つめ直す有効な手段だ。