即興スピーチ・アドリブで話す時のコツと上達法 WBC 2023でのインタビューを振り返って

2023WBC(ワールドベースボールクラシック)で日本が優勝した。侍ジャパンに選ばれた選手たちの記者会見の内容はとても興味深いものだったが、質問に即興で答える選手たちのスピーチが、正直、少し物足りない感じがした。

プロスポーツの選手たちは、その分野(野球)のプロであって、スピーチのプロでないのだから、うまくなくても全く問題ない。しかし、スポーツとはエンターテイメントなのだから、記者会見でも話が上手で、聞く人を楽しませることができれば、もっと人気も出て、野球自体への関心も高くなるだろうと思い、なんだかもったいない気がして、少し残念な気持ちになった。

しかし、これは何もプロ野球選手に限ったことではない。私たちにも当てはまることだ。なぜなら、人生とは即興スピーチの連続だからだ。どういうことか? 私たちの生活は、予期できないことが常に起き、とっさに何かを答えなくてはいけなかったり、説明を求められたりする場面が少なくないからだ。そんな時、即興スピーチをそつなくこなすスキルがあれば、きっとあなたの人生はより充実したものになるだろう。

そこで、この記事では、即興スピーチがうまくできるようになるためのコツとトレーニングの方法をご紹介したいと思う。

即興(即席)スピーチとは

 即興スピーチとは、準備なしに、その場で思いついた内容を発表すること。言い換えると、事前に用意されたスピーチ原稿やプレゼンテーション資料などは使わないで、聞き手の前で即席で考えたことをスピーチすることだ。

 即興スピーチは、公式の場でのスピーチやプレゼンテーション、ビジネス交渉やディスカッションなど、様々な場面で求められる。

 実際、即興スピーチが得意になると、人生が楽しくなる。例えば、面接試験。面接で原稿を見ながらスピーチはできない。あらかじめ準備しておいたことを発言するとしても、予想外の質問が来たら、とっさに答えなくてはいけない。そういう時、即興スピーチに自信があれば、慌てないで済む。だから、即興スピーチを練習し、スキルを向上させることで、とっさの場合に対応でき、さらに、コミュニケーション能力や表現力を高めることができる。

即興スピーチスキルを磨くことのメリット

  1.  コミュニケーションスキルの向上
  2.  プレゼン能力の向上
  3.  自己表現・実現力の向上
  4.  ストレス耐性の向上
  5.  リーダーシップスキルの向上

① コミュニケーションスキルの向上:

即興スピーチスキルを磨くことによって、相手に対して自分の意思を適切に伝えるための表現力や思考力を養うことができる。そうなることで、ビジネスやプライベートなど、あらゆる場面でスムーズなコミュニケーションが取れるようになる。

② プレゼンテーション能力の向上:

即興スピーチのトレーニングを受ければ、それはそのままプレゼン能力の向上につながる。なぜなら、ビジネスや学術分野で頻繁に行われるプレゼンでは、予期せぬことが起きる場合が多々あるからだ。即興スピーチスキルを磨いていれば、予期せぬことが起きても、それに対処するスキルも自然と身に付く。プレゼンがきっかけで、ビジネスが発展したり、キャリアアップに繋がったりすることはよくあること。だから、即興スピーチのスキルを高めておいて損はない。また、アドリブで臨機応変にプレゼンができる人に対して、安心感や信頼感を寄せる人も多いだろう。

③ 自己表現・実現能力の向上:

即興スピーチは、自分自身の考えや意見を的確かつ明確に、すぐにその場で表現するためのトレーニングだ。自己表現能力が向上することはもちろん、自分の考えや意見を的確に伝えることで、自分がやりたいことを実現させる能力も向上する。それはやがて、自分の夢を叶えることにもつながるだろう。

 WBCの試合後のインタビューや記者会見を思い起こして欲しい。監督や選手が思い思いに語る、その言葉によって、例えば大リーグのスカウトからの誘いが来たり、次の目標に進むことができたり、さらに人気が高まったりするものだ。また、失言によってその逆もあり得る。だから、やっぱり普段から即興スピーチのスキルアップをしておくことはとても重要だ。

④ ストレス耐性の向上:

即興スピーチは、思いもよらない状況で臨機応変に対応する能力を養うことができる。つまり、これはストレス耐性が向上することを意味し、仕事やプライベートなど、思わずパニックになってしまうような状況の中でも冷静に対応するスキルが磨かれる。

⑤ リーダーシップスキルの向上

 リーダーは時として、チームメンバーの感情を考慮し、言葉を選んで、鼓舞したり、叱咤激励したり、意見を調整したり、組織をまとめあげたりしないといけない。また、迅速な意思決定を求められる場合もある。即興スピーチのトレーニングをしておけば、聴衆が何を求めているのかを感じ取れたり、それに合わせて聞き手に何を伝えるかを瞬時に判断できルようになり、それがそのままリーダーシップスキルの向上につながる。

選手たちの精神的な支えになった大谷選手の即興スピーチ

 WBC2023の決勝戦で、日本はアメリカと対戦することとなった。あの時、アメリカのメジャーリーグで活躍するスーパースター達を目の前にして、侍ジャパンの選手たちがひるむことなく、チーム全員が強い気持ちで立ち向かうことができたのは、リーダー的な存在だった大谷選手が、試合前に語った一言が大きな支えになった。

 憧れるのをやめましょう。。。(中略)。。。今日1日だけは、憧れてしまっては超えられないので、僕らは今日、超えるために、トップになるために来たので。今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう!

 見事な即興スピーチだった。14年前にも、イチロー選手が同じようなことをチームメイトに言っていたことを思い出す。

 このように即興スピーチにはさまざまなメリットがある。では、実際にどのようなトレーニングをすれば良いのか。それを説明するには、まずどんな問題点があるのかを明確にして、それぞれの問題に対処できる方法を考えていこう。

即興スピーチの問題点・悩み

  1.  言葉が出てこない
  2.  自信がない
  3.  話がまとまらない
  4.  目的(主旨)がはっきりしない

① 言葉が出てこない

 即興スピーチは、事前の準備ができないため、話す内容をその場で考える必要がある。さらに、即席で話す状況というのは、思いがけないことが起こる可能性すらある。そのため、緊張したり、話す内容を思いつかなかったりすることが多く、適切な言葉が出てこないことが多々生じる。

 WBCのインタビューでも、侍ジャパンの代表の中で、適切な言葉を選んで表現豊かに受け答えができている選手は少なかった。しかしながら、それを逆手に取って、「最高です!」しか出てこなかった、その言葉を繰り返すことで、それが逆にウケた岡本選手のような例もある。あれはあれで「最高!」だと思った。それに合わせて質問するインタビューアーも「最高です!」と答えても不自然でない質問ばかりをしていたのが興味深かった。

対処法:

何か自分の深く印象に残った場面・エピソードを決めておき、それを具体的に話をするとよい。また、それに関連する知識や表現などを学習しておくことも大切。→後述の②、⑤を参照

② 自信がない

 事前の準備ができないため、自分自身が話す内容・話し方に自信が持てないことがある。また、聴衆の前で話すことに対して緊張し、あがってしまい、頭が真っ白になることもある。

対処法:

場数を踏んで慣れるのが一番。→後述の①を参照。

③ 話がまとまらない

 その場で急にスピーチをするため、話の流れをまとめられないことがある。そもそもスピーチなので、話がまとまらないと、単なる雑談のようになってしまい、聴衆が理解しにくく、言いたいことを適切に伝えることができなくなる。

対処法:

話の構成を考える訓練をすること。また、一瞬で話題を選ばないといけないので、迷っている暇はない。直感で浮かんできたことを話すように心がける→後述の③、④を参照

④ 目的(主旨)がはっきりしない

 即席で話すとはいえ、相手に伝えるために適切な言葉選びや表現力が必要になってくる。これがないと、伝えたいことがうまく伝わらなくなる。さらに、即興スピーチでは、ある程度の方向性は持てるものの、はっきりとした目的がなかったり、メッセージがボケてしまったりすることがある。目的・メッセージ性がはっきりしないと、話の軸がぶれてしまい、聴衆は、あなたが何を言っているのか混乱することになる。

対処法:

「あれも言いたい、これも言いたい」という考えは捨てて、何か一つに絞って話してみよう。→後述の⑤を参照。

 これらの問題点を解決するためのトレーニング方法を以下に解説していこう。

即興スピーチのコツとトレーニング方法

即興スピーチは、その性質上即興なので「準備はできないし、しても仕方がないのでは?」と考える人もいるだろう。しかし、準備は可能であり、トレーニングをすればするほど効果がある。では、どんな準備・トレーニングをするのが効果的なのかについて詳細しよう。

  1. 機会を作って練習し、話し方(デリバリー)を訓練し、場慣れしておく
  2. いろんな話題について知識を蓄えておく。質問を想定し準備する
  3. 常に論理的に話せるように訓練をしておく
  4. 話し始める前に一瞬で整理するコツ
  5. 一つのメッセージを明確に、具体的に語る

1. 機会を作って練習し、話し方(デリバリー)を訓練し、場慣れしておく

機会を作る

 即興スピーチに限らず、スピーチ全般に言えることだが、繰り返し練習することが一番の上達法だ。しかし、準備できる普通のプレゼンやスピーチと違って、即興スピーチは、その場で瞬時に考えて話さないといけない。なので、そういう機会を意図的につくって練習するのが望ましい。

 例えば、会社の朝礼で、部署ごとに社員一人ひとり1分間スピーチをする機会があるなら、それを大いに利用しよう。もし、そういう機会がなければ、自分で提案して作ってもいい。あるいは、家族で寝る前に「今日の出来事」と題して3分スピーチを練習しても良い。

 私の場合は、トーストマスターズというスピーチクラブに所属した。毎回、必ず即興スピーチセッションがあるので、それに積極的に参加した。最初は、当てられるのを避けていたが、慣れてきたら、自分から進んでできるようになった。

 その際には、自分の話し方を録音して聞き返したり、友人や家族に聴いてもらったりして、自分の出来具合を客観的に評価することが望ましい。とにかく一番のコツは何度も練習して、慣れることだ。

 また、即興スピーチでは、自分の意見を自信を持って伝えることで、聴衆にも伝わりやすくなる。自信を持って話すためには、スピーチ自体に慣れて、経験値を高めることと、前向きな思考や、心身ともにリラックスした状態を作ってスピーチに臨むことが大切だ。

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即興スピーチで成功するコツは、機会を作って練習し、場慣れしておくこと。質問を想定し準備する。パターンを覚えてそれにスピーチを当てはめる訓練。最初に頭に浮かんだ直感を信じてそのトピックを話すこと。一つのメッセージを明確に、具体的に語ること、が重要になる。

デリバリー(話し方)にも注意

 スピーチの内容だけでなく、話し方にも注意することが大切だ。明瞭な発音や適切なトーン、手の動きや目線など、話し方を意識して練習することで、聴衆の興味を引き、より分かりやすい話をすることができる。それには、自分のスピーチをビデオに撮ることが望ましい。最初はかなり勇気がいることかもしれないが、自分で自分の姿を見ることで、すぐに改善点が明らかになり、改善のスピードが早まることは請け合いだ。

 デリバリーについては、書面ではなかなか伝えにくいので、スピーチ教室に通ったり、トーストマスターズなどのスピーチクラブに所属するのがお勧めだ。弊社のブレイクスルー・ウエビナー基礎コースでも教えているので、ぜひご利用いただけたらと願う。

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積み上がった本を横に悩む女性

2. いろんな話題について知識を蓄えておく。質問を想定し準備する

即興スピーチでは、予め準備することができないため、話題について十分な知識を持っていることが重要となる。日頃から、自分の興味ある話題については、情報を積極的に集め、いつでも話ができるように準備しておこう。

プロ野球選手のインタビューなどの場合は、だいたい話す内容は決まっているので、質問される内容を想定して、準備しておくことは十分可能だ。特に、これが外国語となると重要になる。言いたいことを適切に表すボキャブラリーをあらかじめ調べて、覚えておかないと、とっさに「言葉が出てこない」羽目にはまってしまう。頭が真っ白にならないように準備を怠らないようにしたい。

3. 常に論理的に話せるように訓練をしておく

即興スピーチだからと言って、思いつくままに、闇雲に話せばいいってものではない。あらかじめ、話の構成を考えることで、あなたの話がまとまって聞こえ、論理的に、理路整然と話が展開されるようになる。

思いつくままに話すよりも、このパターンにはめて話すように心がけた方が、実は簡単なのだ。これは実際にやってみるとわかるので、ぜひ、試して欲しい。

即興スピーチでの構成づくり

(1)サンドウィッチ方式

よく言われるやり方で、序論、本論、結論の順で述べることだ。多くの人がしているやり方なのだが、本論のところで、要点が明確になっていないケースをよく目にする。そこでご提案したいのは、本論では三つポイントを述べる、ということだ。常に「三つ、三つ」と考えることによって、自然と序論、本論、結論の構成に基づいて述べることができ、聞いている方も聞きやすく、話題が整理されやすい。

まず序論では、自分の言いたいことをズバッと述べよう。これだけで、特に工夫しなくても、聴衆を惹きつけるオープニング(序論)となる。時間があるなら、話題の背景や目的を説明する。

本論では、重要なポイントを三つ用意する。例えば、問題点を最初に一つあげ、その解決方法を述べ、その結果どうなるかを説明するといった具合だ。聴衆が理解しやすいようにまとめることがポイントになる。

結論では、最初に述べた自分の言いたいことを繰り返す。できれば、違う言葉を使うのが望ましいが、即興スピーチなので、全く同じでも構わない。繰り返し述べることで、聞き手の印象に残りやすくなる。序論と結論で同じことを言うので、サンドウィッチ方式と呼ばれる。

具体例:

序論:「今日は、スピーチスキル向上によってマネジメント能力が上がることについて話します。私自身、スピーチに興味があり、スピーチスキルを向上させる努力を重ねた結果、組織運営がうまく行くようになった経験があるので、それを今日はみなさんと共有したいと思います。」

三つのポイント(本論):「まず、スピーチスキルを磨くことでどのようにマネジメントスキルが上がるのか。次に、スピーチを磨くための具体的方法について。最後に、スピーチを磨くことで私の組織がどう変わったかついて説明します。」

結論:「このように、スピーチスキル向上は組織運営にとって大きくメリットを促すものです。しかし、スピーチが苦手という人も多いことでしょう。でもご心配無用です。今日ご紹介した方法を使って、そこをうまく乗り越えていくことで、より良いリーダーシップを発揮し、チームメンバーを喜ばせ、結果を生む組織づくりが可能になることでしょう。」

 序論で、いきなりズバッと言いたいことを言う、との手法は、先の大谷選手も使っている技だ。最初の開口一番、「憧れるのをやめましょう!」と結論を述べているのだ。だから、話も聞きやすいし、話もしやすい。

(2)PREP方式

 即興スピーチの時に使える構成としてPREP方式があり、これは、非常に有用な手法だ。Point(ポイント), Reason(理由), Example(例), Point(ポイント)の順番で話すので、PREPと呼ばれている。上のサンドウィッチ方式と基本的には一緒で、違いは、本論の部分が、主題を支える「理由」と「事例」になっているだけに過ぎない。

Point(ポイント):最初に話すべき主題を明確にし、簡潔に説明する。まずは何について話すのか、聴衆に伝えたいことは何かを明確にすること。例えば、「ボランティア活動は、社会貢献につながる素晴らしい経験です」のように、話の主旨を短くまとめる。

Reason(理由):なぜそのポイントを選んだのか、その理由を説明する。例えば、「なぜなら、ボランティア活動を通して、見返りなしで誰かのために行動をすることの大切さを学び、自分自身が成長でき、生きがいを感じることができるからです」といったように、そのポイントを選んだ理由を説明する。

Example(例):そのポイントを裏付けるような、具体的な例や体験を紹介する。例えば、「私自身も、ボランティア活動を通じて、自分のスキルや能力を磨き、社会に貢献できることの喜びを知りました。また、ボランティア活動を通じて、新しい友人を作ったり、過去にやったことのない新しい経験を得られました」のように、具体的な例、体験談を披露する。

Point(ポイント):最後に、再びポイントを強調する。再度繰り返すことによって、聴衆にメッセージを強く印象づけることができる。

具体例:

「ボランティア活動は、社会貢献につながる自分が成長できる素晴らしい経験です(ポイント)。 なぜなら、ボランティア活動を通して、見返りなしで誰かのために行動をすることの大切さを学び、自分自身が成長でき、生きがいを感じることができるからです(理由)。例えば、私は過去にホームレス支援のボランティアに参加し、食事の提供や日用品の配布を行いました。そこで、人々から直接お礼の言葉をもらったり、笑顔をもらったりすることができ、自分の力で誰かを助けることができたという喜びを実感できました。これは私にとって新しい経験でした。また、この活動を通じて、新しい友人も作ることができました()。だから、ボランティア活動は、社会貢献につながり、自分を成長させてくれる素晴らしい経験だと思うのです(ポイント)。

 PREP方式は、一人で時間のある時や、または友人家族と一緒に、何かトピックを決めて考えてみて、理由や事例を考える癖をつけるとよい。普段から、何か自分の意見を言いたいときは、常にその理由と体験談や事例を挙げるように習慣づけておくと、即興スピーチにおいても、言葉につまることはないだろう。

(3)ストーリーは失敗話を中心に

 即興スピーチの時に、ストーリーを紹介するのはよくあるパターンだ。しかし、その時に成功談ばかりしてしまうと、自慢話に聞こえてしまう。逆に、積極的に失敗談を取り入れることで、聴衆の共感を生み、あなたの真の意図が伝わりやすくなる。失敗談だけで終わらせることなく、必ず成功へと繋がったきっかけになった言葉・出来事を盛り込むことを忘れてはならない。

 構成としては、失敗談を話の柱として据えて、

  • なぜ失敗し、自分はそれをどう克服したのか、
  • その克服するきっかけとなったのは何か(誰かの言葉・行動・本)? 
  • 失敗する前と後ではどう変化したか?

これらの要素を交えて話すだけで、かなりドラマチックで印象的な即興スピーチになるはずだ。

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自己顕示欲と自慢話にうんざりする聴衆

4. 話し始める前に一瞬で整理するコツ

即興スピーチの時に、一番困るのは、何を話すのかを迷ってしまうことだ。この時、私がやるのは、一番最初に頭に浮かんだものを、それが自分が得意か、好きか、関係なく、それについて話すこと。そして、どの構成パターンで話そうかを考えて、そこに当てはめること。

  1. 最初に頭に浮かんだものを、有無を言わずにそれについて深く考える
  2. まず、サンドウィッチ方式で、本論の三つの構成要素を考える。三つ考えられない場合は、理由と事例(体験談)を考え、PREPの構成に当てはめる
  3. 頭に浮かんだものが、昔経験したストーリーの場合は、何を失敗したのかを思い出し、変化のきっかけを思い出し、順番に話す

5. 一つのメッセージを明確に、具体的に語る

 即興に限らずすべてのスピーチに当てはまることだが、言いたいことは一つにまとめ、主旨を明確にすることが大切。スピーチで何を伝えたいのか、どのような点を強調したいのかを一つに絞ることで、相手の心に響き、いつまでも覚えてもらえる話ができるようになる。先の大谷選手の言いたいことは「憧れるな」という一つのメッセージだった。

 それに、即興なので、あれもこれも話している時間もないだろう。

 WBCの侍ジャパンの優勝帰国記者会見で、とても聞きやすく印象に残る話があった。それは、各コーチがそれぞれ「一番印象に残っているエピソードを聞かせてください」との質問に答えている場面だった。質問自体も具体的で答えやすい内容だったが、それに応えたコーチ陣も、的確でわかりやすかった。それは、

  • エピソードが一つに絞られていたこと、
  • その場面を具体的に描写していたので、イメージしやすかったこと

が理由として挙げられる。

一つのメッセージ(ワンビッグメッセージ)の絞り方はこちらの記事に詳しい↓

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折りたたみ椅子が並んでいる

ブレイクスルー(BT)メソッドで即興スピーチのコツをつかむ

 ブレイクスルーメソッドとは、米国プロスピーカーとして活躍する当メディア編集長で、ブレークスルースピーキング代表の信元が、長年の知識と経験を元に日本人向けに開発したスピーチ学習オンライン型双方講座。内容は、スピーチ・プレゼンスキル向上のために開発された数あるメソッドの中からエッセンスを抽出したものを、しかも日本人がグローバルな場面で活躍できる場面を想定して作られている。

 ブレークスルーウェビナー基礎コースを受けることで、世界基準のビジネス特化型のスピーチ・プレゼン術を最短効果的に習得できる。私が本講座の講師となったストーリー『私がブレイクスルーメソッドの伝道師になった理由とは』でもお話ししているように、スピーチに必要な知識と技術が集約されており、これからスピーチ・プレゼンを本気で学びたいと思う方に、おすすめの講座といえる。オンラインで1か月、スピーチ・プレゼンのブレークスルーを体験してみてはいかがだろうか。

 基礎コースで、スピーチの根幹を学んだ人には、実践コースも用意されている。定期的な間隔をおいてこれらを受講することで、あなたの学習進度状況を見ながら、その人に合ったコーチングが受けられる。即興スピーチを学びたい人にはさらに特別ウエビナーも用意されている(下記)。他にも、段階的にステップアップできるように違うテーマでも受講できる。実践コースは、かなり少人数なので、個人レッスンとほぼ変わらないクオリティだ。上級者には、個人コーチングも用意されている。

 
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