2021ミセス・グローバル・アース グランプリに導いたスピーチ

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

2021年12月21日に都内で開催された『2021 ミセス・グローバル・アース ダイヤモンドセレブレーション』で、コーチングさせていただいた、糸瀬直子さんが見事、55歳以上のグリーンダイヤモンド部門のグランプリを獲得され、『2022 ミセス・グローバル・アース世界大会』への進出を決めました!

過去最短記録

糸瀬さんからご依頼があったのは、実はこの大会開催たった二週間前という切羽詰まった時期;;;
もちろんスピーチはご用意されていて、アドバイスももらいながら作り上げられたものだったそうですが、2週間前のリハーサル時に、主催者側から、「これではあなたの良さが生かされていない」とご指摘を受け、やり直しを要請されて慌てて私のところにご依頼があったものです。
しかも、ご依頼があったのは、私が連日午前2時、3時、4時、までの研修や登壇が3週間連続で続いた、猛烈に激務なタイミング…;;;更には、”明後日までには大会主催者に手直ししたものを再度見てもらわないといけないんです!!!!”とのご要望…(苦笑)
明後日…💦💦💦
通常ならば、1回目のセッションでじっくりお話を引き出し、1~2週間くらいかけて2回目までにストーリーをじっくり練ったうえで、2回目セッションでご本人と協議しながら洗練させ、更にメール等でもやりとりしながら調整を繰り返し、3回目セッションで、ご自身の言葉に微調整しながら最終形に持って行く、というプロセスなのです。
ミズワールドユニバーサルの世界大会で準優勝された永家瞳さんの時もご依頼が世界大会1か月前で、それでもご本人にとっての準備期間が十分でなく焦ったのですが(苦笑)、今回はそれを大幅に上回る切羽詰まり感💦💦💦
永家瞳さんの記事はこちら↓
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糸瀬さんからご依頼を受けたその週は、開いていたのがたまたまご依頼の翌日1日のみ、だったので、その日に詰めて2回分のセッションを行い、セッションの中で聞き込みからワンビッグメッセージの選定、ストーリー骨子作り、そして原稿への落とし込み(しかも日本語と英語をそれぞれ約30秒づつで計60秒になるスピーチを準備しなければならない)、一気に仕上げました。つまり、ご依頼からたった1日で仕上げたということです;;これ、過去最短記録です(笑)そして1週間後に最終セッションでデリバリーも仕上げていきました。

ミセスグローバルアースとは

ミセスグローバルアースは、「美」のみならず、地球環境保護をコンセプトとし、地球環境問題に真剣に取り組むオピニオンリーダーを輩出する世界4大ビューティーページェント、ミスアースのミセス版。国際的な環境意識の促進を訴えるため「ミスコンテスト」を効果的なツールとして取り入れた国際環境イベントです。

皆さんもご存じの、国連が取り組むSDGですが、その中長期目標である「2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)」では、飢餓・貧困の解消や生態系の保全などと並び、女性のエンパワーメントや持続可能な農業生産などの項目が掲げられており、ミセスグローバルアースでは、SDGsと並行して、より女性が活躍できる社会を目指すため、世界のすべての女性活躍の場を本大会を通じて創出することを目的としています。コロナ禍を乗り越えながら、SDGs達成に向けた取り組みのスピードを速め、未来の子供たちに誇れる地球を守るために、ミセス・グローバル・アースはページェント開催を通して小さな一歩から様々なことに取り組んでいる団体です。

聞き手と話し手との共通項を見つける

糸瀬さんは、ラジオアナウンサーやナレーション、司会の仕事など、「声のプロフェッショナル」として活躍されていますが、幼少期から曽祖母や祖父母と同居して育ち、親や姑の介護をしてきた経験から、「シニア世代にも喉を鍛えて、健康寿命を実現してほしい」、というミッションをお持ちでした。日本のシニアが健康で美しく元気になるために、シニア世代のファッションショー×コンテストのような大きなイベントをやりたい、ウォーキングやスピーチをステージでしてもらう機会を提供することで、ウォーキング練習で足腰を鍛えスピーチ練習で口や喉、肺を鍛える。楽しみながらそういう機会を作りたい、そう願っていらっしゃいました。

オリジナルの原稿(30秒分、日本語パート)はこちらです:

 

私は、両親や祖父母、またお姑さんの介護を経験し、高齢化社会と向き合う機会をいただきました。またそのことは地球環境問題に影響することを学びました。長年携わってきた、声の仕事を元に喉を鍛えて美しく生きることを伝え、世界屈指の長寿国である日本から笑顔を広めて参ります。

 

さて、ここで、上記「ミセスグローバルアースとは」で太字にしている部分に再度ご注目ください。ミセスグローバルアースでは、「地球への貢献」が大きなテーマとなっています。つまり、ミセスグローバルアースのグランプリは、美の日本代表であるだけでなく、いかに自身のミッションが、地球への貢献につながっているか、が鍵となります。

ところが、糸瀬さんの元原稿には、「地球環境問題」という単語は出てくるのですが、「高齢化社会」と「地球環境問題」との接点が見えにくくなっていました。

「高齢化社会への貢献がどう地球環境問題につながるんでしょうか?」。

ここの説得力がもっと欲しい。そこで糸瀬さんに尋ねてみたのです。

当初のご説明では、「高齢化社会が進むと一人暮らしの高齢者も増え、コンビニなどで出来合いの食べ物を買って食べることが増え、そうするとごみも増えていく」、とのことでした。

私はさらに糸瀬さんの思考へチャレンジしてみました。

「例えば一人暮らしの大学生の男子生徒を考えてみてください。下宿で、自分で料理もせず、育ち盛りの男子なので食べる量も多い。スナックなども食べるだろうしカップ麺なども頻繁に食べるかもしれない。飲食の量が高齢者一人暮らしとはまるで違います。標準的な一人暮らしの高齢者と、このような男子大学生とでは、ごみの量、どちらが多いと思いますか?」

「男子大学生でしょうね…」

「一人暮らしの高齢者の人数と、一人暮らしの若者の数の比較はリサーチしないと分かりませんが、60秒のスピーチだけを聞いた方は、瞬間的にイメージで論理性の判断をします。その観点から考えると、高齢者問題への訴求はどうゴミ問題につながるでしょうか?」

「。。。。」

ここで糸瀬さんは行き詰ってしまいました。

聞き手のロジックを念頭に置く

そうなんです、聞き手は瞬間的に自分のロジックに当てはめて相手の言っていることを判断します。しかもこのスピーチはたった30秒です。ですから、ロジックに飛躍があるように聞こえると、説得力が欠けてしまうのです。

そこで、違う方向から糸瀬さんに投げかけてみました。

「糸瀬さんの場合、「声」と、「高齢者」が大切なミッションの要素ですね。地球への貢献、と言うと、環境だけを考えがちですが、もっと広義の意味で「地球への貢献」をとらえられないでしょうか。つまり、地球を構成するのは、「ヒト」である、という観点です。」

視点を「(地球を構成する)環境」から「(地球を構成する)ヒト」へと広げてみると、糸瀬さんのミッションとのリンクが少し見えてきました。

地球=人の集合体。地球を構成する人を楽しく生き生き挑戦し続けることで地球が元気になる。

それを「声の力」でお手伝いしたい。それが糸瀬さんのミッションです。

ご本人から感動の涙を引き出したストーリー

 声の力で世界を繋ぎたい

でも、糸瀬さんしか持っていない核心部分にたどり着くのは、まだあともう一歩、と感じた私は、更に糸瀬さんの思考へのチャレンジを進めます。

「声を鍛えると、高齢者がどう元気になるんでしょうか?」

「笑顔になる、楽しく美しく生きる、自分に制限かけない、若者にも元気を与えられる…」

このあたりから、糸瀬さんの心の奥の扉が開いてきました。

介護の間、「早く死にたい」ばかり聞き続けてきて、聞くたびに歯を食いしばってきたこと。精神的にも肉体的にも疲れ果てて帰宅すると、「遅く帰ってきたな」と家族に言われ、更に心が打ちのめされそうになったこと…自分の母から「早く死にたい」を聞いたときが一番つらかったこと…それを毎日のように、有に100回以上は聴かされたこと…。

だからこそ、高齢者たちが、そういう言葉を発しない社会を心から願いたい。自分に制限かけず、すべき枠を外すことで楽しく生き、若者に元気を与えられる高齢者を応援すると地球が元気になると信じている。だって、存在が素晴らしいのだから。

「Voice-声」のもう一つの意味

ここまで伺って、ひらめきました。
声=Will、つまり意思そのものなのだ、ということ…!!!
そこで糸瀬さんに伝えました。
「地球を広義の意味でとらえられることができました。声、についても、もっと広義の意味でとらえられないでしょうか。音声・肉声としての声、だけでなく、自分自身の強い意志(will)=Voice(声)、と捉えることで、「Empower Your Voice(あなたのボイスをエンパワメントする)」、それが糸瀬さんの人生のワンビッグメッセージなのではないでしょうか。」
すると糸瀬さんは、きれいな大きな瞳を更に大きく見開いて驚き、涙を流して、「すごい…そうです…それです…」と泣きながらおっしゃってくださいました。
こうして出来上がった原稿は、こちらです:

 

“I want to die already”. Said my aging mother 100 times. I was like a water-filled balloon, ready to explode. Everyday, I went home feeling drained. Day after day, I heard such negative words. I felt helpless. I lost my voice.

Have you ever lost YOUR voice?

ボイスとは、あなたの意志そのものです。美しく生きる力です。自分の枠を外し、挑戦し続け、自分の想いを発信することができる力です。

声のエキスパートとして私がこの地球に貢献できること。それは、声のエンパワメントによって人生を謳歌する人たちのエネルギーを地球に循環させることです。

Empower Your Voice

 

効果的なデリバリー演出

最後の仕上げはデリバリーの演出です。

ページェントでは、スタンドマイクに向かって話すため、そこから動けず、場所を効果的に使う、という演出ができません。ですからどうしても、手の動きだけになってしまいがちですが、冒頭のインパクトあるセリフを更に効果的に見せるため、何か工夫が出来ないかと思い、なんどか糸瀬さんにやっていただいたところ、最初、自然と、右上に向かって顎を上げるようなしぐさをされていたのに気づきました。遠くを見て思い返すような雰囲気でとても良いと思ったのですが、そこに安住せず、更に色々違うバージョンをやっていただいたところ、右上ではなく、少し右下を向いて(顔が隠れない程度のほんの少しの角度をつけるのみ)、目をつぶって最初のセリフを言ってみていただいたところ、これが素晴らしい!!

スピーチやプレゼンでは、冒頭目をつぶる、ということはほぼないものですが、冒頭のセリフがセリフなだけに、思い切って、少し眉間にしわを寄せながら目をつぶってみていただいたところ、セリフそのものへの効果はもちろんのこと、糸瀬さんの美しいフェイスラインも際立ってぴったり合ったのです。そこで、次のように演出させていただきました:

 

(間) (目つぶる。斜め下向き)“I want to die already”. (目あける)Said my aging mother 100 times. I was like a water-filled balloon(両手徐々に広げて風船を表現), ready to explode(手さげて風船がはじける様子を表現). Everyday, I went home feeling drained. (観客に語り掛ける)Day after day, I heard such negative words. I felt helpless. I lost my voice.

(間)Have you ever lost / YOUR (観客に手差し伸べる) voice?

糸瀬さんは一番右、水色ドレス

個人セッション3回であなたの人生のワンビッグメッセージを引き出します

個人セッションではこんな風に、「私のストーリーはまさにこれです…!!!(涙)」と感動の涙を流されるクライアントさんが多々いらっしゃいます。クライアントさんが一番輝くストーリーの種を見つけ、一気にそこに太陽を当てて大輪の花を咲かせる。ストーリー作りの裏にはこんな小さなドラマもあって、私も、一緒に作り上げた充実感もあり、そして共に運命共同体としてスピーチを仕上げさせていただいたクライアントさんが、どんどんと世界へと旅立っていかれる…感無量です。
信元による、戦略コンサルの分析力とプロスピーカーのストーリー術を組み合わせた唯一無二の個人セッションだからこそ、あなただけのスピーチ、ストーリー、プレゼン、あるいはあなたの人生ワンビッグメッセージを引き出すことができるのです。
是非皆さんにも体験していただきたいと思います。
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