「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。
相手を説得したい、大切な情報を伝えたい、購買などの行動喚起をしたい、感動を与えたい、意識改革をしたい…。
皆さんがプレゼンやスピーチをする際、さまざまな目的があることと思います。
目的は異なれど、すべてのパブリックスピーキングに共通しているのは、聞き手に何らかの影響を与えたいという点です。
しかし、スピーチをする際、大体最初にすることは何でしょうか?
ほとんどの人は、まず原稿を書き始めたり、パワーポイントに向き合うことからはじめます。
でも考えてみてください。
マーケティングの戦略設計をする際、自分が作りたいものを最初に考え、なんとなくあたりをつけて、いきなり商品開発をしたりするでしょうか?
しませんよね。
対象となる市場やターゲット顧客の調査や分析をまず行って、市場性やニーズ、顧客の行動パターンなどをよく知ることから始めるはずです。
「オレオレスピーカー」からの脱却
スピーチも実は同じなんです。
いきなり原稿を書き始めたら、「聞き手が何を求めているのか」ではなくて、「自分が何を言いたいのか」に偏ってしまうと思いませんか?自分視点の持論ばかり語っていたら、お酒の席でも相手に嫌われてしまいます。
しかし、スピーチをする際、知らず知らずのうちに、そんな「オレオレスピーカー」になってしまう人は意外にも多いものです。
「オレオレスピーカー」にありがちなフレーズ
「わが社はお蔭様で高い評価を得ております」
「わたくしのバックグラウンドをまずお話します」
「我々はあなたにこんな素晴らしい商品を提供できます」
といったフレーズに心当たりはありませんか?
商品やサービスが顧客視点のものである必要があるのと同じように、スピーチも聞き手にとってどんなベネフィットや学びが得られるのか?という「聞き手視点」でなければ、誰もあなたの話を聞こうとはしてくれないでしょう。
原稿を書き始める前に必要なプロセス
よく知りもしない相手に影響を及ぼすのは大変なことです。
ですから、原稿を書き始める前に、マーケティングでいうところの「調査・分析」のプロセスが非常に重要なのです。
このシリーズ(全3回)では、スピーチ構成の前にすべきこととして、どのような観点から調査・分析し、それに基づいてどんなメッセージを構築していくのか、という極めて重要かつ戦略的なプロセスについてお話します。