コロナがもたらしたもの。それは人々にオンライン化を強制したこと。アメリカ教育界ではオンライン授業が当たり前になった。私もほぼ毎日オンライン会議、セミナーがある。
オンラインセミナーを成功に導く鍵は、いかに聞き手の集中力を維持できるかにかかっている。
リアルセミナーでは、参加者はその会場に拘束され、講師の話を聞こうとする人たちが集まっているので、自然と集中力が高まる。講師も、相手の反応を感じながら話せるので、全体の雰囲気・熱気を一緒に作り上げることができる。
リアルセミナーとは違い、邪魔が入りやすい環境
一方で、オンラインセミナー・説明会では、どうしても聴衆の集中力が下がってしまう。参加者は、ちょっとでも内容がつまらないと他のこと(メールのチェックなど)に、つい手を出してしまうし、会社なら、同僚が話しかけてきたり、電話がかかってきたり、家庭ならば、子供が話しかけてきたり、宅急便が届いたりなど、邪魔される要素がたくさんある。どこでも自由に受講できるから、と公園でリラックスしながら受講する人もある。そんな場合は機械上のトラブル、電波が途切れる、などで中断してしまうこともある。コンピュータの前にいない参加者もあり、例えば洗濯をしながら、話を聞く人もある。
だから、主催者側は、余計なことはなるべく省き、できるだけ内容を絞って、要点のみにし、時間を短くするように心がける。
しかしながら、内容を絞って時間を短くしても、眠気を誘うような、ありきたりなやり方では聴衆を満足させることはできない。たとえ洗濯していても、思わず画面に惹きつけられるようにするはどうするかを考えなければならない。聴衆の集中力をいかにキープするか、というのがオンラインセミナー成否の決め手なのだ。
オープニングで聴衆の集中力をキープさせる
- 7秒ー30秒ルールを理解する
- ワンビッグメッセージを疑問形で!
- ロードマップを敷き、プロミスする
1、7秒ー30秒ルールを理解する
聞き手は、聞き始めてから7秒でスピーカーであるあなたの印象を決め、30秒であなたの話に興味があるかどうかを判断する(7秒ー30秒ルール)と言われる。だから、最初に面白みのない内容を持ってきてはいけないのだ。自己紹介、会社概要などは、わざわざ話さなくても魅力的なブログや動画をつくっておいて、それを見てもらえばいい。
そうではなくて、もっと興味の湧くような、相手をワクワクさせる内容を冒頭に持ってこなくてはいけない。
例えば、自社の強み、一番のセールスポイントなど、セミナーで一番言いたいことを相手を惹きつける言葉でまとめたものを冒頭に持ってこよう。聞き手に「面白そうだ。これは自分にとって有益だ」という印象を与え、「よし話を聞いてみよう」という気にさせよう。
2、ワンビッグメッセージを疑問形で!
オープニングに自社の強み、1番のセールスポイント、を持ってくるなら、日本語なら20語以内、英語なら10 ワード以内で、一つの文章にまとめてみよう。聞いていて苦々しく思うのは、言いたいことがいくつも含まれていて、長々と述べているけど、結局何を言いたいのかが分からない話。短い時間しかないオンライン説明会では絶対にこれはできないし、してはならない。
この言いたいことを、聞きやすく分かりやすい形で一つにまとめることを、ブレイクスルー・メソッドで、ワンビックメッセージ(One Big Message) と言っているが、それをオープニングで、バーンと宣言するかのように、衝撃的に紹介してもいい。しかし、最初から答えを言っては面白くないので、疑問形にして答えを隠してみるのも面白い。
例えば、「日本語なら20語以内、英語なら10 ワード以内で」をワンビッグメッセージとするなら、オープニングでは「相手を動かすベストな文の長さは?」と問いかけ、セミナー全体を通して答えを一緒に考える、という形式にすれば、聴衆は常に考えさせられることになり、集中力を失わずにすむだろう。
※本メディアの読者向けに基礎コース全5回の内容を特別公開中:
オンラインセミナーでは、いかに参加者の集中力を保てるかが課題。オープニングで相手の注意を引きつけ、ロードマップを敷き、プロミスをするだけで、今までのかったるいオンラインセミナーの印象を払拭できるだろう。
3、ロードマップを敷き、プロミスする
終わりのない話を聞かされるのは辛い。だから、オープニングでは必ずそのセミナーで話す順序・内容、いわゆるロードマップを示してあげよう。難しく考える必要はない。例えば、「今日は、プレイクスルーメソッドの3つの特徴についてお話しします」という感じだ。
そして聞き手に、「このセミナーを受けたらあなたにこんなメリットがありますよ!あなたの悩みが解決しますよ!」と約束してあげる。つまり、なぜあなたの話を聞くべきなのか、どんな聞き手のためになることがあるのか、を提供する。例えば、「普通に学校で学んだら1年はかかるであろう内容を最短3ヶ月で習得できます」といったイメージだ。
オンラインを活用しビジネスチャンスを広げよう!
オープニングでそのセミナーの目的が明確に示され、魅力的なプロミスが与えられ、ロードマップが敷かれれば、参加者の集中力はその後もほぼ保たれる。テンポよく進行することも重要だ。こういった、ただほんの少しの工夫をするだけで、あとはあなたの腕次第。相手の集中力さえゲットできれば、オンラインセミナーの利便性が最大限に生かされ、わざわざ現地に赴かなくても、ビジネスチャンスが大いに生まれ、広がる可能性が無限にある。
オンラインセミナーでは、いかに参加者の集中力を保てるかが課題。オープニングで相手の注意を引きつけ、ロードマップを敷き、プロミスをするだけで、今までのかったるいオンラインセミナーの印象を払拭できるだろう。