【事例紹介】スライド改善ビフォーアフター:より分かりやすく魅力的に仕上げる5つのコツ

オンライン会議の需要が高まり、分かりやすいスライドの作成の必要性が高まっている。視覚資料を、補助的に、かつ効果的に使うことがあなたのプレゼンの成功を決めるといっても過言ではない。より難解な内容は、イラストや、図式、チャートで分かりやすく示したり、スライドをシンプルな構成にして、紙芝居をみているように演出できたら、聞く人にとっては腹に落ちやすい。耳で聞くことに加えて、目で確認することで説得力が増すからだ。

 そこで今回は、以前の記事で紹介したスライドの効果的な作り方の基本を抑えつつ、応用編として、実例の編集前と後を紹介し、具体的にどのように、どんなところに注意したら、聴衆の集中力を維持し、飽きさせない魅力あるスライドが作れるのかをご紹介したい。特に、実際の改善例の中で、どこをどういう理由で、どう直したのかを詳しく解説することを目的とする。

スライド作りの基本

スライド作りの基本的な要点については、以下の記事に詳しいので参考にされたい。

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オンラインで授業を受ける男性

スライドを作る際にしてはいけないこと

  1. スライドに書かれてある文章をひたすら読むこと
  2. テキストが小さくて読みにくい
  3. 色使いが悪く読みにくい。
  4. 要点ではなく、長い文章を載せる。
  5. テキストと図表・写真などのバランスが悪く、ごちゃごちゃしている
  6. グラフ・表などが複雑すぎて分かりづらい
  7. 不必要な小道具(効果音など)を使う

以上を踏まえて、次のご紹介するスライドの改善案を一緒に考えていくことにしよう。

1. スライドを原稿代わりとして使わない

次のスライドを見て、どこを改善したらいいだろうか?

スライドに読む文章を書き込む

上記の①、④を考えて欲しい。これは、レイアウトやフォントの問題ではなく、根本的な問題だ。スライドを発表原稿の代わりのように考え、当日はただスクリーンに表示された文字をひたすら読むように設計されているものだ。このように考えてスライドを作る人は案外多い。しかし、これはとてももったいない使い方なのだ。

視覚と聴覚の相乗効果

なぜか? それは映画やドラマのように、視聴者は、目から入ってくる情報と耳から入ってくる情報の相乗効果で興味をそそられ、話を聞くのに夢中になる。もし、目と耳からの情報が同じだったら、飽きてしまうし、興味もそそられず、あまり熱心に聞こうという気にならないものだ。

よって、こういうスライドはいらない。思い切って削除しよう。

こういう時は、代わりにスライドを消して、あなたが全面に出ると良い。もしオンラインなら、スクリーンシェアではなく、あなたの顔を大きく映すようにする。その方がより印象深くなる。主役はスライドではない。主役はあなたなのだ。そもそもここに書かれてあった内容は冒頭の挨拶だ。挨拶は、特にスライドを用意しなくても良い。

もし、原稿がないと不安なら、画面(スライド)に頼るのではなく、プリントアウトして別にあなたの手元に置いておこう。

2. シンプルさと読みやすさで強いインパクトを演出

スライド作成時に注意すべき6つのポイント

  1. 読みやすく、見やすく
  2. シンプルに
  3. 色使いは綺麗にバランス良く
  4. 長すぎず、短すぎず
  5. 紙芝居を作る要領で(絵や写真を効果的に使う)
  6. 進行はスムースに

以上を踏まえて、次のスライドを見てみよう。どこを改善したら良いだろうか。

Before

このスライドは一見良さそうに見える。要点がまとめられて、箇条書きになっているからだ。

しかし、よく内容を吟味すると、「なぜ出版?」と「出版されるとどんな良いこと?」の二つの質問は、似たような内容になっている。一つの本質的な内容を別の表現で言い換えている。そこで、ここは、

After

このように、タイトルだけにしてみた。

視聴者の「スポンジ状態」を創り出す

こうすることで、見た目にもシンプルで、インパクトがあり、さらに、これを見ている視聴者の頭の中には、この質問が繰り返し連呼され、「なんだろう?」と思わせることに繋がる。こうすることで、あなたが話す答えを吸収する素地ができ、その内容を心待ちにする状況ができあがる。このいわゆる視聴者の「スポンジ状態」は、話す側にとってはとても喜ばしい状況だ。タイトルだけのシンプルなスライドにすることで、このスポンジ状態を作り出すことができる。

3. 答えは隠す

次のスライドはどのように改善できるだろうか。

Before

このスライド作成者に模擬プレゼンをやってもらったところ、ここに書かれてあることだけを読んでいただけだった。上記の「スライドを作る際にしてはいけないこと」の①をしてしまっている。このままでは良くない。

そこで、原稿の方は、もう少し内容を膨らませるように提案し、さらに原稿代わりに読んでいた部分「著者が78歳にもかかわらず。。。」「読者の方は著者の情熱が。。。」の二つの箇条書きは消すことにした。

ここを消すもう一つの理由としては、答え的な性質を持つ文章である、ということだ。答えを出す前に少し考えてもらう時間を設けた方がより相手に内容を吸収してもらえるからだ。それができるように、タイトルだけを表示したり、写真を大きく使ったらどうかと考えた。

アニメーション機能の是非

でも、アニメーション機能を使えばいいのではないか? と考える読者もいらっしゃることだろう。

この上の画像はスライド作成時の画面なので、スライドの全ての内容があらかじめ見えてしまっている。しかし、実際にいざプレゼンを見せる本番では、スライドショーモードにして、アニメーション機能を使えば、タイトル以外の文章は隠しておいて、段落ごと順番に、文章が現れるように設定できる。そうすれば、答えを隠しておけるので、視聴者の興味を保つことができる。

しかし、それでもこの場合は、実際にあまりインパクトを感じなかった。なぜなら、

  • 原稿代わりに読んでいた点と、
  • スライドの構成がシンプルさに欠けていた点

があったからだ。もっとシンプルにすることで、視聴者に「スポンジ状態」を作らせ、もっと強いインパクトを与えることができる。

シンプルなスライドを増やすことでよりダイナミックなプレゼンに

他にもアニメーション機能に頼らない理由としては、アニメーション機能はスライドショーモードにしないと使えないので、もし、オンライン会議をする時にスライドショーモードが使えない状況が生まれると困るからだ。

また、アニメーション機能だけだと、同じ画面内での動きになるが、スライドの枚数を多くした方が、画面が次々に変わり、動きがより大きくなるので、視聴者を退屈させないことにつながる。

そこで、ここでは、この一枚のスライドを思い切って2枚の内容に分けてみた。

After

タイトルだけで一枚。顔写真のアップだけで一枚に変えた。

タイトルだけを見せて、答えは見せない。その説明を口頭でする。先程のように視聴者に「何だろう?」と思わせ、「スポンジ状態」にさせる工夫だ。

視覚と聴覚情報のハーモニーを意識する

同じく、この著者の顔写真だけを見せることで、視聴者にいろんな想像をしてもらい、それを補足するように人物紹介をする。こうすることで、視覚情報と聴覚情報の相乗効果が期待でき、より深みのあるプレゼンが可能となる。

スポンジ状態を作ったら次に吸収状態をつくり、メリハリをつける

ちなみに、答えを隠すことは興味をそそらせるために必要だが、答えを明示してそれを覚えてもらったり、メモしてもらったりすることも重要だ。その場合は、この質問、投げかけのスライドの後に、別のスライドを用意し、答えだけを示すようににすると良い。つまり、

「質問、問題の投げかけースポンジ状態(スライド1-2枚で)」

「答えを明示して吸収(別のスライド)」

の流れを作ること。

スライドからスライドへ移るタイミングも重要

また、このスライドを見せるタイミングも練習した方が良い。「スライド作成時に注意すべき6つのポイント」の⑥進行はスムースにとあるように、特に答えを示す時は、すぐに見せないで、

「さて、みなさん、どう思われますか? よく考えてみてください」

と直前に十分に間をとって引っ張ったり、少しディスカッションをした後で、おもむろに次のスライドを見せる。この方が盛り上がるし、流れのメリハリがつき、より内容を吸収してもらえる。眠そうにしていた視聴者を起こすことにもつながる。

4. 写真を使ってイメージを膨らませる

次のスライドはどう思うだろうか。

Before

ちょっとドキッとさせられる。これのみにとどまらず、反語的な似た内容が次のスライドにも登場した。確かに、インパクトという点ではいいかもしれない。しかし、視覚情報と聴覚情報が一致した状態で、ダブルでこのような内容を言われるとインパクトがあり過ぎて、逆に不快に思われはしないだろうか。

そういうリスクを避けるためにも、ここは、次のように写真一枚だけを使って表現することにした。

After

少し明るい感じを漂わせ、未来を見つめているようなシニアの写真があったので、この写真を見せながら、上記の内容を口頭で説明する、という形を取ることにした。こうすることで聞く人の過去を多少責めるような内容でも、前向きに捉えてもらえる。

それに、ここはクロージングの大事な場面だった。文字だけのスライドを何枚も見せるよりも、写真を示して、視聴者に想像力を使ってイメージを膨らませてもらい、余韻を残した方がより効果的だ。「スライド作成時に注意すべき6つのポイント」の⑤「紙芝居のように」とはこういう意味だ。

写真は、直接語りかけてこないが、聞き手のイメージを膨らませることができ、いろんなメッセージを含ませてくれる。その含みと自分の主張が絡み合って、説得力を増し、感動を与えることができる。ドラマや映画は、その辺のバランス加減が絶妙だ。

5. 情報は整理して、あれもこれも伝えない

次のスライドはどのように改善したら良いだろうか。

Before

これも一見、レイアウト的には問題ないように見える。しかし、見出しをパッと一瞬見て、即座にこのスライドで何を言いたいのかが、分かりにくい。その原因は、「XXさん」「奥様」「86歳」「66歳」「アメリカ留学」など情報が盛りだくさんすぎて、どれがメインの情報なのかが分かりにくくなっていることにある。主役はXXさんなのか奥さんなのか? 重要なのは86歳なのか66歳なのか? アメリカ留学はここでいう必要あるのか? などを検討しないといけない。

そこで次のように変えてみた。

After

 これは、新聞や雑誌の記事にも共通することだが、見出しのメインの文字を大きく、サブの文字は小さくするのがコツだ。さらに、主役はXXさんなので、奥さんのことは削除。またアメリカ留学についても削除し、口頭で説明することにした。88歳と66歳をどちらを強調するか? の問題は、あくまでも「定年後に起業した」というのが話のポイントなので、66歳を大きく目立つようにした。

あなたが主役! スライドは脇役

十分な準備時間を計画的に用意する

 上記で解説した全ての点を改善し、またスピーチ原稿も少し書き直した結果、このスライド作成者は、自信を持ってプレゼンができ、聴衆からの評価は上々だった。

 スライド作りは時間がかかるもの。その分の時間を加味しながら計画的に準備したい。また、スピーチ原稿とスライドを同時に作り上げることも大切だ。そうすることで、ポイントを突いた話ができ、説得力のある構成が生まれ、それを補助するスライドが誕生する。

 スライドは、あくまでも、あなたの強調したい点などを補強してくれる題材だ。なので、聴衆の注意を別の方面に逸らしてしまうような、内容が盛りだくさんで、文章がたくさん載っているものではなく、よりシンプルなものを作るように心がけよう。スピーチの主役はあくまでもあなたなのだ。

 「説明しなくてもスライドを見れば分かるようにする」のは、オンライン会議にはそぐわない。逆に目指すのは、「このスライド面白そう、だけど説明してもらわないと分からない」、そんなスライドだ。別に拙い話でもいいのだ。聴衆は、あなたの生の声、あなたの話が聞きたい。そしてあなたの熱意を感じたいのだ。

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