ビジネス必須スキル!積極的傾聴(アクティブリスニング)の実施方法

「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。

ビジネスにおける積極的傾聴の重要性

ブレイクスルースピーキングでは、主に、グローバルスタンダードのプレゼン・スピーチ力の向上にフォーカスしていますが、本来の意味でのコミュニケーションとは、「伝える」と「聴く」の双方向が必要です。聴く力とは、相手に本音をたくさん話してもらう力であり、特に、コーチングスキルの用語として「積極的傾聴」が語られることが多いのですが、この「積極的傾聴」のスキルは、コーチのみならず、すべてのグローバルなビジネスリーダーにとっても、価値観の異なるステイクホルダーたちと渡り合っていけるために、欠かせないスキルです。

ですので、信元が行う企業研修やワークショップなどでは、クライアントのご要望に応じて、「プレゼン・スピーチ」(伝える)、それに加えて「アクティブリスニング」(積極的傾聴)の双方向から、総合的なコミュニケーション力を鍛える、というコンテンツも多く扱っています。

そこで今回は、3ステップで実施する、積極的傾聴の実施方法をご案内します。その前に、まずは積極的傾聴について理解しましょう。

積極的傾聴とは

傾聴とは

まず傾聴とは、読んで字のごとく、相手が言っていることに耳を傾け、理解し、しっかりとその真意を聴き取る、ということです。人は、自分の話をしっかりと聞いてくれる相手に心を開くものです。傾聴することで、それまでは見えにくかったその人の真意が浮かび上がってきます。

コミュニケーションでは「傾聴」が大切だ、と言われるのはこの為です。

傾聴の種類

「傾聴」には、大きく「受動的傾聴」と「積極的傾聴」の二種類あります。

  • 受動的傾聴
  • 積極的傾聴

受動的傾聴とは

受動的傾聴とは、うなずいたり相槌を売ったりしながら、相手に、自分のペースで話しをさせながら、自分自身は徹底して聞き役になる、という方法です。

積極的傾聴とは

積極的傾聴とは、アクティブリスニングとも呼ばれます。相手に共感を示しながら、「良い質問」を投げかけることで、相手が話す内容を更に広げたり、深めたり、時には先に進めてあげたりすることで、相手に「気づき」を与えるのが、積極的傾聴です。受動的傾聴が徹底して聞き役になるのに対し、積極的傾聴は、「良い質問」が鍵になります。

積極的傾聴が語られるのは、ビジネスマンにとって欠かせないスキルだからですが、傾聴するだけでなく、「良い質問」を投げかけることが思いの外難しい技術の為です。

では、その積極的傾聴はどのように実施すればいいのでしょうか。

積極的傾聴の実施方法(3ステップ)

積極的傾聴は、3つのステップで実施します。

積極的傾聴3つのステップ

STEP1:聴いていることを示す

うなずく、相槌を打つ、視線をしっかり合わせる、など、相手の話を興味を持って全身全霊で聴いている姿勢をまず示します。

STEP2:理解していることを示す

次に、ただ聴いているだけではなく、相手の言うことを理解していることを示します。例えば、相手が言ったことを復唱する、要約する、言い換える、などして、内容を確認していきます。相手が感情を示しているなら、その感情に寄り添ったり共感を示したりすることも、「理解していることを示す」につながります。

STEP3:良い質問を通し、相手の思考プロセスを刺激する

さて、ここが積極的傾聴の中でもっとも大切なプロセスです。「傾聴」とはいうものの、聴いているだけでは、相手の気づきにはつながりません。気持ちが楽になる、すっきりした、などの効果はあるかもしれませんが、特にビジネスの場においては、相手に気づきがあり、次なる行動に繋げるべく、良い質問を投げかけながら、相手の思考プロセスを刺激していくことが大切になります。単なる質問、ではなく、「良い質問」であることがポイントです。

良い質問って何?4つの質問の種類

では「良い質問」とはどんな質問なのでしょうか。実は、質問には軽い質問、悪い質問、重い質問、良い質問、の4種類あり、下図のような相関関係にあります。

4種類の質問

この中で良い質問のみが、積極的傾聴を実現できる質問になります。では、それぞれどんな質問か見ていきましょう。

軽い質問

「軽い質問」とは、答えやすいが、気づきは得られない質問です。例えば、「最近ゴルフの調子はどうですか」、「週末はどのように過ごしましたか?」などの質問で、相手との関係づくりの初期段階など、アイスブレイクとして軽い質問を投げかけることは有効です。が、気づきや行動にまで持って行くことはできません。

悪い質問

「悪い質問」とは、答えたくなく、気づきもない質問です。「いつになったら結婚するの?」、「借金いくら抱えてるんですか?」など、相手との関係性を無視し、更にはどこか否定的なニュアンスのある質問です。

重い質問

「重い質問」は、気づきはありますが、なかなか進んで答えたいとは思えないような質問です。例えば、「なぜあなたは同じ間違いを何度もするのですか?」、「あなたの経営者としての手腕を世界のトップ経営者と比較したらどんなレベルなんでしょうね」というような質問です。

良い質問とは

「良い質問」は、一言で言うならば、「答えやすく、かつ、気づきや行動につながる質問」つまり、「相手が自分から進んでそのことを考えて答えたくなり、かつ、答えた先に気付きや行動がある質問」、のことです。

相関図を見ても分かるように、軽い質問だと気づきに至らず、重い質問だと答えるのに躊躇され良い答えを引き出せない。良い質問ができると、質問者にも回答者にとってもウィンウィンで実りのある対話を実現できるのです。

この良い質問、実は戦略的に作る手法があります。次の記事で、具体的に良い質問を戦略的に作る方法を詳細にご案内しますので、今回は、ワークを通して、良い質問とは何か、まずはその感覚をつかみましょう。

【ワーク】良い質問へ改善してみよう

ここで皆さんに2つの「良い質問」(答えやすく、答えた先に気づきや行動がある質問)をしてみたいと思います!

ワーク1.軽い質問→良い質問へ改善してみる

(良い質問)先ほどの「軽い質問」の例の、「最近ゴルフの調子はどうですか」を、どのように変えたら「良い質問」になるでしょうか?

ワーク2.重い質問→良い質問へ改善してみる

(良い質問)「重い質問」の「あなたの経営者としての手腕を世界のトップ経営者と比較したらどんなレベルなんでしょうね」、はどうでしょうか?

回答例は本コラムの一番下をご覧ください!

まとめ

  1. ビジネスマンにとって「伝える力」だけでなく「聴く力」も重要なビジネススキル
  2. 価値観の異なるステイクホルダーたちと渡り合っていくために、欠かせないスキル、それが「積極的傾聴力」
  3. 傾聴とは、相手が言っていることに耳を傾け、理解し、しっかりとその真意を聴き取ること
  4. 傾聴には、受動的傾聴と積極的傾聴の2種類ある(徹底的に聞き役に回るのが受動的傾聴)
  5. 積極的傾聴とは、積極的傾聴とは聴くだけではなく、良い質問を通し相手のプロセスを刺激すること
  6. 質問には「軽い質問、重い質問、悪い質問、良い質問」の4種類あり、良い質問以外では、積極的傾聴は実現しない
  7. いかに良い質問ができるか、が積極的傾聴成功の鍵

あなたの質問の傾向は?

皆さんも、自分自身の質問の傾向を振り返ってみましょう。

もし、なかなか核心にたどり着けないならば、「軽い質問」が多い傾向にあるかもしれません。その場合、どうしたら相手に気付きや行動をもたらせるかを考えてみましょう。「重い質問」をしがちな方は、相手が進んで答えてくれるような聞き方や内容を試してみましょう。

注意!)「誰にとっても良い質問」はありません

「誰にとっても良い質問」というのはありません。ある人には大きな気付きを促した質問が、別の人には全く響かないということもあります。したがって、質問をするときには、一人ひとりに対して個別対応をすることが大切です。

【ワークの回答】

先ほどのワーク1と2、それぞれどのように改善すると、それぞれ良い質問になるか考えましたか?

ご自身の回答と改善例を比較してみてください。

ワーク1.軽い質問→良い質問

軽い質問「最近ゴルフの調子はどうですか」

改善例)「ゴルフの上達に必要な3つのことは何だと思いますか?」

ワーク2.重い質問→良い質問

重い質問「あなたの経営者としての手腕を世界のトップ経営者と比較したらどんなレベルなんでしょうね」

改善例)「世界の優れた経営者のようになるためには、日々どんなことに努力すればよいでしょうか?」

良い質問を戦略的に作る手法は次の記事でご案内しています。ビジネススキルで必須の質問力を鍛えていくことができますので、是非ご覧ください。

後半はこちら

「良い質問」はどうしたらできるようになる? 「信元夏代のスピーチ術」編集長 信元です。 前回『ビジネス必須スキル!積極的傾聴(アクティブリスニング)の実施方法』で、積極的傾聴とは聴くだけではなく、良い質問を通し相手のプロセスを刺激するこ[…]

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