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米国テレビ番組のプロデューサーから与えられる時間は3分
米国のテレビ番組のプロデューサーに製作会社が新企画を持ち込もうと思っても、10あるうちの1つくらいしか通らない、しかもそのプロセスも90日はかかる。一本のデモテープを作るにも相当時間がかかる。費用もバカならない。一本の企画につき最低でも約3万ドルだという(Brant Pinvidic著 ”The 3 Minutes Rule” より)。
短時間では、凝縮されたシンプルで明確な情報で勝負する
そんな厳しい現場でも、優れた内容を効果的なプレゼンで提案すれば、採用になる確率はぐっと高まる。しかし、多くのプロデューサーは多忙で時間がない。与えられる時間は、せいぜい3分だ。だからその短い時間で相手の心をつかまなくてはならない。それには、凝縮された情報をできるだけ具体的にクリアにまとめることが必須だ。
3分で心をつかみ企画を通す「3分プレゼン作成法」
凝縮されたシンプルで明確な情報を作り3分でまとめるには、ブレークスルーで教えている「ワンビックメッセージ」作成を活用し、なおかつ3分にまとめる(後述)やり方がおススメだ。理由は、この手法を使うことで、必要な情報や魅力、ベネフィットを短時間で伝えるだけでなく、相手の心を捉えるプレゼンを作れるからだ。
- 3分プレゼンの必須要素と時間配分で、プレゼンをまとめる。
- プレゼン準備法を使い、「ワンビッグメッセージ」を作成。相手の心を捉えるプレゼンに仕上げる。
それぞれの手順は以下となる。
1.必須要素と最適な時間配分で、プレゼンを3分にまとめる
- 商品説明(1分半)
- どのような仕組みでどのように使え、どんな証拠があり(1分)
- 具体的なプロセスは何か(30秒)
この要素と時間配分については、冒頭紹介したアメリカのテレビ業界で数々のヒット作品を生み出したBrant Pinvidic氏も自身の著書「the 3-Minute Rule」の中で同様の話をしている。
3分の中で必要なのは、それが何であり(商品説明:1分半)、どのような仕組みでどのように使え、どんな証拠があり(1分)、具体的なプロセスは何か(30秒)、であり、それらをシンプルにまとめることだ。大切なのは、あれもこれも盛り込もうとしないこと。
ブレイクスルーメソッドで教えているスピーチ作成術と全く同じだ。
2.プレゼン準備法を使いワンビッグメッセージを作成、相手の心を捉えるプレゼンに仕上げる。
さて、必要な要素を3分にまとめるだけでは、相手にとって決め手に欠ける。そこで重要となるのが、相手の心を捉える「ワンビッグメッセージ」の作成だ。
- 思いつくままにポイントをできるだけ書き出す(発散的思考)
- 書き出した内容をグルーピングし、3つに絞る(収束的思考)
- ワンビッグメッセージに落とし込む(日本語なら20語以内、英語なら10 ワード以内)
つまり、プロセスとしては以下
(1)最初に、思いつくままに付箋紙などを利用して、ポイントを書き出して行く(発散的思考)。この段階では何も判断はしない。
(2)その後、似通った内容のものはグルーピングする。いくつかグループができたら、その中で本当に必要な内容はどれかを判断し、3つまでに絞り込む(収束的思考)。実は、このプロセスが難しい。どのアイディア・項目も愛着があったりして、捨てきれない場合がある。しかし、少しでも関係のないものは勇気を出して切り捨ててしまおう!
(3)そして、その3つの構成要素(商品説明・理由づけ・使用プロセス)から有機的に生み出されるものを一つのメッセージ(One Big Message)として表現する。日本語なら20語以内、英語なら10 ワード以内だ。
この具体的なプロセスは、ブレイクスルー基礎コースで詳細を学ぶことができる。
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明確なOne Big Messageを考える重要性
聞いていて苦々しく思うのは、言いたいことがいくつも含まれていて、長々と述べているけど、結局何を言いたいのかが分からないスピーチ。3分しか時間がない状態では絶対にこれはできないし、してはならない。
よいスピーチは、言いたいことが一つにまとまっていて聞きやすい。数ある企画プレゼンの中から自分の企画を通すには、右から左へ流れてしまうプレゼンではなく、分かりやすい且つ印象に残るメッセージで相手の心を捉えることが重要となってくる。
言いたいことを一つにまとめること。これをブレイクスルー・メソッドでは、ワンビックメッセージ(One Big Message) と言っている。先に上げた手順に沿って、言いたいポイントを3つに絞り、絞り込まれた内容が有機的に繋がって一つのメッセージをかもしだすようにすれば、相手の心を捉えることができるだろう。
さらに、この3分でまとめることに慣れてきたら、その内容をYouTubeで流してみたらどうだろうか? あなたも流行りのYouTuberになれるかもしれない。
■オープニングのコツはこちら:
オープニングで相手の心を引きつけさえすれば、あとは中身の問題。オープニングでは、結論から話すように心がけよう。誠実さを持って話せばきっとあなたの優秀な技術や開発力、アイディアは正当な評価を受けるだろう。
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